【写真】「あの美少女は誰?」とSNSでも話題に、『ViVi』モデル嵐莉菜の撮り下ろしカット【8点】
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──サーリャの境遇には共感するところがあるとおっしゃっていましたが、嵐さんは実生活の中で他人からの見られ方について気になることはありますか?
嵐 私はサーリャのように自分のルーツを隠しているわけではないんですが、自分も同じ日本人として扱って欲しいと思っているので、聞かれるまでは言わないようにすることが多いです。それでもよくあるのは「どこから来たの?」と言われることですね。私は日本で生まれたし日本で育っているから、日本が母国なはずなのに「母国じゃないのかもしれない」と思ってしまう。
「日本です」と答えても、外見的にそう見えないし「え、そうなの!?」と言われることもよくあります。興味を持ってもらえることはすごくうれしいのですが、自分の中では「私ってやっぱり外国人なんだ」と考えてしまう。もちろん相手に悪気がないのはわかっているのですが、自分をちょっと嫌になってしまうきっかけにはなっていたと思います。
食事に行って外国語のメニューを渡されることもあって、「最先端だな、すごいな」とは思うんですが、「日本語のメニューで大丈夫です」と言うと、「日本語話せるんですか?」と言われる。傷付くわけじゃないんですけど「やっぱり外国人って判断されてるんだな」って思いますよね。自分は日本人だと思って生きているけど、そういうことがあると「自分は日本人と言っていいのかな」と考えてしまっていました。
──なかなか答えの出る問題ではないとは思いますが、嵐さんが世の中に変わってほしいと思うことはなにかありますか?
嵐 「自分が言ったことに対して、相手がどう思うか」って、わからないものじゃないですか。
──複雑な問題も多く描かれる今作から、嵐さんはどんなことを学びましたか?
嵐 私もこの作品の前はクルドの方たちのことは知らなかったので、調べました。クルドだけじゃなくて、他の民族の方でも日本で難民申請をしている方々はいると思うんです。私たちがどうにかすることは難しいかもしれないけど、そういう方々がいるということを知ることがすごく大切なのではないかなと思います。ベルリンではすごく良い評価をいただいた作品ですが、日本ではどう評価してもらえるのか、すごく気になりますね。感想を早く聞きたいです。
──今後は演技のお仕事も増やしていきたい思いですか?
嵐 今回の撮影が終わってから、他のドラマや映画を見ていて「私も演技したいな」とすごく思うようになったんです。作品への見方も変わって、演技により注目するようにもなりました。演技することの魅力を、この作品を通して最大限に感じたので、機会をいただけるのであれば、今回のような現実的な話だけでなく、非現実的なアニメや漫画の実写など、自分が普段なれないようなものになれる作品にも挑戦してみたいなと憧れはあります。
──ありがとうございます。では最後に改めて、この作品を楽しみにしている方に向けてメッセージをお願いします。
嵐 この映画は社会問題を描いていますが、その中に青春だったり恋愛だったり、家族との微笑ましい時間だったりと、色々な感情が出てくる映画となっています。身近に起こる出来事が描かれていたりもするので、年齢、性別、国籍問わず色々な方にぜひ観ていただきたいです!