勤務を終えてロッカーで着替えながらも、私は悶々としていた。
昨日見つけた“使われたはずのない部屋”。
フロントの反応は、何かを知っている感じがした。


どうせ一律の報酬なのだから1部屋ぐらい清掃のミスで片付ける方が楽なのだ。
なぜなら、この「誰かに使われる部屋」の問題を解決することは、ホテル側はもちろん、清掃会社にも何のメリットもないのだから。
ただ、私たちのミスという不名誉が常に付き纏うということ以外は…