浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演

うらたぬき、志麻、となりの坂田。、センラによる男性4人組グループ・浦島坂田船が“和”をコンセプトとした春ツアーを行うのは、2019年で3度目となる。
本ツアー『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』は兵庫を皮切りに、愛知、福岡、北海道そして東京の5ヵ所を巡った。ここではセミファイナルにあたる、4月3日の東京・両国国技館初日の模様をお届けする。

会場は、ステージ正面のアリーナをマス席と2階席が囲む陣形。ステージ中央には巨大なスクリーンが設置され、その左右には2本ずつ、計4本の巨大な刀が立てられ、メンバーの4人をイメージした家紋、加えて4色のかざぐるまが散りばめられていた。

crew(※ファンの呼称)による恒例の「浦島坂船!」コールを合図に、開演、もとい“開戦”の時が近づくと、重厚感のある和ロックのBGMとオープニングムービーが流れ始める。そして、うらたぬき、志麻、となりの坂田。、センラが登場すると、割れんばかりの黄色い歓声が国技館を震わせた。
浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演
浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演

4人の衣装は、白を基調とした羽織に金の装飾をあしらったもの。5人のバンドメンバーも黒い和装で揃い、一体感のあるステージ衣装を成立させていた。客席で4色に光るペンライトのなかには、今回のツアーグッズである刀型のペンライトも多く見られた。

当然、セットリストも和を意識したものだ。序盤から人気曲「花鳥風月」「千本桜-guitar rock arrangement ver.-」を立て続けに披露し、出陣とばかりにcrewの士気を引っ張り上げていく。
この日最初のMCでは、「どーも! 皆さん本気で声出てるね、調子良いのかな?」とうらたぬきが声をかける。それぞれに自己紹介を終えると、勢いはそのままに次の曲へ展開していった。
浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
となりの坂田『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演
浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
うらたぬき『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演

ピンクや紫のレーザーが放たれた途端にムーディな雰囲気に変わり、「虎視眈々」のイントロが流れると、crewからは歓声が上がる。ステージの4人は歓声をさらに盛り上げるかの如く、サビで息のぴったり合ったダンスを見せてくれた。「百花繚乱」では8人のダンサーも加わり、横長のステージを贅沢に使う。すでにクライマックスだろうか? と思われるほどの壮観ぶりだ。花魁の切ない生き様を描いた「吉原ラメント」では、メンバーがそれぞれのイメージカラーの番傘を片手に楽曲がもつ特有の艶美なパフォーマンスを見せつつ歌いあげ、観客を魅了した。
浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
センラ『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演

ステージには、うらさか(うらたぬき・坂田)の2人が残り、恒例のコール&レスポンスを楽しんだあと、発声練習は十分とばかりに「WAA!!!!」へなだれ込む。歌いながら引っ張り合いを始めたり、一緒に遠くを指さしたりと、仲睦まじい、2人らしい絡みも見られた。続く、しません(志麻・センラ)は疾走感のある人気ナンバー「ギャラクシー」を披露。両国仕様のコールをcrewにリクエストし、<もういいかーい?><ドスコーイ!><もういいかーい?><ちゃんこ鍋―!>との掛け合いをするシーンも。互いの手を握って走り回るなどし、微笑ましいパフォーマンスで会場を湧かせた。

浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
センラ『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演
浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
となりの坂田『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演

中盤では、敵と戦う“殺陣”のパフォーマンス。志麻が回し切りで敵をなぎ倒せば、坂田は前後を挟まれながらも、軽やかにかわす。センラは左右からの攻撃を剣と鞘(さや)で受け止め、うらたぬきは3人からの攻撃を一気に防ぐなど、それぞれに個性ある動きで格闘シーンを魅せた。そして、うらたぬき・志麻ペア、坂田・センラペアが互いに背中を預け合うシーンがあったのも書き残しておきたいポイントだ。会場の熱気が最高潮になったところで、本ツアーのテーマソング「-誠-Live for Justice-」が放たれた。刀を使ったダンスは見応えも抜群。ラストはそれぞれ異なるポーズを決めた。
浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
うらたぬき・志麻『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演
浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
となりの坂田・センラ『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演
浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
志麻『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演

ソロパートを皮切りに後半戦へ。いつものスカジャンスタイルに着替え、センラが「スパイラル」を、うらたぬきが「セクトの誅罰」を、志麻が「ボードゲームライフ」を、そして坂田が「ねぇ、どろどろさん」を立て続けに歌い、精度の高いステージングを繰り広げた。
浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
うらたぬき『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演

ソロパートを締めくくった坂田が1人ずつメンバーをステージに呼び戻すと、センラの真似をしながら志麻が、うらたぬきの真似をしながらセンラが、志麻の真似をしながらうらたぬきが登場するといったクセの強い一幕も。このゆるいふざけ合いも、彼らの魅力のひとつだ。そして、うらたぬきは2017年に、浦島坂田船として同じ両国国技館のステージに立った時のことを振り返り『(前回は)精一杯だった。
今はお客さんの顔がすごく見えるようになりました。ここまで導いてくれたのは皆さんのおかげですよ、ありがとうございます!』と呼びかける。

『めちゃめちゃ調子良くて。元気が有り余ってるから動いてしまって汗が止まらない』(センラ)
『なんか今日動いちゃうよね』(坂田)
『もしかしたらみんなのボルテージにやられたのかも』(志麻)
『でももっと本気出してほしい、俺らももうちょっと上げていこうか!』(坂田)


そんなやりとりを経て、『お前らいけるか!?』(うらたぬき)とcrewを煽れば、ラストスパートはお祭りナンバー「わいふぁい暴想ボーイ」、そして定番ソング「Peacock Epoch」へ。最後には、本ツアーのもうひとつのテーマソングである「合戦」。ダンサーがメンバーそれぞれも家紋が描かれた、4色の大きな旗を持ち迫力あるフラッグダンスを披露するなか、メッセージ性の強い歌詞を全力で歌いきり、本編を締めくくった。
浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
志麻『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演
浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演

熱烈なアンコールに応え戻ってきた浦島坂田船。ツアーTシャツワンピ姿で披露したのは「そらに、ひらり」。続く「Shouter」では、戦国旗を彷彿とさせるのぼり旗が据えられたトロッコに乗り、客席エリアを回った。

『1年半ぶりに見た人も今日(初めて)見た人も、すごい楽しんでくれたんじゃないかな。今日1日すごく楽しかったです』(センラ)
『明日が終わったら春ツアーも終わりということで、短かったですね。もっとやりたい。
今日も最高でした』(坂田)
『1年半ぶりということで、お客さんの熱量も我々4人も、確実にパワーアップしてます。今日も明日も無事に成功させて、また次のステップに繋げたい』(志麻)
『今日はめちゃめちゃ楽しかったです、みなさんはどうでしたか? もう1曲歌っても良いですか!?』(うらたぬき)


ラストに披露されたのは、締めくくりに相応しい「SAILING!!!!!」。安定感のあるシンガロングで、会場は今日一番の一体感を見せていた。そんな光景を目の当たりにした4人の表情からは、翌日のファイナル公演に向け、確かな手応えを感じているようにも見えた。ステージを練り歩き、時間をかけて丁寧に挨拶をすると、最後には1人ずつカメラ越しに客席へ感謝と愛を伝え、ステージを後にした。
浦島坂田船、約1年半ぶりの両国国技館で成長を実感「みんなの顔がちゃんと見られるようになった」
『浦島坂田船 Spring Tour 2019 ―斬(ZAN)―』両国国技館公演

後日談にはなってしまうが、翌日の千秋楽も無事に終了し、本ツアーは大成功で幕を降ろした。近々重大発表も控えているとのことで、次なるステップへと踏み出す4人が見られるかもしれない。2019年の夏以降の浦島坂田船は、一体どんな航海へ我々を連れ出してくれるのか、実に楽しみだ。

取材・文/ヒガキユウカ(プレスラボ)
撮影/小松 陽祐(ODD JOB)、堀 卓朗(ELENORE)

<セットリスト>
01.花鳥風月
02.千本桜-guitar rock arrangement ver.-
03.虎視眈々
04.百花繚乱
05.吉原ラメント
06.WAA!!!!
07.ギャラクシー
08.-誠-Live for Justice-
09.スパイラル
10.セクトの誅罰
11.ボードゲームライフ
12.ねぇ、どろどろさん
13.神のまにまに
14.小さなライオン
15.Pathfinders
16.わいふぁい暴想ボーイ
17.Peacock Epoch
18.合戦
En1.そらに、ひらり
En2. Shouter
En3. SAILING!!!!!
※「Shouter」の「e」はウムラウト付きが正式表記
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