「カネは会社持ち。お客様は満足。ーーそういうもんなんだよ」
そういうもの、か。そう思えるほど、工藤さんは同じように理不尽な目に会ってきたのだろう。
俺たちは再びリビングへ向かい、並んで山口さんに頭を下げた。

工藤さんが言い、続いて俺も繰り返した。
山口さんはうっすらと笑っていた。その表情に、怒りは感じなかった。
あれは“やった側”の顔だ。うまくいったと思ってる人間の顔だった。
俺は何も悪いことをしていない。むしろ、丁寧に、慎重に、ちゃんと仕事をした。
なのに、下げた頭の重みは、まるで“俺が壊した”証拠みたいだった。
俺が運んだのは、壺の入った段ボールだったはずなのに。
今、割れているのは――俺の中の、何かのような気がした。
※本記事は一部生成系AIを利用しています。