【今回のニュースのポイント】
・米株安を飲み込む「日本買い」:ダウ暴落を受けて安く始まったものの、心理的節目の5万5000円を割り込まなかったことで、国内勢の押し目買いが加速しました。
・ショートカバー(買い戻し)の威力:昨日の急騰を「一過性」と見て売り仕掛けていた勢力が、下げ渋る相場を見て一斉に買い戻しに転じ、指数を押し上げました。
・雇用統計前の「嵐の前の静けさ」:今晩の米重要指標を前にリスクを落とす動きが出る一方で、相対的な日本株の強さが際立つ「ねじれ」が生じています。
週末を控えた3月6日の東京株式市場は、市場関係者の予想を上回る底堅さを見せました。日経平均株価の終値は55,620.10円。前日比342.04円高となり、昨日の1,000円超という歴史的暴騰に続き、2日連続の大幅高を記録しました。米ニューヨーク市場でダウ平均が784ドルの暴落を見せた直後の「連鎖安」シナリオを、自らの買いの勢いで書き換えた形です。
ここで多くの投資家が抱く違和感は、「世界が米株安と今晩の雇用統計への恐怖に震える中で、なぜ日本株だけがこれほど強気に買われたのか」という点です。 確かに数字の上では反発していますが、これが本格的な「リスクオン(積極的にリスクを取る姿勢)」かと言えば、疑問符が付きます。構造を解剖すると、本日の上昇の主役は、昨日の上げを「騙し」と見て売り向かった層の「ショートカバー(損失確定のための買い戻し)」であった可能性が高いからです。専門用語で言えば、需給の不均衡による「踏み上げ」が、指数の底上げに寄与したとみられます。
なぜこれほどまでに、今夜の「米雇用統計」が世界の市場を縛るのでしょうか。それは、米中央銀行(FRB)の金利政策が、この一つの指標に依存しているからです。雇用が強ければ、インフレを抑えるために「高金利」が維持され、ドル高・株安が進みます。
この「逆行高」の構図において、一時的に「得」をしたのは、昨日の急騰後もポジションを維持し続けた強気の投資家です。一方で「損」を被ったのは、米株安というセオリー通りに寄り付きで安値を売らされた短期筋や、空売りを仕掛けた勢力です。しかし、実体経済を見れば、株価の乱高下は企業の設備投資や個人の消費マインドを慎重にさせる「ノイズ」としての側面も無視できません。
今夜の雇用統計の結果次第で、本日積み上がった「安心感」は、週明けに脆くも崩れ去る可能性を秘めています。市場に残る違和感の正体は、実力以上の買い戻しによって支えられた「砂上の楼閣」かもしれないという懸念です。来週の市場の方向性を決める運命の数字が、数時間後に米国から届きます。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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