白石聖、大原優乃など若手女優が集結した話題のTVドラマ『ガールガンレディ』(毎日放送)に出演し注目を浴びたうたの。女優、声優、グラビアと幅広く活動している彼女だが、実はかなりのインドア……。
今回、女優を目指したきっかけからグラビアデビュー、謎に包まれたプライベートのことなど様々なことを聞いた。

【写真】透明感あふれる多彩な女優・葵うたの撮り下ろしショット

──まず、葵さんがこの業界に入ったきっかけは?

葵 私の母がもともと舞台女優をやっていて、その影響で私も保育園くらいの頃から「将来の夢は女優」と言っていました。母は私を産むのをきっかけに引退したので直接お芝居を観たわけではないんですけど、母は私に「女優になってほしい」という思いが強くて、映画などいろんな作品を見せてくれたり、バレエやダンス、剣道などの習い事をさせてもらいました。

──特に影響を受けた作品や女優さんというと?

葵 一番古い記憶で言うと『篤姫』(08年)です。宮﨑あおいさんのお芝居が強烈に印象に残っていて、自分も演技をしたいって思いました。

──幼い頃から女優を目指していたということは、人前に出たりするのも好きでしたか?

葵 はい、今より昔の方がずっと目立ちたがり屋でした(笑)。お遊戯会でも「絶対主役がいい!」みたいな感じでしたし、クラスでも「学級委員長になりたい!」とか。結構出しゃばりな子だったと思います。

──女優を目指して子どもの頃から一直線だったんですね。

葵 そうです。ただ、その夢が負担になった時期もあって。「自分は本当に女優になりたいのか」と考えたときに、母から「別にやらなくてもいいんだよ」と言われたんです。
私は「絶対女優にならなきゃダメって言われるだろうな」と思っていたので意外で。でも「やらなくてもいい」と言われてもお芝居をやりたい自分がいることに気付いて、そこからは自分の意志でこのお仕事をしています。

──女優としてはこの春放送された『ガールガンレディ』(4~6月)で連続ドラマ初出演を果たしました。ドラマの現場はいかがでしたか?

葵 同世代の方がたくさんいてとても刺激になりました! 初めてのドラマだったので勉強になることが多かったです。ただ単に演技をするだけでなく、カット割りや撮られ方などいろんな要素を意識しなければいけないので集中力が必要だな、と。あとアクションもあったんですけど、相手の女優さんにケガをさせちゃいけないしこっちもしちゃけないという中で、いかにバトル感を出せるかというのは苦労しました。

──アクションシーンでは、剣道などの習い事の経験も生きたのでは?

葵 はい、剣道やダンスをやっていて体幹はあったので、そこは生きたと思います。また、私は高校生のときに小劇場の舞台に出ていて、そこで銃を持つ役をやったことがあったので銃の構え方はなんとなく記憶にあって。オンエア後エゴサをしたら私の銃の構え方を見てくださっている方が結構多くいらっしゃって「よっしゃ!」となりました(笑)。

──エゴサ、するんですね。

葵 はい、やっぱり反応は気になります。それに、視聴者の方の反応を見て初めて「見てもらえているんだ」という実感も湧くので。


──また、配アニメ『Artiswitch』(5~9月)では声優として主人公・ニーナ役を演じました。声優業はこれが初めてですか?

葵 そうです、新たな経験ができました。監督さんからは私の「こなれていない感じがいい」と言っていただいたので、役を作り込むというよりは今までと同じスタンスで取り組みました。設定やキャラクターの画もできていたのでイメージしやすかったです。

──声優としての難しさはありましたか?

葵 秒単位でセリフを合わせなきゃいけないところは難しかったです。お芝居であれば自分や相手の間でできるので、そこは大きな違いでした。でも監督さんが「あまり気にしなくていいよ」と言ってくださったので、優しい現場だなぁ、と(笑)。

──女優や声優など、演技の楽しさや醍醐味はどういう部分でしょう?

葵 いろんな人と関わってものづくりができる楽しさはありますね。そして“伝えられること”への喜びを感じています。アニメとかも録ってからしばらく時間が空いて世に出るんですけど、そこからが始まりというか。見てもらえること自体が楽しいです。

──そして葵さんはグラビアで雑誌の誌面も飾っています。


葵 グラビアのお仕事は、お芝居とは違って「葵うたのとしてどう見られるか」を強く意識するきっかけになりました。やるからには本当に真剣にやろうと思ったし、自分の中で「こういうふうに見せたい」というイメージが強くあったので、そのために筋トレやポージングの勉強をしたりしました。

──役柄ではない、葵さん自身の見せ方や見られ方を意識したんですね。

葵 はい。それにグラビアは私を知っていただく新しいきっかけにもなると思っています。

──『ガールガンレディ』の共演者にはグラビアで活躍されている方も多かったと思いますが、参考にされたりは?

葵 私は大原優乃さんのグラビアがすごく好きなんです。可愛らしさもあり色気もあって、そのバランスが素敵だなって。参考にしつつ、でもいろんな方のグラビアを見ていると皆さんそれぞれの“色”があったので、真似をするのではなく「じゃあ私はどういう見せ方をしようか」と考えたりしました。

──さらに葵さんはCMやMVへの出演、番組のMCなど多岐に渡ってお仕事をされています。

葵 本当にありがたいです! 特に『CITY POP CRUISING』(BSフジ)のMCに関しては、もともとシティポップに限らず音楽が好きだったので、それをお仕事にさせていただける喜びもありました。基本私は引きこもりなので(笑)、お仕事を通して新しく人と関われるのもうれしいです。

──「基本引きこもり」ということは、プライベートの過ごし方はインドアが多い?

葵 そうですね。
なので外へ着ていく服よりも部屋着のほうがこだわっていたり。最近は家でギターの練習をよくしています。ハナレグミさんの曲『家族の風景』を練習していて、いつか高円寺の高架下とかで弾き語りできたらいいな、って。あとは、散歩をすることも好きですね。フィルムカメラにハマっていて、写真を撮りながら3~4時間くらい歩いたりしています。

──結構歩きますね。それは何か目的を決めて歩くんですか?

葵 いえ、行き先は決めずとりあえず電車に乗って適当な駅で降りて、その街のおいしいものや雰囲気を味わったり写真を撮ったりして帰る、という感じです。先日は西日暮里で降りてみたらなかなかディープで楽しくて! とても安い立ち食いそばのお店があったので入って、天ぷらがすごく固かったんですけどおいしかったです(笑)。

──では、葵さんの今後の夢や目標を聞かせてください。

葵 映画が好きなので、映画に出たいです。もちろん映画だけでなくドラマにも出たいですし、いろんなジャンルで活躍できる女優でいたいなと思っています。女優に軸を置いて、いろんな活動をさせてもらえたら。


──あくまで中心は女優業だと。

葵 はい。やっぱりそこがしっかりしていないと、他のことをやったときにブレちゃう気がして。何をしているかよく分からない人にはなりたくないので、芯は強く持っていたいなと思っています。

──ちなみに、女優を目指すきっかけとなったお母様は、今の葵さんの活動をどうおっしゃっていますか?

葵 昔小劇場に出ていた頃はダメ出しばかりされていてビクビクしていたんです。でも最近は褒めてもらえることも多くなったし「頑張れ」と言ってもらえているので、私も堂々と「これに出ました。見てください」と言えています。まぁ今でもたまにダメ出しはありますけど(笑)。

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▽葵うたの
1999年7月4日生まれ、埼玉県出身。ドラマ『ガールガンレディ』に南加奈役で出演するなど女優として活動。講談社「ミスマガジン2020」でファイナリスト・ベスト16にも選出され、2021年には『週刊プレイボーイ』(集英社)でもグラビア出演を果たした。
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