“バブリーダンス”で一世を風靡した女優の伊原六花。3月20日にはダンスシーンや手描きイラストなど、多彩な才能を詰め込んだ3rd写真集『R22』を発売する。
今回、写真集の撮影裏や彼女のルーツを聞いた。(前後編の前編)

【写真】飾らない素の表情が魅力的、伊原六花の撮りおろしカット【10点】

──2年10カ月ぶりとなる写真集『R22』は、2020年秋から約1年間かけて伊原さんを追いかけた作品になっています。1年という長丁場、どういう気持ちで撮影に臨んだのでしょうか。

伊原 このお話をいただいたときに、1年かけて撮るんだったらいろんな変化が見せられる1冊になるんじゃないかなと思いました。特に2021年は3本の舞台をやらせていただけた年だったので、意識しなくても役によって表情が違ってくるだろうし、そこで出会う先輩方や演出家の方などと話す中で変化したものが、そのまま写真でも表現されるんじゃないかなと。

──完成した写真集を見て、実際に1年間の変化を感じましたか?

伊原 最初と最後で全然違うなと思いました。表現の仕方もそうですが、まず顔が違うなと。2020年秋の時点では、事務所の社長からも「赤ちゃんみたいだね」と言われるぐらい幼かったんです(笑)。でもこの1年はいろいろ考えることも多くて、顔つきも変わってきている気がします。自分のことながらも、こんなに変わるものなのかと驚きました。

──1年間にわたる撮影だと、モチベーションや体型の維持など準備も大変だったのではないでしょうか。

伊原 夏に和歌山県の南紀白浜で撮ったときは水着のシーンも多かったので、食事制限をするなど体の面で準備はしました。
ただ、いつも同じスタッフさんだったし、柔らかくて自由な雰囲気だったので「写真集だから頑張ろう!」みたいな気負いはなく、楽しく撮影ができました。

──南紀白浜は「第2の故郷」とのことですが、伊原さんにとってどんな思い出のある場所なんですか?

伊原 母方のおじいちゃんが南紀白浜に別宅を持っていて、夏になるとそこに家族やいとこで集まっていたんです。父方のおじいちゃんも南紀白浜から車で1時間ぐらいの龍神村に住んでいて、そっちにも遊びに行っていて。だから幼少期は和歌山県で過ごした夏の思い出が多くて、第2の故郷といっても過言ではないんです。ただ、私もいとこも成長して、それぞれの時間がある中で夏に全員が集まることは少なくなってしまったんです。

──撮影で久しぶりに訪れた南紀白浜の風景に変化はありましたか?

伊原 ほとんど変わっていなかったです。当時からあった市場にも行かせてもらったんですけど、場所も変わってなくて懐かしかったです。「ここ知ってる!」って当時の感覚が蘇ってきてグッときました。

──龍神村にも行ったそうですね。

伊原 父方のおじいちゃんは数年前に龍神村を出て大阪で暮らしていたんですが、写真集を撮影する1年前に亡くなりました。「またみんなで龍神村に行きたいね」って家族で話していたんですが、コロナ禍もあって実現できていなかったんです。そんな中、今回の撮影で行かせていただいて、たまたま撮影中に向かいに住んでいるおじさんにも出会えました。
そのときに「孫なんです」ってお話をしたら、おじいちゃんの住んでいた家にも入れてくれたんです。カーテンとかもそのままだったので、当時を思い出して、改めておじいちゃんがいなくなったんだと実感しました。いろいろ奇跡とか偶然が重なったからこそ撮れた表情も多かったので、本当に思い出深い写真集になりました。

──自然と触れ合っている写真も多いですが、子どもの頃から外で遊ぶのは好きだったんですか?

伊原 はい! おじいちゃんの家に行ったら、川でバーベキューをしたり、みんなで虫やカエルを捕まえたり。今は大きい虫こそ触れないですけど、カエルなら今もいけます(笑)。

──天真爛漫な姿もあれば、大人っぽい表情のカットもあります。

伊原 基本は自然体なんですけど、素敵な景色と衣装とメイクで撮らせてもらうときは、しっかりとした表情を見せたいなという気持ちがありました。そういうカットもあることで、盛りだくさんの内容になったのかなと思います。

──写真集には花など、伊原さん自身が描かれたイラストも掲載されています。イラストは日常的に描かれていたんですか?

伊原 幼い頃は漫画家になりたくて、ずっと絵は描いていたんですけど、好きなだけで表に出すほどのレベルじゃないなと思っていたんです。インスタなどにもほとんど載せていなかったんですけど、マネージャーさんが「絵を描けるの? だったら写真集に何点かどう?」と言ってくださったので描きました。

──写実的かつ独創的な色使いで素晴らしかったです。


伊原 人生で一番集中して絵を描きました! iPadで描いたんですが、デジタルで描くこと自体も初めての経験でした。それまでは鉛筆で線画みたいなものを描く程度で、色を付けたこともなかったんです。試行錯誤しながらだったので、朝から晩まで1日中、描いては消してを繰り返して、4日に1枚ぐらいのペースでした。でも絵を描くのが好きだから全く飽きなかったです。

──これまでは、どういうときに絵を描くことが多かったんですか?

伊原 リフレッシュしたいときとか、何も考えずに没頭したいときとかに描いていました。

──これだけ高い完成度の絵を、どうして世に発信しなかったんですか?

伊原 私はすべてにおいて自信がないタイプなんです。絵が上手い人なんていくらでもいるからと思って、「絵を描けます!」とアピールしてこなかったんです。それをマネージャーさんが見つけてくれたおかげで描けたようなものですね。今後も求められるなら……って感じです(笑)。

──改めて今回の写真集の見所を教えてください。

伊原 桜、海、キャンプ、雪など、四季を通じて私を追える写真集になっているので、一緒に1年の変化を感じながらワクワクしてもらえるとうれしいです。

>>後編はこちら

(取材・文/猪口貴裕)
▽伊原六花(いはら・りっか)
1999年6月2日生まれ、大阪府出身。
A型。162センチ。
2017年に「日本高校ダンス部選手権」で、自身がキャプテンを務める大阪府立登美丘高等学校ダンス部が発表した「バブリーダンス」が注目を集めて一世を風靡。高校卒業後の2018年から本格的に女優として活動している。
Twitter:@rikka_ihara
Instagram:rikka.ihara.official

▼伊原六花3rd写真集『R22』発売記念イベント
【東京】2022年3月20日(日)13:00~/ブックファースト新宿店
http://www.book1st.net/event_fair/event/page1.html#a_1661
【大阪】2022年3月27日(日)17:00~/紀伊國屋書店グランフロント大阪店
https://store.kinokuniya.co.jp/event/1643174877/
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