炎上芸人として世間をヒートさせ続ける安田大サーカスクロちゃん。2021年も様々なドッキリに引っかかり、またアイドルグループ豆柴の大群のアドバイザー、そして作詞家としても才能を開花させた。
そんなクロちゃんに、激動の2021年を振り返ってもらい、個人的に印象的だったことを3つあげてもらった。

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1・『水ダウ』でドキュメント化された引っ越し

2021年を振り返ったとき、なんと言っても外せないのは「引っ越し」でしょうね。『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で逐一その様子が晒された例のやつです。オンエアされた番組を自分で見ていても、改めて前代未聞すぎるなと呆れました。

だって普通は「芸人が無人島から脱出する」というのがコンテンツになるわけじゃないですか。脱出できたら、そこで終わりですよ。
ところがあのときは無人島脱出が「振り」でしかなくて、そこから部屋探しを始めて、リアルに住民票を移さなくちゃいけないという……。大体、なんで僕の住んでいたマンションが取り壊しされるという超内部情報を知っているんですか! 無人島に僕の部屋をそのまんま再現するという発想自体が異常だし、予算だって相当そこに割いているはず。スタッフも完全にどうかしていますよね。

前に住んでいた部屋は家賃12万円。立地的には申し分なかったけど、建てられたのが昭和30年だったので結構ボロボロだったんです。どうせ引っ越すなら、そこよりランク的に上の物件にしたいというのは本音としてありました。
で、今の部屋が家賃29万円。こうした個人情報が臆面もなく全国に流されていることに恐怖を感じますけどね(苦笑)。母親が「大丈夫? 払えるの?」って心配の電話をかけてきましたから。

新しい家の居心地ですか? 正直、使っていない部屋が多いんですよね。広いのはいいんだけど、和室なんて夜になるとおばけが出そうだから怖くてドアが開けられないし。それで結局、24時間体制の監視カメラがついている居間か寝室で過ごすことになるんですけど……。


よく聞くのは「カメラが回っているということは、どうせTBSに家賃を払ってもらっているんだろ?」というやっかみの声。この際だからはっきりさせておきますけど、1円たりとももらっていませんからね! これが一番ムカつくところで。本当に薄情な連中ですよ。下手したら「監視してやっているんだから、余計にお金を払ってください」とか言われかねないもんなぁ。

2・作詞家として大きく咲かせた才能の花

ゆきりん(柏木由紀)が歌うシングル曲の作詞をしたこと。これは長年アイドルファンをやってきた自分にとって、ひとつの到達点ともいえる“事件”でした。
その楽曲『ずっと気になるズッキーニ』について、ゆきりんは「クロちゃんの歌詞が悔しいけど本当にいい」とベタ褒めしているんですよね。「どうだ!」って言ってやりたいですよ。

いつもネットでは叩かれまくっている僕ですが、やっぱり見る人が見たら作詞家としての才能を放っておけないんでしょう(笑)。思えばヒャダインさん(前山田健一)や川谷絵音さん(ゲスの極み乙女。/indigo la End)も手放しで絶賛していました! それでも僕の歌詞に難癖をつけてくる人は、自分がヒャダインさんや川谷さんよりも優れた音楽家とでも考えているんですかね?

僕は以前から豆柴の大群のメンバー5人を「娘」だと表現してきました。今回のゆきりんは自ら「私も娘にしてください!」と飛び込んできたわけです。
「おかしいなぁ。いつの間にか6人に増えちゃったよ」と困惑しながらも、うれしい気持ちはすごく強いですね。

ファーストサマーウイカちゃんに『らぶ地球』を歌ってもらったときは、番組の企画だったから本人をイメージして歌詞を書けなかったんです。むしろ(松井)珠理奈に歌ってもらうことを想定し、「パンチラインの代わりにパンティーライン」とか少しエッチな歌詞を入れたくらいなので。セクハラだと怒られたら、反論できないですが(笑)。

でも、『ずっと気になるズッキーニ』は明確にゆきりん仕様の歌詞。
「私いつも渡り鳥」とか、本人にしっかりハマるような歌詞を真剣に考えて作り上げたんです。秋元(康)先生とは違うアプローチで、僕なりにゆきりんを描き切った。ズバリ言って、これは自信作ですよ。作詞家として一段高いところに登ったなという実感が自分でもあります。来年以降もこの勢いは止められないんじゃないですかね。

3・大仁田厚との電流爆破マッチと電撃和解

大仁田厚とは矢継ぎ早にいろんな出来事がありましたね。最初は2020年8月に「としまえん」でやった電流爆破路上デスマッチ。その年末はスカイツリーで再び電流爆破マッチ。このときは僕がフォールを奪って勝ちました。

そして今年8月には川崎で対戦して完敗。さすがにこれで物語は終わったかなと思ったんです。そうしたら大仁田から唐突に軍団入りを提案されて、流れで仲間になることになりましてね。あのときは「“ニタクロ軍団”と“クロニタ軍団”、どっちを選ぶんじゃ!」って二者択一を迫られ、「その2つなら、語呂的にクロニタ軍団ですかね」って返答しただけですから。完全にハメられましたよ。

大仁田厚と絡むようになって感じたのは、やっぱり嗅覚に優れた人ではあるんです。「面白いことをしてやろう」「観客の度肝を抜いてやろう」というアンテナをすごく張っている人だから、ジャンルを超えて認めざるをえない部分は多い。

たとえば最近DDTプロレス後楽園大会でこんな出来事があったんです。まず高木三四郎社長が1対3のハンディキャップマッチでフェロモンズと対戦。そこで試合に破れた。高木社長はクロニタ軍団の一員だから、大仁田、そして僕が救出に駆けつけてフェロモンズ3人を蹴散らした。ここで大仁田のマイクですよ。当然ビシッと大会を締めてくれるかと思いきや、いきなり最後に「おい、クロ! 最後はお前だ」ってムチャ振りしやがって……。「え~!?」ってア然としましたよ。

お笑いでもそうなんですけど、僕はそういう段取りにないことをするのが大嫌いなんです(笑)。団長(安田大サーカス)は逆にそういうアドリブみたいなのを好むタイプで、そこは真っ向から対立しているんですけど。大仁田にムチャ振りされた日は、バックステージでも納得がいかなくて僕は愚痴っていたんです。それで高木社長が言うには「おそらく大仁田さんは自分が救出に行ったときよりクロちゃんへの歓声が大きかったことを感じ取っていたはず。それを踏まえて急遽マイクをクロちゃんに渡したんじゃないか?」って。

たしかにそういった大仁田厚のエンタメ脳っていうのは、ちょっとヤバいレベルなんです。だけどズルいですよね、僕から言わせたら。責任感がない(笑)。マイクで締めるという自分の仕事を最後までまっとうしてほしいですよ!「やってくれやがったな」という思いが消えない(笑)。何を考えているかわからないし、とにかく予定調和を嫌うので、マジで常にハラハラしていますね。

とは言っても、とうとう今年は僕も『週刊プロレス』のプロレス名鑑に名前が載りましたからね。これもマネージャーからよくわからないアンケートを書かされて、気づいたら掲載されていたという騙されたパターンなんですけど。でももうこうなったら僕もプロレスラーとして覚悟を決め、2022年も大仁田厚と絡んでいくしかなさそうです。

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