「高校ではもうやらなくていい、これ以上やっても意味がない」と言われたとき、自分の身体がボロボロ崩れ落ちたんじゃないかと思うくらいショックでした。いままで10年間、嫌だったのに、嫌という感情を無理やり押し殺して押し殺して、自分に『私は剣道が好き』と思い込ませ、感情をマヒさせ、どうにか頑張ってきたものなのです。なのに、『意味のなかった』ことを10年間もやらされていたのか…と、怒りや悲しみが一気に押し寄せてきました。
私の今までの10年間はいったい何だったのか。そんなことなら、最初からやらせないでほしかった。私の10年間を返してほしい。嫌なことから解放された喜びよりも、10年間を返してほしいというつらさの方が大きかったのです。
もちろんこの10年で得たものもたくさんあります。とくに中学校の3年間は全国レベルの環境のなか、私がみずから望んで剣道をやっていたのだとしたなら、最高の環境だったのだと思います。精神力も身体能力も身についた、仲間の大切さも知った、のちに高校受験や就職活動においても、『運動部で全国大会に出た経歴がある』ことは大きな武器にもなったことは事実です。
後悔はしていません。恵まれていた。支えてくれた方々に感謝しています。ただ、私はいまだに「中学校は何部だったの?」という質問に上手く答えられないし、『剣道』という単語を聞くと身体がこわばってしまうのです。
※次回に続く「親に整形させられた私が、母になる」(全78話)は1日2回更新!
※この物語は作者の経験を基に、一部編集しています
※今回の体験記に記載された症状や対処法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。また、適切な時期に医療機関に受診することをお勧めします。