SNSの総フォロワーは150万人を超え、「SNSのフェチ天使」との異名もとるグラビアアイドル・くりえみ。カメラマン・福島裕二とともに、鳥取や京都、沖縄など日本の各地のスポットで撮影した作品をまとめた、彼女の2nd写真集『くりめぐり』(玄光社)が9月30日に発売された。
176ページという異例のボリュームを誇る今作で変化した、セルフプロデュースへの意識とは。(前中後編の中編)

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【写真】くりえみの私服撮りおろしショット【10点】

──今回の写真集を撮影されたカメラマンの福島さんに、絶大なる信頼を寄せているのが話の節々で感じられるのですが、福島さんとの初めての出会いはいつ頃なんですか?

くりえみ 3年ほど前、友達に誘われて福島さんの写真展を見に行ったのが最初ですね。そこで見た福島さんの写真に感動して、写真展に何度も通い詰めて。同じ写真展に5~6回行ったこともありました。それだけ通っていれば、福島さんも、嫌でも私のことを覚えるじゃないですか(笑)。それで顔見知りになって、福島さんの方から「ちょっと撮ってみる?」と言ってくださったことを機に、仲良くさせてもらうようになりました。

──福島さんのどんなところがお好きだったんでしょう?

くりえみ 最初は単純に写真が好きでした。ただ、お仕事でご一緒させていただくようになってからは、写真以上に人としてのリスペクトが大きいですね。福島さんって、本当に写真を撮ることが大好きな方なんですよ。何度も撮っていただいていますけど、今まで一度も、福島さんの写真に対する熱量が薄れたと感じたことはありません。ご自身のなかでいろいろあったとしても、それを周囲に感じさせないって、すごくプロフェッショナルなことですよね。長くお仕事を続けていると、気持ちに波が生じてしまうときもあると思います。
でも、職業は違っても、私も福島さんのように常に仕事に対する熱を持っていられる人でありたいからこそ、尊敬もしているし、何かを作るってなったときに一緒にやりたくなるんだと思います。

──やっぱり、福島さんじゃないと撮れない写真ってあると思いますか?

くりえみ ありますね。福島さんって、撮影中に泣くことがあるんですよ。それほど感情を昂らせて写真を撮っているんだって思うと、すごいですよね。そのとき私は一緒に泣くでもなく、わりと真顔でいるんですけど(笑)。でも、そういうところから全力で向き合ってくださっているのが伝わってくるし、信頼もできるから、福島さんが撮ると自然と表情も変わりますね。それに、福島さんに撮っていただいた写真はほとんどレタッチいらずです。今回は写真集なので、肌感を綺麗に見せるためのレタッチを少しだけしていますが、京都と大阪で開催した写真展(「くりえみ×福島裕二写真展」)では、ノーレタッチで写真を展示していました。

──撮影中、くりえみさんから意見を言うことはありますか?

くりえみ 普段はわりと意見を言うタイプですし、レタッチもこだわります。でも、福島さんに関しては基本的に何も言いませんね。福島さんの情熱に身を委ねてこそ生まれる”いい写真”があると思っているので。

──これまでの活動やSNS上での発信を見る限りセルフプロデュースに長けている印象があったので、そこまで人にお任せすることがあるとは驚きです。


くりえみ 私がこだわるところには私なりの意図があるように、誰かがこだわるところには誰かなりの意図があるわけですよね。それを聞き入れることで、1人では辿り着けなかったであろう”いい形”に繋がることもあるって気づいたというか。全決定権を自分が持っていたい時期もありましたし、自分の意見が正しいって思いたくなっちゃうこともあります。ただ、自分が思う”いい形”ってわりと確立されてしまっているんですよね。自分の意見だけでクリエイティブをしていたら、以下にも以上にもならない。だったら、失敗してでも自分以外の誰かの意見を取り入れる方が、長い目で見たときに伸びる可能性が高いんです。今は、そうやって周りの意見を柔軟に受け入れることで、自分を高める時期なのかなって思っています。

──それでいうと、今回の写真集のタイトル「くりめぐり」もファンの方からの応募で決められたものですよね。

くりえみ そうです。旅行の延長で制作することになった写真集でもあるので、自分のなかでタイトルが全く思い浮かばなかったんですよね(笑)。それに、みなさんがクリエイティブに参加している気持ちになれた方が、1冊に対する思い入れも増えるだろうし、買いたいって思ってもらえるんじゃないかなって。

──多数の応募のなかから「くりめぐり」を選んだ決め手は?

くりえみ 名前と掛けたタイトルがキャッチーで可愛いと思ったのと、そこに旅行を表す「めぐり」という言葉がピタリとハマっていたので選ばせていただきました。
いいタイトルを提案していただけてよかったです。もし「コレ!」っていうのがこなかったら、自分でアカウントを作って応募しようかと思っていたので(笑)。そうせずに済んで安心しました。

──最新写真集でのくりえみさんのお気に入りのカットはどれですか?

くりえみ 多すぎて選ぶのが大変ですね(笑)。あ、でも夜のベッドシーンが一番好きかもしれないです。あまりこういうテイストの写真はSNSにも投稿していないので、写真集を購入してくれた方には、じっくりと見ていただきたいポイントになりますね。

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(取材・文/とり)
▽くりえみ
6月14日生まれ、千葉県出身。タレント/グラビアアイドル。
2014年から2018年までアイドルとして活躍したのち、フリーでコスプレやグラビア写真をSNSに投稿。透き通る柔肌とドールのような丸く大きな瞳、男心をくすぐるフェチ写真に“SNSのフェチ天使”と称される。
Twitter:@kurita__emi
Instagram:kurita__emi
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