【写真】白洲迅が“突然女性になってしまう”夫役を熱演【13点】
──白洲さん、夏菜さん、新川優愛さんがトリプル主演する『個人差あります』は、白洲さん演じるサラリーマンの磯森晶が、身体的性別が変わって夏菜さんになってしまい、心は男性のまま見た目は女性として社会復帰するというぶっ飛んだ設定のドラマです。
白洲 晶の妻・苑子を演じる新川さんも交えて、撮影前に3人でリハーサルをさせていただいたんですが、お互いの芝居を見た時に、ちゃんと話し合ったり、深いところまでガチガチに決めたりしなくても、夏菜さんとだったら自由に演じて成立させることができそうだなという手応えがあったんです。「眉毛を描くしぐさは一緒にしよう」とか、テクニカル的な部分での話し合いはありましたけど、どういう風に晶を作っていくかみたいな話はしなかったです。なので、役作りとしては何かを用意して作り込んでいくみたいなことはあまりなく、台本から受けた印象を自分なりに表現していくことで今は進められています。
ただ、やればやるほど難しさが分かっていく役だなと、撮影が進むにつれて、より感じているところです。こんな境遇はありえないことではあるんですけど、だからこそ一つひとつのセリフに重みをもたせることが大切だなと思いますし、迷いながら演じることが正解なのかなと感じています。
──もともと白洲さんは、しっかり役作りをして撮影に臨むほうですか?
白洲 作品にもよりますけど、あまり決めないことのほうが多いですね。もちろん事前に勉強できることはちゃんと勉強していきますけど、実際に現場に行ってみないと分からないことのほうが圧倒的に多いので、役としては現場で作っていきたいんです。ドラマは1シーンにかけられる時間も少ないので、少ないテストの中で自分が出せるものをしっかり出して。相手の俳優さんがどういう風に出てくるのか、監督はどういう風に思っているのか、そういうものをすり合わせていく時間が、ドキドキはしますけど楽しいところですね。
──俳優としてのやりがいはどんな時に感じますか?
白洲 応援してくれる方、見てくれる方の声が届いた時です。たまにファンレターをいただくんですが、「あの役を見て、こういうものを目指すようになりました」とか、「刑事役を見て、警察学校に入りました」とか、そんな声が結構あるんですよ。ものすごくうれしいことでありつつ、それだけ人の人生に影響を及ぼすので、生半可な気持ちではやれないなと思います。
──映画、ドラマ、舞台に引っ張りだこですが、お忙しい中、次の役柄に移行するのは大変じゃないですか?
白洲 役が抜ける抜けないというのは、よく話題に上がりますけど、僕はそうでもないんですよね。全くないかと言われたらあるんですけど、作品ごとに台本も違いますし、スタッフさんも違います。環境が変われば、そんなに役が抜けない、引きずるみたいなことはないですね。
──白洲さんにとってターニングポイントになった作品を教えていただけますか。
白洲 ターニングポイントだなと思う瞬間は幾つもあるんですけど、2014年に出演した『ごめんね青春!』という宮藤官九郎さん脚本のドラマですかね。がっつりコメディーだったんですけど、僕の役が、唐突に3択クイズを出すキャラクターだったんです(笑)。僕は根がクソ真面目なので、「なんでこいつは、このタイミングでクイズを出すんだ?」「どういう風に気持ちを持っていったらいいんだ?」と真正面から答えのないことにぶつかっちゃって……。最後まで迷いながらやっていましたけど、いい経験になりました。真正面から役に対して向き合う姿勢の大切さを学んだと思います。
──改めて『個人差あります』の見どころをお聞かせください。
白洲 人それぞれ固定概念というか、いろんな考えをお持ちだと思いますが、「異性化」という突拍子もない設定のおかげで、無駄なフィルターみたいなものを取っ払うことができると思うんです。
恋人、友達、会社の同僚、クラスメイトなど、人間関係には千差万別ありますが、現代社会に生きる全ての人に伝わるものがあるんじゃないかと信じて作品を作っておりますので、ぜひ見てくれたらうれしいです。
スタイリスト/ 星翔子
ヘアメイク/ 枝廣優綺
持道具/北川幸江
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