今回のニュースのポイント:
・大企業主導で高水準維持: 2026年春闘は主要企業が相次いで満額回答の方針。名目賃上げ率としては、2024年(主要企業で5.33%、連合全体で5.10%)、2025年に続き、3年連続で「5%前後」の高水準となる公算が大きい。
・拡大する規模間格差: 連合は中小に「6%以上」を求めるが、ある集計では2025年の実績は大企業5.44%に対し中小は5.02%と格差が拡大。原材料高の価格転嫁が不十分な中小企業の「賃上げ余力」が最大の懸念材料。
・家計への影響と日銀の判断: 家計にとっては、賃上げが続いても物価上昇に追いつかなければ、生活の余裕は実感しにくい状況が続きます。日銀はこうした賃上げの持続性を、昨年0.75%まで引き上げた政策金利の調整を判断する「カギ」と位置づけています。
日本の労働市場に、かつてない「賃上げの波」が定着しようとしています。2026年春闘において、労働組合の中央組織である連合(RENGO)は、平均5.94%(定期昇給分を含む)の賃上げを要求。過去2年連続で達成してきた「5%台」の賃上げ率を、今年も維持できるかどうかが日本経済最大の焦点となっています。
2024年からの賃上げ加速は、主要企業で5.33%、連合全体で5.10%と1990年代初頭以来の高水準を記録し、2025年も5%超の勢いが続きました。2026年も、深刻な人手不足を背景とした人材確保の観点から、トヨタ自動車やパナソニックなどの主要製造業が組合要求に満額で応える動きを見せており、名目賃上げ率としては3年連続で「5%前後」という高い水準を維持する公算が大きくなっています。
しかし、手放しでは喜べないのが「規模間格差」の拡大です。昨年の実績を振り返ると、ある集計では組合員300人以上の大企業の賃上げ率が5.44%だったのに対し、300人未満の中小企業は5.02%に留まり、格差はむしろ拡大傾向にあります。連合は今年、中小に対して大企業を上回る「6%以上」の要求を掲げ、格差是正を訴えていますが、現場の状況は切実です。
日本経済にとっての真のゴールは、賃上げが物価上昇を追い越し、家計の購買力を高める「実質賃金のプラス転換」です。家計にとっては、賃上げが続いても物価上昇に追いつかなければ、生活の余裕は実感しにくい状況が続きます。日銀はこうした賃上げの持続性を、昨年0.75%まで引き上げた政策金利の今後の調整を判断するうえでの「カギ」と位置づけています。
今後の焦点は、大企業の賃上げが下請け企業への「支払価格の適正化」を通じて、どこまで裾野を広げられるかにあります。単なる「額の積み上げ」ではなく、「誰に、どこまで、いつまで広がるか」。この賃上げの波が中小・非正規・地方へと広く波及し、個人消費を力強く押し上げることが、日銀が「金利のある世界」へ本格的に踏み出すための、最も重要な判断材料になります。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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