平成で生まれた動画クリエーターという仕事、令和ではどのように活躍していくのか――。エキサイトニュースではこの度、UUUMに所属するクリエーターたちにインタビューを遂行。人気動画クリエーターが誕生した経緯と、「好きなことで、生きていく」を追求する熱い想いに迫る。
今回登場するのは、元お笑い芸人のクリエーター、“エミリン”こと大松絵美。芸人が動画クリエーターに転身するケースは近年増えつつあるが、彼女は元々芸人活動と並行して、TwitterやYouTubeに投稿した動画でも評価を集めていた。「世の中に何かを発信したい」。その夢のために戦う場所を変え、2018年、UUUMに所属。動画クリエーターとしてチャンスを掴んだ彼女に迫った。
鳴かず飛ばずの芸人時代 最後の挑戦として動画クリエーターへ転身
非常に早口ながら滑舌の良いトークで展開する、あるあるネタ。エミリンは芸人時代からネタ動画をTwitterやYouTubeに投稿し、その痛快な内容とお笑い界仕込みのトークスキルで、若い女性を中心に多くの支持を集めてきた。
しかし彼女は、初めから芸人を目指していたわけではない。最初の夢は声優だったと話す。
「18歳のときに声優養成所のオーディションに合格したんですけど、親が厳しかったので、『そんなのダメ!』と言われてしまって。費用のことも何も相談していなかったし、自分で払うこともできず、結局行かせてもらえなかったんです。そこで今度は自分でバイトして、アナウンススクールに通いました。局アナとかになれたら、喋る仕事もできて、生活も安定すると思って」
彼女が大きな一歩を踏み出すこととなったのが、2014年の「アミューズ オーディション フェス」。多数のアーティストを要する大手芸能プロダクションのアミューズが、書類審査なし・全員面接のオーディションを全国7都市で行うとあり、話題になった。エミリンは3万2,000人以上が参加したこのオーディションのなかで、「バラエティー・タレント・キャスター」部門賞を受賞した。
「アナウンススクールに通っていたぐらいですから、当初はキャスター志望で申し込んでいました。ただ、オーディション会場に行ってほかの参加者を見た途端、すぐにわかったんですよ。『自分じゃ勝てないな』って。でもせっかく会場まで来たのだからと、急遽志望を変えて、バラエティーの枠で受けてみたんです」
会場で、突然の志望枠変更。当然、前もって作り込んでいたネタもなかった。いつも友人との間でふざけてやっていたようなネタを披露したところ、その度胸を評価され受賞、見事に事務所所属の切符を手にした。
「『劇団四季風に“ぞうさん”を歌ってみた』とか。言ってしまえば学生のノリでしかなかったと思うんですけど。逆にそれが『度胸あるね』みたいになって」
天才の片鱗のようなエピソードだが、決してここから順風満帆というわけではなかった。
「大学卒業後、まずは芸人として売れることを第一目標にして上京したんですが、本当に仕事がなくて。劇場に出ても、ワンステージの報酬が1,000円とか。ネタ見せもありましたが、あれは交通費がかかるだけで、一切ギャラは発生しません。でもネタは作らないといけないので、時間と労力はかかる。本当にお金がなくて、居酒屋で週6日バイトしてました(笑)。居酒屋が本業、芸人は副業、みたいになっちゃってましたね」
そんな彼女にとって、光明となったのがTwitterだった。芸人活動をしながらTwitterに投稿していた動画が話題になり、フォロワーが20万人に達した。
「その頃から、周りには『芸人を辞めて動画を仕事にした方が良いんじゃないの?』と言われていました。どれだけフォロワーがいても、目の前のお客さんを笑わせられなかったら芸人としては全く評価されませんから。だけど、まだまともに結果を出せていないのに、『周りの意見に従って自分のスタイルを変えていいのか?』と悩んでもいました……その時すでに24歳でしたしね」
【部活あるある】
— 大松絵美(エミリンチャンネル) (@oomatsuemi) August 24, 2019
急にブチギレて
急に冷静になるタイプの顧問
(多分女子バレー部) pic.twitter.com/tTN0eDnPaR
芸能界では、決して若いとは言えない24歳という年齢。それを踏まえた上で、彼女が最後のチャンスとして挑んだのが、YouTubeだった。
「実は24歳の時点で、一度は夢を追うことを諦めたんです。それで企業に就職しようと思って、UUUMの社員面接を受けに行きました。その際に『Twitterで動画やってる子だよね?』と言われて。フォロワーが多いおかげで、面接官の方が知ってくださっていたんです。その場で『まだ20代だし、動画クリエーターとして頑張ってみない?』というお話をいただいて、ラストチャンスのつもりで飛び込みました」
世に出て何かを発信したいっていう想いがずっとあった
声優、アナウンサー、芸人、動画クリエーター。影響力のある仕事を夢見てきたエミリンは、「結局、世に出て何かを発信したいっていう想いがずっとあった」と振り返る。しかし子供時代は人前に出ることとは無縁、むしろおとなしいタイプだったという。
「子どもの頃はどちらかと言うと “陰キャ”で……友達とワイワイ遊ぶというよりは、ひとりで自由帳にポエムを書いているような子。少なくとも、自分の名前で何かしようとか、何かリーダーシップを発揮したりとか、仲間と協力して何かをやり遂げたりするタイプではなかったですね。ひとりでいるのが好きな子でした」
父親・姉は現役警察官、母親も元警察官。そんな家庭で育った彼女は、取材中の言葉遣いも丁寧だ。
「門限とマナーに関しては厳しい親でしたね。人見知りして友達に挨拶できなかったときには『挨拶しなさい!』って叱られちゃったり(笑)」
そんなご両親は、エミリンの活動内容をどのように捉えているのだろうか。
「実は私がカミングアウトをしたわけではありません。芸人時代に、Twitterの動画がバズったとき、親戚経由で『今Twitterで話題になってるらしいよ』と伝わって、バレてしまった形です。そのときは『変なことをするのはやめてくれ』と言われて。多分すごく嫌だったんだと思います。当時は事務所の意向で、キャラクターを確立するために、ツインテールにピンクの格好で『エミリン星から来ました!』みたいなスタイルだったから。
両親に話していたのは『アナウンサーになりたい』『声優になりたい』という所までだったので、どうしてそれがそういうスタイルになったのか、理解できなかったのもあると思います。私自身も、『世に出て何かを発信できるなら、カタチは何でもいい』と思う一方で、『結局自分は何がしたいんだろう……?』と迷走していた時期でした」
彼女を心配するのは、両親だけではない。友人の中にも、彼女の将来を案じている人がいるという。25歳と言えば、大学を出て就職していれば社会人3〜4年目の年頃だ。
「心配して言ってくれているのはわかるし、ありがたいとは思います。確かに未来のことはわからないけれど、少なくとも今は、私の動画を楽しみに待っていてくれる子たちがいる。その子たちの期待は裏切らないようにしたいんです」
世の中には意外と、年齢制限があることが多い
視聴者からの声を通して、エミリンは芸人時代にはなかった繋がりを感じているようだ。
「生のネタは劇場まで見に来てもらわないと届けられないけど、YouTubeはネットさえあれば見てもらえる。以前、災害で被災された方から『楽しいことなんてないけど、毎日エミリンの動画を見て励まされています』というお手紙をもらったんです。そういうのはネットがあるからこそだし、YouTubeがあるからこそだなって思います」
YouTubeの魅力をこのように話す一方で、動画クリエーターという職業の見られ方を、エミリンは冷静に分析する。
「動画クリエーターという職業自体が、もっと認められたらいいなとは思います。若い子は認めてくれていますが、お父さんお母さん世代……40代・50代の方からは『なにそれ、ふざけた職業』みたいな見方をされることがまだ多いんです。それは感じていますね。
例えば芸人と動画クリエーターだったら、芸人の方が『おお、頑張ってるな』って評価されるんです。『下積み時代は大変っていうもんなあ、頑張ってるんだなあ』って。芸人=すごく大変という認識が世間の中にはあるけど、『動画クリエーターやってます』って言っても「大変な職業」とは誰も思わない。遊びでやってると思われてしまう」
芸人と動画クリエーター、両方を経験したからこそわかる、世の中が持つイメージの違い。それでも、エミリンは「動画クリエーターになりたいなら、1秒でも早く始めるべき!」と話す。
「『動画クリエーターになりたい』という相談はよくいただくんですけど、実際には始めない子が多い。動画投稿って比較的始めやすいメディアなんですよ。私自身も撮影や編集はスマホでしたから。たとえば今日撮って投稿することもできるはずなのに、みんな『いつかやってみたいんですよね〜』なんて言う。とりあえず今やってみればいいのになって思います」
現在活躍している動画クリエーターの中には、「最初は軽い気持ちで動画投稿を始めた」という人も多い。一方で、「やりたい」と言いながらなかなか始められない人がいるのも事実だ。
「YouTubeに限らず、やりたいことがあるなら、やっぱり1秒でも早く始めることだと思います。『夢は何歳になっても叶うよ』って言う人もいますけど、私は嘘だと思っていて。世の中には意外と、年齢制限があることが多い」
さまざまな夢を追ってきた彼女が話すからだろうか、その言葉には重みがある。もうひとつ、とエミリンは自身の経験を振り返りながら続けた。
「お金は貯めておいて損はありません。私が声優になろうとしたときもそうでしたが、何か技術を習得したいと思ったら、絶対にお金がかかるんですよ。授業料や準備代、機材代。無課金で何かをスタートすることはなかなかできない。前もってお金を貯めておかないと、せっかくやってみたいことができても、まずそのためのお金を稼ぐ所から始まるので、スタートダッシュが遅くなってしまう。もちろんお金だけが大切というわけじゃないけれど、あって損がないものだなと本当に思います」
プレゼント応募要項
エキサイトニュース×UUUMのインタビュー連載を記念して、大松絵美さん直筆サイン入りポラを抽選で2名様にプレゼントいたします。
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応募受付期間:2019年10月23日(水)~11月6日(水)18:00まで
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— エキサイトニュース (@ExciteJapan) October 23, 2019
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(エキサイトニュース編集部)
なめらかな滑舌とスピード感あふれる編集が特徴の、YouTube界でも数少ない女性お笑いクリエイター。共感をよぶあるあるネタからキャラクターを憑依させたコントなど様々な動画を投稿中。その多彩なお笑い動画は一度見ればハマること間違いなし!