DISH// 都内ライブハウスで有料無観客ライブ生配信、夏に相応しい熱いパフォーマンス

北村匠海(Vo,Gt)、矢部昌暉(Cho,Gt)、橘柊生(DJ,Key)、泉大智(Dr)の4人で構成されたダンスロックバンドDISH//が、8月29日(土)に都内ライブハウスにて有料での無観客ライブを生配信し、10,000人を超えるファンが視聴した。

昨年8月に1万人を動員し大盛況で終えた富士急ハイランド・コニファーフォレストでのDISH//夏の祭典「SUMMER AMUSEMENT '19」から1年。
今年も同会場にて『SUMMER AMUSEMENT ‘20』を開催予定だったものの、残念ながら新型コロナウイルスの影響により公演中止に。この日の生配信ライブは同公演の代替として実現したもので、コニファーフォレストの会場では実現が叶わなかったライブだが、掲げたテーマは同じ『DISH// SUMMER AMUSEMENT ’20』としてさらに熱いライブを繰り広げた。

なお、無観客・完全生配信ライブとしては6月19日のメジャーデビュー記念日に行った『DISH// Spring Tour 2020「CIRCLE」-Special Studio Version-』以来だが、前回はスタジオからのライブ配信だったのに対し、今回はライブハウスからパフォーマンスを届けた。

セットリストも規模も演出もレベルアップした彼らによる、このコロナ禍において今できる最大限のパフォーマンスに、延べ10,000人超がライブに参加し熱狂。チャット機能には興奮したファンからの数多くのコメントで溢れた。

DISH// 都内ライブハウスで有料無観客ライブ生配信、夏に相応しい熱いパフォーマンス

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待ちに待ったライブの1曲目は「DAWN」。
トーチで演出された荘厳な雰囲気に包まれ、メンバー合唱で開演ののろしを上げる。曲終わりに北村匠海(以下:匠海)が「盛り上がっていきましょう!!」と叫ぶと同時にライトアップされると、なんとメンバーはステージではなくいつも観客が入るはずのスタンディングフロアにいる。ギターアンプやドラムセットもステージにはなく同じフロアにセッティング。無観客だからこそ会場を広く使った演出を用い、通常のライブとは違った見え方でさっそく観客を楽しませた。

祭囃子のような曲調の「勝手にMY SOUL」、「NOT FLUNKY」と踊れ歌えの盛り上がり必至ナンバーを立て続けに披露。画面の向こうのファンの熱狂がうかがえる。


匠海から「精一杯楽しんでいってくださいね!」と語られたのち、シングル「I’m FISH//」に収録されている「コトダマ」を披露。観客がいるライブであれば音源と同様「HEY!」というスラッシャー(DISH//ファンの通称)のコールがメンバーの声と合わさり、会場が一体となるはずだが、まるでそのコールが聞こえてくるかのような錯覚に陥るほどの熱量だ。

と同時に、ステージバックには映像が大きく映し出される。そのままDJ/Keyの橘柊生(以下:柊生)が作詞作曲した「Loop.」、そしてミディアムバラードナンバー「Shape of Love」と聴かせ、映像とともにゆったりとした時間に包まれた。

匠海から「皆さんいかがお過ごしですか? 食事中の人も、お風呂中の人もいるかと思いますが、直接会えてないぶん、想像しながらやっています」と画面の向こうのファンに触れると、ここで今回のライブの見どころの一つである、ファンクラブ限定で実施された「『SUMMER AMUSEMENT’20 -Tasty Activity-』で聴きたい楽曲アンケート」をもとに構成されたコーナーに。

さっそく5位の「Rock Your Baby Rock」から4位「求愛ラブダンス」、3位「Starting Over」、2位「THE PHANTOM」と続けて披露。
そして気になる第1位は「夢旅」であることを発表。匠海は「この曲は5年前、武道館を目指して作った曲なんですよね。そのあと、日比谷野音でのライブの時に武道館決定が発表されて」と語ると、泉大智は「このライブ観に行ってたんだよね」と感慨深げに話す。

DISH// 都内ライブハウスで有料無観客ライブ生配信、夏に相応しい熱いパフォーマンス

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すると柊生も「武道館決定で泣いてしまって、みんなで肩組んだのを鮮明に思い出します」と話し、当時からのファンであるスラッシャーたちからは「思い出して私も涙が出てきた…」といったコメントが続出。最後に匠海は「夢に向かって足止めを食らっているこのタイミングで歌う意味がある曲です」と話し、久々のライブ披露となる同曲に対してチャットでは「あ、これは泣くわ」「本当に聴けて良かった!」と最高の盛り上がりを見せた。

ここでライブは後半戦へと突入。
匠海、柊生、矢部昌暉(以下:昌暉)がお立ち台へ上り「JUMPer」を披露して仕切り直し! 続く「ビリビリ☆ルールブック」では匠海がハンディカメラを持って近距離でメンバーを映し出す。さらに「HIGH-VOLTAGE DANGER」でメンバーがステージを使って駆けまわり、まさにダンスロックバンドの名を体現したパフォーマンスに会場も視聴者も最高潮!!

まだまだやまぬ熱量、立て続けに届けられたのはDISH//のライブではクライマックスの曲として披露されることの多い「愛の導火線」。柊生がCO2ガンを持ってメンバーの周りを右往左往する。少々暴れすぎ!? な柊生に他のメンバーも思わず苦笑するが、全力で楽しんでいる様子が画面からは伝わってくる。怒涛のセットリストによって、リアルのライブにも劣らない興奮が会場全体を包み込んだ。

DISH// 都内ライブハウスで有料無観客ライブ生配信、夏に相応しい熱いパフォーマンス

そして雰囲気はガラッと変わり、匠海が語りだす。
「今日はありがとう。いろんなところからみんなの想いが届いてる気がします。つながりをすごく感じる。つい先日、新しい曲を発表しました。この曲の作詞に当たってマカロニえんぴつのはっとり君にDISH//のメンバーからも世の中への想い、今抱えているフラストレーションを言葉にして届け、一つの曲に落とし込んでいただきました。みんなで共に歌いたいし、一緒になって向き合っていきたいと強く感じていて、僕らが発信するのではなく『ともに』という言葉がしっくりきます。
次の曲中はきっと光の方へ進むような強いエネルギーが溢れると思います」。

そして披露されたのは、先日新曲として配信されたばかりの「僕らが強く。」。炎がゆらぐ演出とステージバックの映像も相まって、曲の持つ力強さやメッセージ性が視聴者に突き刺さる。確実に今後のライブの核となる曲だと感じさせたパフォーマンスだった。

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さらに届けられたのはあいみょん作詞作曲の「へんてこ」、そして同じくあいみょんに作詞作曲され、累計8000万回再生を記録する大ヒット曲「猫」と、最近DISH//のファンになった方にも楽しめる曲展開に。視聴者からも感動のコメントが相次いだ。

いよいよ終盤を迎え、間もなくライブが終わってしまう寂しさも漂い始める中、「次にやる曲は画面で見ている人にも飲み物を持って参加してみてください! スタッフも一緒に!! せーの!! 乾杯!!!」という柊生からの煽りを受け、ラストに演奏された曲は「乾杯」。最後は全員笑って、全員で楽しく。シャボン玉が降り注ぐ会場の中、まさに「DISH//夏の祭典」にふさわしいライブのラストを飾った。

そしてステージにあがったメンバーからスラッシャーに向けて挨拶とともにメンバーから、「僕らが強く。」の初披露についてとともに、コロナ禍で全国の中学・高校生の演奏コンクールが軒並み中止になって、悔しさや悲しみを感じている学生に向けて、同曲の楽譜の無償提供をスタッフに提言したことを明かした。

DISH// 都内ライブハウスで有料無観客ライブ生配信、夏に相応しい熱いパフォーマンス

楽曲の「再会」や「共に闘い、共に歌う」というテーマを通して、演奏することの「喜び」や「団結力(力強さ)」を再度感じてほしいという願いを込め、サポートできたらというメンバーによる意思のもと考案された企画だ。今後DISH//のオフィシャルサイトなどで詳細が発表されるとのことなので、注目を。

最後はDISH//のライブではおなじみのフライング・ディッシュ(紙皿を客席へ投げるパフォーマンス)でフィナーレを迎えた。常にファンに寄り添ってきた彼らだからこそ成し遂げられたライブであったし、さらに世のDISH//熱が高まることを大いに予感させる一夜となった。2020年、ここからさらに加速して駆け抜けていくだろうDISH//からますます目が離せない。