何度もぶつかって、何度も諦めた。
でも、腐った食材でも、近所の苦情でも変わらなかった母が…
業者に相談する決意をして、パンフレットを取り寄せた。
“特殊清掃”“孤独死対策”“緊急即日対応”
そこに並ぶ言葉が、胸に突き刺さった。
(これが、うちの家レベルってことなんだ…)
その夜、意を決して母にパンフレットを渡した。
母は無言で受け取って、テーブルに置いた。
沈黙のあと、母がポツリとつぶやいた。

たったそれだけ。

でもYさんの胸には、
今までの怒鳴り声よりずっと重く響いた。