
昨今の海外ニュースを騒がせている日本のアイドル達。なぜアイドルの海外進出が増えてきたのだろうか。
アイドルの海外進出は2012年頃から本格化している。BABYMETAL、AKB48、ももクロ、でんぱ組.incなど、ある程度のキャリアを持つアイドルグループのほとんどが海外でのイベントを実施している。
JAPAN EXPOなどの日本文化振興イベントでアイドルがライブを行い、注目され始めたのが大きなきっかけだ。動画サイトの普及も追い風となり、いまやアイドルは日本文化の一端を担っている。
実は海外には日本のようなアイドル文化が存在していない。アイドルという存在はあっても、定義が少し異なるのである。
例えばK-POPアイドル。東方神起、BIGBANGや少女時代などは大変な人気だが、日本のアイドルとの明確な違いが一つある。”完成度の高さ”だ。彼らはアイドルというよりアーティストなのである。歌唱力、ダンス、どちらを取っても日本のアイドルよりレベルが高い。日本ではPerfumeやEXILEが近い存在だろうか。
日本のアイドルの特徴は、「物語性」にある。海外のアイドルは、容姿も歌もダンスも完璧な「完成品」として市場に現れる。それに対し日本は、下積み時代の苦労や、人気投票といった人間ドラマに注目し、容姿や歌唱力は、”そこそこ”が多い。「完成品」を楽しむ海外とは違い、完成されていく道のりという「物語」を一緒に楽しむことができるのが日本だ。
ファン層にも違いがある。日本のファンは成人を中心に幅広く形成されているが、海外のアイドルのファンはほとんどが同年代のティーンエイジャー。特にキリスト教的価値観の強い地域では、未成年への恋愛感情は禁忌とされており、大人がアイドルを楽しむという文化は浸透していないのである。
独自の進化を遂げた日本のアイドルが、新たなクールジャパンとして注目を浴びているのだ。今後も国内外問わず、アイドルシーンの動向に目が離せない。