誰にも話していないこと、誰にも見られていないはずのもの。
でも、何者かはそれを知っていた。
その存在は、音もなく、日常に紛れて私の生活を覗いている。

夜、仕事を終えて帰宅した私は、玄関前で立ち止まった。
…何かが置いてある。

玄関マットの端に、紙のようなもの。
拾い上げて、目を見開いた。

それは、私が数日前にインソスのストーリーで投稿した花の写真だった。
しかも、プリントされていて、下には「38いいね」と、SNSの“いいね数”まで書き込まれている。

まるで誰かが、
「見てるよ」って伝えるためにわざわざ印刷して置いたみたいに。

怖さで、手が震えた。