6月5日に放送された第1話は、避難所第七支部に逃げ込んできた、前科2犯の天才詐欺師・木村祥子(羽田美智子)が、大輝(結木滉星)、陽菜(久間田琳加)、隆(やす)と共に、“木村家”として偽装家族で暮らす避難所での様子が描かれ、SNSでも「見入ってしまった」「続きがめっちゃ気になる」と話題になった。
今回、注目の第二話放送を前に、木村家の長男・木村大輝を演じる若手俳優・結木滉星がドラマについて語ってくれた。
* * *
――「二面性の強い役柄、影のある役」と大輝についてコメントされていましたが、実際に演じてみて、どのような感想を持たれましたか?
結木 結構サイコパスだなと感じる部分があって、少し怖いと思っています。大輝は今の生きがいが、ある人物に対する復讐だけなので、まず、その部分の心情を固めていく作業から始めました。
——一方で、避難所の女性からの人気はダントツで、猛烈にアプローチを受けますよね。妹の陽菜には、頭をポンポンとするイケメンな一面も。
結木 頭ポンポンなんて、プライベートは絶対やらないです(笑)。僕の中で大輝は結構カムフラージュというか、あえてそうやっている風に思えていて、モテる大輝を演じているに近い感じだと思っています。
——物語の設定はとても奇想天外ですが、台本の面白さをどのようなところに感じましたか?
結木 やっぱり一番のテーマは、「生きる」ということだと思うんです。生きてさえいれば、今が辛くても、今後はどうなるか分からないから頑張ろうという、メッセージ性が強い台本だと思いました。
——木村家について。
結木 祥子さんについては、お母さんというより相棒のように接しているので、母親という感覚とは違います。大輝は「目的のためであれば」という冷酷な一面もありますが、結構、思いやりのある人間だとも思います。
——思いやりの部分は、妹の陽菜に向けられているように見えます。
結木 陽菜に関しては台本を読んでいくと、恋人のことを重ねて思っている部分があるような気がします。陽菜は生きる目的を見つけていない子で、大輝は元の世界で大切な人を亡くしている身なので、重なる部分はあると思います。
——木村家の皆さんとの撮影エピソードはありますか?
結木 家族のシーンで、隆さんの表情や雰囲気がツボにハマってしまって、撮影がちょっと中断するぐらい笑ってしまったことがありました。隆さんは基本面白い人なので、ちょくちょく笑ってしまいそうなシーンが多そうですが、そこは今後も気をつけようと思っています(笑)。
——たしかにやすさんの「味」みたいなものが、隆さんからすでに醸し出されている様子です。
結木 そうなんです。やすさんが隆役にハマりすぎていて、カメラが回っていない時でも、隆さんにしか見えなくて(笑)。
——陽菜役の久間田さんとも、仲良さげな雰囲気を感じます。
結木 撮影合間によく話しています。
——とても雰囲気のいい撮影現場ですが、どのように過ごされていますか?
結木 学校がロケ地なので、校庭を散歩して外の空気を吸ってリフレッシュしています。今はとてもいい陽気なので、長い休憩の時は木村家で寝ています(笑)。木村家の4人でいる時は、羽田さんが心理テストをやってくれて、「好きな動物をまず言ってみて?」とか。そういうことをしながらみんなで楽しんでいます。
——撮影現場のメイク室に、結木さんのカレンダーが飾られていますね。
結木 羽田さんに僕のカレンダーをプレゼントしたとき、「これいいね、貼ろう!」って、メイク室に飾ってくださったのはとても嬉しかったんですが、羽田さんだけが使う空間ならまだしも、みんなが行き来する部屋なので、少し恥ずかしいですね(笑)。
——羽田さんが、結木さんのカレンダーと同じポーズをして、写真を撮っているのを偶然発見したのですが(笑)。
結木 本当ですか?それ、面白いです(笑)。羽田さんのおかげでいつも現場が明るくなりますし、とても気遣いをされる方だと思います。スタッフさん含め、どんな人にも平等に接していらっしゃって、本当に僕も見習うべき方だと思っています。
——ドラマの中で、隆はとっさにジャガイモを持って避難しました。
結木 まずは家族を避難させること、母親をおぶっていきます。絶対、家族だと思うんですよね、そういう状況になった場合は。
——生き抜くために必要な、結木さんにとっての生きるエネルギーは?
結木 人です。家族と親友が僕の中では一番大事で、高校の友だちと今でも連絡を取っていてよく遊んでいます。たわいもない話ばかりですが、親友と話している時が一番エネルギーをチャージできていると思います。
——将来の目標、将来の自分像などをお聞かせいただけますか?
結木 目標は、大河ドラマの主演です。ただ、その時、その時が幸せならそれが一番いいかもしれません。自分からポジティブに考えて楽しむことが、いい将来にもつながると思いますし、仕事でもプライベートでも楽しむことを意識しています。
——現場でもそうですか?
結木 なるべく話せるときは、皆さんと話します。スタッフさんを含め、コミュニケーションを取って、やっぱり仕事が楽しいと思えたほうが気持ちもあがりますしね。
——挿入歌でもある、神はサイコロを振らない『徒夢の中で(あだゆめのなかで)』は、大輝のために作った曲だと伺いました。感想はいかがでしょうか?
結木 めちゃめちゃ聞かせていただいています。
——視聴者の皆様にメッセージをお願いします。
結木 今回のドラマは「生きる」ということがテーマにもなっていて、僕らのお芝居や感情が少しでも観てくださっている方々に届いて、何かひとつでも心が動いてくれたら、僕らもこの仕事をやっていてよかったと思えるので、ぜひ、観ていただきたいです。また、僕自身が復讐に燃えるような役が初めてで、そこは新たな結木滉星の一面として、僕を前から知ってくださっている方も、これをきっかけで知ってくださった方も、「いい役者だな」と思ってもらえるように頑張りたいと思います。
【写真】結木滉星が演じる木村家長男・大輝のドラマカット
◆第2話あらすじ(6月12日放送)
避難所第七支部は存続の危機に陥っていた。地熱発電で賄っている電力が不足し、全棟に行き渡らないとして、如月(中村俊介)は節電を呼びかける。黙って従う者、あわてて内緒の電気器具を隠す者など、人々が様々な反応を見せる中、祥子(羽田美智子)は「何か起こる予感…」とつぶやく。ある夜、発電機がまさかの故障!避難所は気温が急激に下がり、このままでは全員凍死必至の大ピンチ。そんな中、祥子ら木村家の面々はある意外な行動に出る。