【今回のニュースのポイント】
・「景気回復」の乱用:成長率目標や反発への期待感を根拠に「回復」が報じられますが、その定義は文脈によって曖昧なまま拡散されています。
・GDPと生活の乖離:GDPは「国内で生み出された付加価値の総額」ですが、それが企業の内部留保や海外配分に回れば、国内家計の改善には繋がりません。
・言葉の政治学:前向きな言葉を先行させることで消費マインドを刺激しようとする政策側の意図と、実態が伴わない現場の違和感が強まっています。
中国の全人代での目標提示や、日経平均株価の反発期待が市場で高まる中、ニュースの見出しには「景気回復への期待」という言葉が溢れています。数字が上向く兆しさえあれば、あたかも社会全体が好転しているかのような空気感が醸成されていきます。
ここで多くの人が抱くのは、「景気回復という言葉だけが一人歩きして、自分の生活実態が全くカウントされていないのではないか」という拭えぬ違和感です。 経済指標の王様とされるGDP(国内総生産)は、あくまで国内で生み出された付加価値の総額に過ぎません。企業がコストカットで利益を出し、株価を上げればGDPにはプラスに寄与しますが、その過程で賃金が据え置かれれば、家計の「体感」はむしろ悪化します。
この構造で得をするのは、回復という「言葉」を実績として掲げたい政策側や、マクロの数字で投資判断を行う市場関係者です。一方で、得失の「失」を被るのは、物価高に抗いながら、いつ届くかも分からぬ恩恵を待ち続ける一般家計です。
「回復」とは、一体誰のための、何の回復なのか。数字上の帳尻を合わせるための言葉が、個人の暮らしを覆い隠す盾になってはいないか。私たちは、定義の曖昧な「景気回復」という言葉の魔力に惑わされず、その内実を厳しく問い直す必要があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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