【写真】『M-1グランプリ 2021』決勝進出を果たしたはら(ゆにばーす)
――今年もM‐1グランプリの季節が近づいてきました。昨年は惜しくも敗者復活戦2位でしたが、今年の仕上がり具合はいかがでしょう?
はら 仕上がり具合ですか(笑)。いや、今から調節できるようなものでないので、もちろん仕上がってます! ……とか言ってね(笑)、怖いですけど。みんな仕上げてきますからね。
――確かに、多くの芸人の皆さんにとってはここが最大の目標です。
はら 現時点ではまだまだ3回戦とかなので(取材は10月)、当たり前に通過しなきゃいけないというか。「絶対に通る」って自信はありますけど、それでも何が起こるか分からないところもありますんで。
――相方の川瀬さんが「M‐1優勝で芸人引退」と公言していることもあって、ゆにばーすさんと言えばM‐1の印象が非常に強いです。はらさんにとってのM‐1ヒストリーを教えてください。
はら 16年に初めて準決勝に行けて。もうその時点でけっこううれしかったんですけど、そのときに川瀬が「来年は見えた!」って言ったんですよ。「見えた?」って思いましたけど(笑)、「絶対に来年は決勝に行ける」と。
正直、私は分からなかったんですよ。なので、その通りに相方を信じて付いて行ったら、本当に決勝に行けて。優勝こそできなかったけど、ベストは尽くせたかな、って感じでしたね。
――翌18年も決勝進出しましたが、このときは10組中10位と言う結果でした。
はら 実は17年の決勝中、川瀬がまた「見えた!」ってなってたんですよ(笑)。来年こそ絶対に獲れる、と。私も決勝の舞台を経験できたのは他のコンビに比べて大きいだろうなと思ったんですけど……。まあそううまくはいきませんね。2年目は難しかったって感覚が残ってます。
ただ正直、毎回、めちゃくちゃ学ぶことが多いと感じていますね。去年も敗者復活でインディアンスさんと競って負けたことも、明確に理由が分かるわけじゃないけど、ハッキリとした差があったんだろうな、と。でも川瀬は常に決勝までの道のりは見えてると思います。
――今年は3年ぶりの決勝に向けて、はらさん自身、何か期するものはありますか。
はら 脳みそというか、ブレーン的な役割は川瀬が担ってるんで、それをちゃんと理解してやる、ということくらいかな。
――はらさんも川瀬さんも、一度別のコンビを組んで解散した同士だそうですが、今おっしゃった関係性は結成当初からずっとそのままなんですか?
はら 最初からネタは川瀬が書いてたんですけど、昔はもっとバチバチでしたね。まずやりたいことが違ったし、コンビとして頑張ろう、って思ってもあっちは「M-1獲ったら辞める」って言ってるんですから、コンビを組んだ当時は、まあ合わなかったです。
――いつ頃から信頼が生まれたんでしょう。
はら それはやっぱり17年に実際にM-1決勝進出っていう結果が出て以降ですかね。
――ただ、「THE MANZAI」では13年、14年に認定漫才師に選ばれていますし、コンビ結成当初からすごい結果を残されているように思うんですが。
はら 組んで3カ月でしたからね。あっという間でした。「川瀬ってマジですげえな。本当に計算通りにいくじゃん」って思いました。でも、当時の川瀬は老若男女に受けるようなマイルドなネタをあまり好いていなかったところがあって。
でも最近は「そういうお笑いもやりたい」って言うこともあるし、何よりM-1を獲るための相方としてはめちゃめちゃいいってことも分かったんで。川瀬は感覚で動いてないんですよ。計算して、実行して、それがちゃんと結果につながってる。そこはガチですごいと思ってます。
――M‐1の決勝に出られて以降、個人への注目度が上がり、仕事の幅も広がったと思います。その中でもはらさんが別人のように変身する「詐欺メイク」は特に有名です。
はら メイクは大きかったですね。完全にモテるために始めて、これを芸にしようとはまったくなかったんですけど。
――SNSで連絡を取ってきた人と実際に会ったこともあるとか。
はら はい。めっちゃショックを受けてましたね(笑)。
ただ、自分の顔をどうやって変えるのか、っていう研究が楽しくて。今くらい画像修正アプリが優秀だったらまた違ったと思いますよ。当時はもう、自分でやるしかなかったんで(笑)。これは周りの人に彼氏ができる中、「私もやればできるし!」っていう強がりから派生した真っ黒な物体なんで、光を当てていただいてありがたい限りです(笑)。(後編に続く)
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