大人気アニメ『僕のヒーローアカデミア』の劇場版最新作『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』が2019年12月20日より全国東宝系でロードショーされる。
今回は、主人公デクの幼馴染にしてライバル的存在である爆豪勝己役を務める声優・岡本信彦にインタビュー。知力、体力、戦闘センスに優れた逸材である一方、攻撃的な性格をしている爆豪を演じるにあたり、岡本が重視しているのは、「自尊心のぶっ壊れ方」だという。
これが2年後だったら、今と同じくらい叫べただろうか
――叫びの演技に定評がある岡本さんが演じる役のなかでも、爆豪はとくに叫んでいますね。
喉も体力も一番疲弊するのが、爆豪役です。叫びすぎて腰痛や頭痛までしてくるし、いつも体力との戦いです(笑)。今回の劇場版も台本を読んだ段階で、「もしかしたら声が出なくなるかも」と心配になりました。もともと喉は強いほうなんですが、それでも今の33歳という年齢で最新作を演じることができてよかったなと感じます。たとえば、これが2年後だったら、今と同じくらい叫べただろうかとは思うので……。
血が出るまで叫ぶ作品なんてまずないので(笑)、役者冥利に尽きるという思いもあります。『ヒロアカ』という作品で爆豪という役に出会えたのは、役者としてとても幸せなことなのかもしれません。
――本作は、デクと爆豪の関係にスポットライトが当たりました。
テレビアニメ第61話『デクvsかっちゃん2』でお互い本音を明かすまでは、爆豪が先を行って、デクが「待ってよ」と言っているような関係だったのが、今回の劇場版でようやくちゃんと会話できている印象です。
――爆豪というキャラクターは、ともすれば単純に「嫌なやつ」と受け取られかねません。爆豪役を演じるにあたり、意識していることはありますか?
僕も最初はずっと嫌なやつのつもりで演じていたんですが、それもやっぱり『デクvsかっちゃん2』ですよね。あそこでパンパンに膨れ上がった自尊心が一度壊されて、そこから彼の全てがまた始まったんだと思います。「完璧超人で天才」みたいに言われてきた人のプライドがへし折れる場面は、どこか滑稽でもあり、悲しくもあり……。そして、感動するものにもなっていればいいなと思っています。爆豪って、けっこう人間くさいんです。
岡本にとっての“オールマイト”は子安武人
――『ヒロアカ』では、“意志を継承していくこと”が大きなテーマになっています。岡本さんの声優人生において、オールマイトのような存在を挙げるとすれば誰でしょうか?
子安武人さんです。『ペルソナ ~トリニティ・ソウル~』というアニメで、僕と子安さん、沢城みゆきさんで三兄弟を演じたんですが、沢城さんからは“頭で考える演じ方”を教えていただきました。それまで僕は、「自分だったら、こう反応する」というのを役に投影していくような演じ方をしていたんですが、それだと全部自分になってしまう。沢城さんにいろいろアドバイスしていただいて、本当に助かりました。
一方で子安さんに言われた「役者である自分がキャラクターのことを一番好きにならないといけない。そして、キャラクターを魅力的にするのは、役者の力なんだ」という言葉が今も強く残っているというか、むしろどんどん大きくなっていくというか。『ヒロアカ』じゃないですけど、キャラクターを演じるにあたって何が一番重要かって、結局そのキャラクターが持つ“個性”を引き立たせるってことだと思うんです。
今は、「このキャラクターの魅力はどこだろう?」と自分で考えてみた結果を声でプレゼンする感覚で演じています。もしかすると声質自体は重なる声優が他にもいるかもしれませんが、「自分はこのキャラクターのここが魅力的だと感じた」というポイントは、人によって異なります。オーディションに合格するというのは、そのキャラクターの魅力だと感じるポイントが監督やディレクターと一致したということでもあるんじゃないでしょうか。
――ちなみに爆豪役では、どこを重視して演じているんでしょうか?
それはやっぱり“自尊心のぶっ壊れ方”です。強さは映像で伝わるから、声の演技では逆に彼の弱さを見せていきたい。「こんなキャラクターがボロボロになる瞬間って楽しくないですか?」みたいな(笑)。
――なるほど……(笑)。岡本さんが先輩声優から受け継いだエピソードを伺いましたが、逆に「後輩にこんな姿を見せたい」というイメージはありますか?
いや~、キツいですよ。あまり他人の人生に責任を負いたくないし、売れる子は何を言おうが結局売れますし(笑)。ただ、ひとつだけ伝えるならば、今って、好きなことをお金に変えられる時代じゃないですか。その“好き度”っていうのは、間違いなく“やりがい”にもつながるから、つまらないと思ってやるよりは、楽しんで取り組んだほうがストレスフリーでいい。もちろんビジネス的な兼ね合いが必要な場面も出てきますが、なるべく役者は楽しんで演じたほうがいいと思っています。
心で表現する役者が揃ったなかでは、僕も心でいかないと嘘になる
――他媒体のインタビューを読んでも、岡本さんは演技の話になると止まらないというか、言葉は悪いかもしれませんが、“役者バカ”的な方という印象です。
でも『ヒロアカ』に出ている声優は、みんなそういう人たちかもしれません。山下大輝くんも三宅健太さんも石川界人くんも梶裕貴くんもあやねる(佐倉綾音)も、いかにも役者っぽい人がメインにそろっている印象です。彼らに比べると、僕はわりと役者っぽくないんです。どうしても頭で表現しちゃうタイプなので……。
『ヒロアカ』は、心で表現しないとリテイクが出る唯一の現場という気がします。もちろん頭で考えて演じることも大事なんですが、心で表現する役者が揃っているなかでは、僕も心でいかないと嘘になってしまいます。僕自身は普段は全然怒るような性格じゃないんで、そういう意味では大変ですけどね(笑)。役と自分自身のギャップという意味では、僕がキャストで一番意外な人選かもしれません。
――夕方放送のジャンプアニメということで、多くのお子さんが見る作品でもあると思います。『ヒロアカ』という作品を通して、子供たちに伝えたいことはありますか?
それはもう、めちゃくちゃあります。頑張っているヒーローたちを見て、「自分も誰かを助けよう」という気持ちを持ってくれたら、それだけでうれしいです。今回公開される『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』では、命をかけて闘うデクと爆豪の姿を見て、「明日から自分も頑張ろう」と思ってもらいたいです。
――物語テーマのひとつである、「PLUS ULTRA(プルス・ウルトラ)」という言葉。今回の最新映画で、とくにPLUS ULTRAだと思うポイントはどこですか?
原作者の堀越先生は「原作の最終決戦でやりたかったネタのひとつをこの映画で使っている」とコメントしていて、かなりすごい展開があります。はっきり言えませんが、ある意味禁じ手と言っていいくらいの展開なので、これで劇場が盛り上がらないのはヤバい(笑)!
とりあえず前回の劇場版を観た人たちが全員観れば、おのずと前回の興行収入を上回るので、前回観た人たちには絶対観てもらうとして(笑)。あとは「なんか最近元気出ないな」と感じる人に、少しでも明日への活力にしてもらえたらうれしいです。
プレゼント応募要項
劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒローズ:ライジング』の公開を記念して、同作品の劇場ポスターを抽選で2名様にプレゼントいたします。
応募方法は下記の通り。
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応募受付期間:2019年12月19日(木)~1月6日(月)18:00まで
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— エキサイトニュース (@ExciteJapan) December 19, 2019
劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒローズ:ライジング』の公開を記念して、同作品の劇場ポスターを抽選で2名様にプレゼント@heroaca_anime
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(エキサイトニュース編集部)
作品情報
僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒローズ:ライジング
声の出演:山下大輝、岡本信彦、梶裕貴、佐倉綾音、石川界人、三宅健太、今田美桜、井上芳雄 ほか
原作・総監修・キャラクター原案:堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:長崎健司
脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:馬越嘉彦
音楽:林ゆうき
アニメーション制作:ボンズ
主題歌:sumika「ハイヤーグラウンド」(ソニー・ミュージックレコーズ)
公開日:12月20日(金)
公式サイト:https://heroaca-movie.com/
公式Twitter:@heroaca_movie
(C)2019「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会
(C)堀越耕平/集英社
<ストーリー>
雪が降り続く冬のある夜。
ヒーロー社会を壊そうと目論む敵<ヴィラン>・死柄木弔たちが、密かに【何か】を運ぼうとしていた。彼らの動きを事前にキャッチしたプロヒーローたちが現場に駆け付け、激しい戦いを繰り広げる。その戦いの中、その【何か】は、仲間とともに去って行った。「実験は、成功した─。」という言葉を残して。
ちょうどその頃、出久たち雄英高校ヒーロー科1年A組の面々は、引退したNo.1ヒーロー・オールマイトの後を次ぐ“次世代のヒーロー育成プロジェクト”の一環として、クラス全員で期間限定の校外ヒーロー活動のために日本のはるか南に位置する離島・那(な)歩(ぶ)島(とう)を訪れていた。ここしばらく大きな事件が全く起きていない平和な島で、駐在ヒーローとして島の人々の生活を助けながら、忙しく、それでいてのんびりとした時間を過ごす中、出久たちは真(ま)幌(ほろ)と活(かつ)真(ま)という二人の姉弟と出会う。ヒーローに憧れる活真と早速打ち解ける出久だったが、なぜか真幌は、かたくなに活真を出久たちから遠ざけるのだった。
そんな中、突如謎の敵<ヴィラン>たちが那歩島に襲来、次々と島の施設を破壊していく。それを指揮するのは、「ナイン」。出久、爆豪ら1年A組のメンバーは力を合わせて敵<ヴィラン>に立ち向かうが、ナインの圧倒的な“個性”と力は想像を遥かに超えるものだった。
なぜ、ナインたちは那歩島を襲撃したのか?そして、出久たち1年A組の“ニューヒーロー”たちは、果たして最凶の敵<ヴィラン>から活真と真幌、そして島の人々を守ることができるのか─!?
おかもと のぶひこ
プロ・フィット所属。10月24日生まれ。東京都出身。代表作品はTVアニメ『とある科学の一方通行』一方通行(アクセラレータ)役、『ハイキュー!!』西谷夕役、『青の祓魔師』奥村燐役、『暗殺教室』赤羽業役、吹き替え『グッド・ドクター 名医の条件』ショーン・マーフ役など。