![<LIVE HOLIC>5周年記念で10-FEET、ブルエン、9mm、オーラルら熱演/レポート](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252Femusic%252Femusic%252F2019%252FE1553844702682_69c6_13.jpg,quality=70,type=jpg)
「初顔合わせの2マンライブにすること」と「先輩VS後輩」を現在も変わらない信条に全国各地で定期的に行われている、スペースシャワーTVとuP!!!が主催する「LIVE HOLIC」。初回から5年を迎えた今年は、<−最強の出演者による最強の3日間−>と標榜し、過去の出演者が集うextra公演『uP!!! SPECIAL LIVE HOLIC extra vol.3 supported by SPACE SHOWER TV』を幕張イベントホール2DAYS&初の大阪・なんばhatchと、これまでの最大規模&最大キャパシティにて行った。
出演アーティストは、その周年を記念するが如く、3/29(金)にTHE ORAL CIGARETTES / 9mm Parabellum Bullet / 10-FEET / TOTALFAT / THE BACK HORN / BLUE ENCOUNT / THE BAWDIES / yonige、3/30(土)にACIDMAN / androp / ORANGE RANGE / キュウソネコカミ / SHE’S / Nothing’s Carved In Stone / 04 Limited Sazabys / UNISON SQUARE GARDEN。そして、4/20(土)に雨のパレード / アルカラ / KEYTALK / サイダーガール / ストレイテナー / SUPER BEAVERが主旨にもあった先輩後輩が入り混じり、ますますのLIVE HOLICを生み出すべく己のアイデンティティや音楽性を持ち時間いっぱいまで各々放ち合った。
以下はその初日となった、30日の模様を一部お届けする。なお、同レポートは「LIVE HOLIC」の主旨である先輩VS後輩に乗っ取り、ベテランライター(50代)と、新米ライター(20代)でお送りする。
10-FEET
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16ものバンドが登場する2Daysのトップを飾ったのは10-FEETだった。イントロデュース映像の後、場内が暗転。勇ましい登場SEが流れ出すと、赤いライトにより浮かび上がったステージに3人のメンバーの雄姿がシルエットとして現れる。この日は時間に関するMCと選曲が印象深かった。
前半は躍動感のある曲が目立った。疾走感でスタートダッシュを予想していたが、まずは会場をバウンスさせ温め、且つ一体感を育ませる流れに映った。
『ありがとうございました。10-FEETでした!』とTAKUMA(Vo.&G.)によるお約束のスタートから彼らはこの日も始動。KOUICHIのドラムが生み出す躍動感たっぷりのミクスチャー成分高めの「1 size FITS ALL」が、まずは会場をバウンスさせていく。
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『あと25分ぐらいだから、ボーッとしていたらあっという間だぞ!』とラガを交えた「火とリズム」に入るとそのラガとストレートさを織り交え、歌われるエモさと切なさが入り交じったメロディが場内の心の機微を誘う。「あと20分ぐらい。あっちゅう間に終わっちまうぞ、楽しもうぜ!」と最初期からの定番曲「RIVER」へ。千葉という土地柄も配慮し、<流れ行く利根川>と変えるサービスを交え歌う。『怖いことだらけやな。でも行くしかないな。行け~!(TAKUMA)』と入った「その向こうへ」では、腕を強く引っ張るが如く会場を楽曲がけん引していくのを見た。
『いつか終わりが来る。終わってほしくないなぁ……』と再びライブを激走させるように「1 sec.」に。
時間目いっぱい全力でやり尽くした彼ら。その姿はこの限りある時間を精一杯楽しまんという気概と時間の許す限り全力で放つ彼らの信条を今一度しめしたかのようでもあった。
yonige
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牛丸ありさ(Vo&G)の『yonigeです、よろしく』の合図で「最愛の恋人たち」より幕を開けたyonigeのステージ。ごっきん(B&Cho)との抜群のコーラスワークに観客は気持ち良さそうに体揺らし、届けられる楽曲に耳を澄ませていく。ギターロックサウンドに乗せて「リボルバー」へなだれ込み、開放感溢れる歌声を会場の隅々まで届けていった。MCで牛丸は「LIVE HOLIC5周年、おめでとうございます。唯一の雌バンドです。2日間の中で、女バンドを観れるの今日だけやぞ」と笑いを誘い、「どうでもよくなる」をリズミカルなテンポで軽やかに披露。「また明日」「トラック」と次々とプレイされていく楽曲には、牛丸の歌声も相まって独特の雰囲気を持ちながらも、どんなオーディエンスも包み込むように緊張を解きほぐしていった。
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THE BAWDIES
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今年デビュー10周年を迎え、それらも手伝い、この1年は回帰的にライブをガンガンに行っているTHE BAWDIES。そしてこの日は、その辺りの充実具合と最盛期の到来、そして自身が生粋のライブバンドであることを、短い時間ではあったが、再度改めてしっかりと誇示してくれた。
おなじみのSEに乗って現れた4人。まずはデモンストレーション音をガツンと一発。その音圧が凄い。『BAWDIES行かせていただきますよ~。一緒に歌っていきましょうね』とベース&ボーカルのROY。いきなり上昇感とダンサブルさで会場を惹き込んだ「SING YOUR SONG」からブーストしていく。あの独特のシャウト声で今日も魅了しにかかるROY。<SING YOUR SONG>の掛け合いも交え会場に早くも一体感が育まれていく。
『これからお祭りも盛り上がっていきます。踊っていきましょうか』と「NO WAY」に。サビの16に突こんでいくところがいい。グイグイと会場がのめり込むように惹き込まれていくのが伝わってくる。
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以前、このLIVE HOLICの一環として、岡山でのsumikaと初対バンやった際の話を振り返るMCを経て、『今は新曲をガンガンやっていくツアーを敢行中』と自身の現状を語り、『我々はロックンロールでみんなを笑顔にしていくバンド』と自分たちを称し、それの面目躍如とも言うべく最新曲でもある「HAPPY RAYS」が、ここで現れる。同曲特有のスウィートさとちょっとしたノスタルジックさが広い場内に広がっていく。次曲に移る前にラブコメ風寸劇が。それを伏線に、さらに場内を惹き込むように「HOT DOG」に入ると、JIMのファズギターも炸裂。盛り上がりの火に更に燃料がぶち込まれていく。『このままついてきてください。遅れるとこうなります』と、”乗り遅れるなよ!”とばかりに入った「IT'S TOO LATE」では、場内も待ってましたと盛り上がる。
最後に『祭りに花火は必要』とばかりに打ち上げ花火の如く「JUST BE COOL」が放たれると、会場も楽曲に合わせて楽しそうにバウンスを見せる。あの独特の喉を活かしたしゃがれ声によるシャウトのロングブレスは圧巻。会場が魅了されるのを見た。彼らのライブはまさに今が最盛期。短い時間ではあったが、それを改めて確信させてくれた40分間であった。
BLUE ENCOUNT
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青色のライトに照らされるなか田邊駿一(Vo&Gt)、江口雄也(G)、辻村勇太(B)、高村佳秀(Dr)の4人が位置につくと、<あなたに出会えて本当によかった>のフレーズから始まり披露された「Thanks」。田邊の力強い歌声に応えるように観客も興奮気味で手を高く上げていく。途中、観客にシンガロングを任せた場面ではオーディエンスの歌声が場内に響き渡り、その様子はとても心強いものだった。1曲目で観客に来てくれたことへの感謝を存分に伝え、続く「KICK ASS」では江口の激しくうねるようなギターサウンドに乗せられ、観客のダイブが次々巻き起こった。
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「周年イベントでございます。
9mm Parabellum Bullet
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今年結成15周年、デビュー12年を迎えた9mm Parabellum Bullet。このLIVE HOLICでは、この次に控えているTHE ORAL CIGARETTESと一緒に仙台Rensaの回に登場した。まさに命を全力で燃やすべく挑んだ感のあるライブを終始展開してくれた、この日の彼ら。
おなじみのATRの緊張感あふれるデジタルハードコアのSEの中、赤いライトで浮かび上がったステージにサポートギタリストを交えた5人が登場する。まずはスタンバイを知らせるかのようなデモンストレーション音と彼ら特有の激しいアクションが目に飛び込んでくる。この日は歌謡的で妖艶なイントロも特徴的な「ハートに火をつけて」から入った。スカのカッティングながらそこに軽さはなく、バーレスクさが呼び込まれているのがいかにも9mmらしい。菅原卓郎(Vo.&G)の歌声は今夜も艶やかだ。ギターの滝善充もフロントまで出てギターソロをキメる。”ハートを燃やした次は命を燃やせ!!”とばかりに入った「Black Market Blues」では、かみじょうちひろのドラムが生み出すダンサブルなビートと中村和彦のベースが育む躍動感が場内にバウンスを生み、そこを抜け現れたサビでは無数の拳があがるのを見た。ノンストップで妖艶なイントロが現れる。「カルマの花環」だ。サビでの駆け抜けるような怒涛さとストレートさが気持ちいい。
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『今日はまさにオーラルとワンツーフィニッシュだ。4月にシングル出します。この春にみんなに聴いて欲しい曲が出来た』と告げ、てっきりその曲をやるかと思いきや、『その前に90秒だけ時間をください』と、これまた命を燃やし尽くせと激しく歌われる「インフェルノ」が、その後、前述の新曲「名もなきヒーロー」に入る。サビの開放感がたまらない引き連れていく感じも印象的な同曲。<勝ち目が見当たらなくたって/逃げたくないから笑ってんだろ/また明日 生きのびて会いましょう>のスタンドアローンなフレーズも印象深い。対して、「新しい光」では、サークルピットが生まれ、肩組みヘドバンサークルも出現を見た。
THE ORAL CIGARETTESに最高のバトンを渡すべくラストスパートは、「Discommunication」とラストはツインリードも炸裂した「The Revolutionary」が締めた。短いながらも全力な創痍のライブを魅せてくれた彼ら。16年目以降も衰えるどころか、ますます活動の加速を予感させるライブを堪能した全8曲であった。
THE ORAL CIGARETTES
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9mm Parabellum Bulletからのバトンを受け取った、初日のトリを飾るTHE ORAL CIGARETTES。オーラルライブ恒例の四つ打ちから「Mr.ファントム」でライブをスタートさせた。フロアは初っ端から踊り狂い、彼らから届けられる音に身を委ねていく。山中拓也(Vo./Gt)が時折見せる、小悪魔的な笑みに<今日はとんでもなく激しいセットリストなのでは>と思わざるを得ない。その期待に応えるかのように、間髪入れずに「5150」、中西雅哉(Dr)のドラムのスネア音で勢いよく始まった「ワガママで誤魔化さないで」と怒涛のアップチューンが届けられた。鈴木重伸(Gt)はギターのリフを刻みながら、その躍動感も交え、観客を煽りにいく。縦横無尽に駆け回る照明も迫力あるサウンドとシンクロし、その演出はまるでステージとの距離を感じさせないものだった。
途中、MCで山中はイベントのトリと務める驚きを口にすると共に、イベントの主催者へ感謝を述べた。そして、『床抜けるくらい飛びは跳ねてください、カンタンナコトー』と意地悪そうに告げたのを合図に「カンタンナコト」が始まり、観客が一斉に飛び跳ねる。山中、鈴木、あきらかにあきら(Ba)も激しいヘドバンを披露し、会場をさらに煽り立てていく。休む間もなく、「容姿端麗な嘘」「狂乱 Hey Kids!!」「BLACK MEMORY」と激しいナンバーの連投で畳み掛ける。人間らしい感情を解放させるかのようなセットリストと、ステージからアグレッシブなパフォーマスが投げかけられ、フロアの興奮は爆発状態に。凄まじい熱気が渦巻いていた。会場は室内ホールなのだが、砂埃のような視界が曇るほどの熱気がフロアを覆っているように見えた。
![<LIVE HOLIC>5周年記念で10-FEET、ブルエン、9mm、オーラルら熱演/レポート](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252Femusic%252Femusic%252F2019%252FE1553844702682_61de_10.jpg,quality=70,type=jpg)
最後のMCで山中は『音楽はずっと残り続けるものです。僕らもいつ死ぬかわかりませんけど、あなたたちの最期に、あなたたちのエンドロールに、オーラルの音楽がありますように』と話し、「エンドロール」を披露。ラストは「PSYCHOPATH」で締めくくった。先日、横浜アリーナ単独公演を終えたばかりのオーラル。先日に続き、今日のホールの舞台でもしっくりくる表現力を持ったバンドとして、トリをきっちりと務め上げていた。
取材・文/池田スカオ和宏、日野綾
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