2月10日に卒業セレモニーを開催し、乃木坂46から卒業した2期生・新内眞衣。長らくグループ最年長を務め、“お姉さん”として後輩たちから慕われてきた彼女だが、その支えとなっていたのは、ある先輩メンバーであった。
新内が受け継ぎ、そして後輩たちに託した想いとは?

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2月10日、東京国際フォーラムにて『新内眞衣卒業セレモニー』が行なわれた。自身がMCを務める『乃木坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)と連動した笑いと涙に溢れたイベントになったが、このコラムでは、2016年6月にグループを卒業した深川麻衣と新内の関係にスポットを当てたい。

今イベントの中盤で「思い出の人、思い出のシングル」を振り返るVTRで、新内は深川への想いを明かす。深川から卒業することを明かされた際、「ごめんね。最年長にしちゃう」と声をかけられたという。新内は「でもそこから頑張れたのは、一緒に過ごしてきた日々があったから」と深川の存在の大きさを語った。

新内が2期生としてファンの前に姿を見せた日(13年5月4日『16人のプリンシパルdeux』)、スタッフから「年齢が近い“まい”が入ってくる」と聞いていた深川が話しかけたのが“始まり”だった。

同年11月には、2人でカフェに行ってアップルパイを食べながら3時間も語り合った。境遇やグループでの立ち位置が似ていることで悩みを共有し合えたのだ。その後、アンダーと選抜に分かれていたものの、同じ現場になると新内が「そろそろしゃべりたい」というタイミングで、深川から話しかけてくれたという。

新内が12thシングル『太陽ノック』(15年7月22日リリース)で初めて選抜に入ると、深川との距離はより近くなり、夏の思い出を作ることもできた。16年2月に放送された『乃木坂工事中』(テレビ東京系)のバレンタイン企画では、新内が深川に告白して白いスニーカーをプレゼントした。
(※オンエアではカットされたが、ソフト化された際に未公開場面として公開された)

今年2月9日に放送された、新内にとって最後の『乃木坂46のオールナイトニッポン』では、深川からのメッセージが放送。その中で、深川は「白いスニーカーを大切にしていたけど、いよいよ履き潰してしまったから一緒に買いに行きたい」と伝えた。

卒業セレモニーで、新内は『太陽ノック』を選曲してセンターで踊った。その隣には、新内に替わって最年長となる秋元真夏と、新内を敬愛する”新内組”の佐藤楓がいた。そして、フロントに配置された吉田綾乃クリスティーと弓木奈於が前に出る。2人は3期と4期の最年長メンバーだった(4期の田村真佑は弓木と同学年だがイベントを欠席)。

深川から受け取ったのは「最年長のバトン」であり、「優しさのバトン」だったのだ。今イベントで『ハルジオンが咲く頃』をWセンターで歌った梅澤美波、『乃木坂46のオールナイトニッポン』のMCを引き継いだ久保史緒里にも、新内は優しさを与えていた。

21年2月に公開されたドキュメンタリー『僕たちは居場所を探して』(Hulu)で、久保と梅澤美波にとって、新内の存在が支えになっていたことが明かされる。

新内は同じ“お姉さん”ポジションだった梅澤に対して「分かりやすく泣ける子って分かりやすく人が集まってくれるけど、押し殺している人には(周りの人が)気づいてあげられない」と、その葛藤から救おうとしていた。「褒められたことを素直に受け止めて自信に繋げればいいんじゃない」と言っても「自信が無い」と言う久保には、「自分が食べたいものを食べなさい」自分で選択することを勧めた。

卒業セレモニーのアンコールで、新内への想いを綴った手紙を読んだ梅澤は「副キャプテンの発表がある前に、心配して焼き鳥に連れて行ってくれたことも、悩んでいるとすぐに察して隣に来てくれることも、会うたびに抱きつくのが日課になった毎日も、してもらってばかりで私は何も返せなかったけど、これから返させてください」「たくさんの優しさを、本当にありがとうございました」と話した。


深川から新内に渡された「優しさのバトン」は、3期生、4期生、そして、加入が発表されたばかりの5期生に繋がっていくことだろう。

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