7月に入って多数の陽性判明者が報告され新型コロナウイルス感染症の第二波の到来が心配されている。しかし、感染者の多くを占める東京の再生産数はこのところ1付近に達し、どうやら落ち着きを見せピークアウトも近いようだ。
東京商工リサーチが毎営業日に「新型コロナウイルス関連破たん状況」についてレポートを発表しているが、7月27日17時現在での状況を見ると、27日に負債額1000万円以上の倒産が2件発生し、この結果2月からの経営破綻の累計は全国で352件に達している。破綻内容の内訳は倒産が286件、弁護士一任・準備中が66件だ。集計対象外の負債1000万円未満の倒産も9件判明しており小・零細企業・商店を含めると相当数にのぼると想像される。
負債1000万円以上の破綻について、これまでの推移を見ると2月は2件のみであったが、自粛が始まった3月は22件、緊急事態宣言が発令された4月、5月には80件台に急増し、宣言が解除された6月でも単月最多の103件が発生している。ちなみに7月は27日17時までに58件が発生し、前月の100件超えを下回りそうだ。7月に入り多少落ち着きを見せてきたと言えるものの、業種によっては未だ予断を許さない状況だ。
都道府県別には、27日に鳥取県で初めての関連破たんが発生し、和歌山県、高知県の2県を除く45都道府県で関連破綻が発生している。このうち東京都が90件と突出して多く、次いで大阪府の32件、北海道20件と続いている。
業種別にみると、やはり外出自粛や風評などにより来店客が減少し、また休業要請などが影響した飲食業が53件で最多となっている。自粛解除後には徐々に客足も戻ってきているものの、居酒屋など業態によっては未だ厳しい状態が続いている。また百貨店や小売店の休業によって影響を受けたアパレル関連が製造および販売の合計で43件となっている。
やはり、最も大きな影響を受けたと思われるのはインバウンド需要が消失し、また旅行や出張の自粛が影響した宿泊業で関連の破綻は40件に達している。GO TOキャンペーンも始まっており、どこまで持ちこたえられるか注目されるが、感染の広がりが指摘されている中、効果は限定的であろうと想像される。(編集担当:久保田雄城)

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