
昨年12月にグレン・ヒューズと共に来日し、熱いステージを見せてくれた元ホワイトスネイク/ディオのダグ・アルドリッチが、元モトリー・クルー/ラットのジョン・コラビがシンガーを務めるハード・ロック・バンド、ザ・デッド・デイジーズに今年電撃加入し、すぐにレコーディングを始めたニューアルバム『メイク・サム・ノイズ』がいよいよ7月27日に日本先行発売される。
バンドにとって3枚目となるこのニューアルバムは、今までメンバーチェンジを繰り返してきたが、実質今回が日本デビューとなる。
今回はこのラインナップになって、どんな作品に仕上がったのか話を伺ってみた。「断然オールドファッションで、ストレートで飾らないアグレッシヴな作品になった。素晴らしい。大変に気に入っている自信作だ」とジョンが言う。続いてダグは「とてもリフロックだといえるね。至ってシンプルな姿勢で、バラエティーに富んだ曲のテーマになっているんだ。2月に曲を書いてレコーディングした1ヶ月間のデイジーズの最高の瞬間をとらえているんだ。その時のスナップショットみたいなもんだね。初めてみんなで腰を据えて曲を書いた時は良かったけど、同時にちょっと神経擦り減ったんだけどね」と語る。
現在のメンバー同士の人間関係が非常に良好であることが伺える。最新メンバーのダグにとってもこのバンドの居心地には文句なしと言うところだが、擦り減ったとうのは、曲づくりのプロセスらしい。
そしてジョンは「部屋の中でダグや僕のリフを弾きまくり、お互いに弾きながら、それいいねって組み立てていったんだ。でもとても作業は早かった。みんな才能ある演奏うまいメンバーだし、今ダグが言ったようにアイディアは必要以上に沢山あったけど、結局12曲に決めた。他に13曲素晴らしいあったものの、最終的に数曲はどうも他の曲には合わないかなと感じたんだ」と付け加えた(日本盤はボーナストラックつき)。メンバーが沢山曲のアイディアを持ってきたことにより、ジョンの頭は大混乱で爆発寸前だったと笑い飛ばしていたダグだが、それだけ中身が濃いものになっている証拠だ。
70-80年代のハードロックサウンドを基盤に、ジョンの力強いヴォーカルにビッグ・コーラス、ダグの得意とするブルージーなリフ、骨太のギターサウンド、パワフルなメロディーに最強のサビ、そして存在感あるステージングはこれぞ新生ザ・デッド・デイジーズの最大の強みだ。既に発売されているファーストシングル「Long Way To Go」はオープニングにふさわしい相応しい疾走感溢れるナンバーである。
彼らは現在このアルバムを引っ提げてヨーロッパツアーの真っ最中だが、8月10日からアメリカ東海岸を中心にKISSとツアーに入る予定だ。
そしてダグも以前KISSのメンバーになりたくて、オーディションを受けたことがあるのは有名な話である。まだ彼が18歳の頃だった。その時のことをダグはこう語っている。「スタジオでテストを受けた時にジーンに“君の演奏は好きだけどもっとメジャーを弾けるかね?”と言われて“メジャー?なんだそれ?”と聞かれたが、メジャースケールがわからず“ああ、勿論知ってるよ、マイケル・シェンカーみたいなスタイルだろう”と知ったかぶりをしたそうだ。結局オーディションには落ちてしまったが、このこと機に目が覚めて、それ以降は人にギターを教えながら自分で猛烈に基礎を勉強し直したという。そんなダグも今では一流のアーティストとしてロック界に名を残す一流のプレイヤーになった。
ザ・デッド・デイジーズは10月にはLOUD PARKに仲間入りして早速日本のステージを踏むことが決定している。このビッグバンドに大いに期待したい。
(Text:Keiko Ginger Suzuki、協力:Greg Shmitt)
ザ・デッド・デイジーズ『メイク・サム・ノイズ』
2016年7月27日日本先行発売 CD ¥2,500+税
1.ロング・ウェイ・トゥ・ゴー
2.ウィ・オール・フォール・ダウン
3.ソング・アンド・ア・プレイヤー
4.メインライン
5.メイク・サム・ノイズ
6.フォーチュネイト・サン
7.ラスト・タイム・アイ・ソウ・ザ・サン
8.マイン・オール・マイン
9.ハウ・ダズ・イット・フィール
10.フリーダム
11.オール・ザ・セイム
12.ジョイン・トゥゲザー
13.ラスト・タイム・アイ・ソウ・ザ・サン(アコースティック)※日本盤ボーナストラック
14.ヘルター・スケルター(ライヴ)※日本盤ボーナストラック