TRFのDJでありリーダーとして、日本のダンスミュージックシーンを牽引したDJ KOO。そんな彼がいま興味を持っているのがアイドルだ。
今回、DJ KOOがアイドルの魅力を思う存分語ってくれた。
(前中後編の後編)

【写真】バラエティでも活躍中のDJ KOO 撮り下ろし写真【10点】

──最近のDJ KOOさんといえば、アイドルとの急接近も話題になっています。これは娘さんの影響ということになりますか?

DJ KOO(以下、KOO) 最初のきっかけはモーニング娘。でした。やっぱり気になるじゃないですか、「自分の子供がこれだけ夢中になるグループってどんなものなんだろう?」って。正直、そこには若干複雑な気持ちもあったんですけど。

──「なぜ俺たちじゃないんだ?」ということですか?

KOO というより、正確には「つんく♂さんのほうに行ったか~。小室ファミリーじゃなかったか~」というガッカリした気持ち(笑)。それでもハロコンとかに一緒に行くと、やっぱりエンタメとしてのレベルがすごく高いんですよ。「あぁ、なるほど。たしかにこれは面白いわ」って一発で納得しました。


──KOOさんの場合は単なるファンではなく、パフォーマーとして共通する面もありますよね。ミュージシャンとして刺激を受けたこともありましたか?

KOO ものすごくありました。これはモーニング娘。だけじゃなくてBEYOOOOONDSとかも含めたハロプロ全体に言える話なんですけど、とにかく音楽ジャンルとして守備範囲がすごく広い! アイドルの人たちの楽曲って、いい意味で異常と言えるくらい様々な要素が詰まっているんです。K-POPっぽいのもあれば、シティポップもやるし、レトロ風味もあるし、ディスコ要素やヘヴィメタルもある。そんな音楽ジャンル、他にないですよ。

──ある意味、ミクスチャーですよね。

KOO そうそう。ですからこれは声を大にして言いたいんですけど、アイドルってアルバムを通して聴くのが一番面白いんです。BEYOOOOONDSのデビューアルバムとかすごいですよ。星部ショウさんとか多才な方だなって本当に驚かされますよね。

──たしかに星部さんの書く曲は振り幅が大きい印象があります。


KOO シティポップだったらシティポップ、ディスコだったらディスコの美味しい部分をきちんとオマージュしているじゃないですか。僕はご本人とお話させていただいたこともあるんですけど、謙虚な方だから「いや~、大したことないです」みたいに謙遜するんですね。だけど明らかにすごいレベルで作品作りに取り組んでいるし、なおかつそれをきちんと表現するBEYOOOOONDSのメンバーも演者としてすごい。ハロプロに関してはアイドルとして楽しむというより、同業者として意識する部分のほうが強いかもしれない。

──アイドルというジャンルに対するリスペクトが感じられます。

KOO やっぱりなんだかんだ言っても、アイドルに対しても無意識にDJ気質でチェックしているんでしょうね。ありがたいことに仕事でハロプロと関わることもあって、「ソロフェス!」というメンバー1人ひとりがパフォーマンスするイベントの審査員をやらせていただいたんです。あのときもビックリしたなぁ。

──何に驚いたんですか?

KOO 「ソロフェス!」はメンバーが曲を選び、演出なんかも決めて、自分なりの個性を活かしたパフォーマンスで競い合うんです。それが次から次へ何十人も高いレベルで続くんですから……。たとえばの話ですが、今、第一線で活躍しているバンドのメンバーに同じことができるかっていったら、できるところは少ないんじゃないかな。もちろんバンドとハロプロ、どちらが上かという単純な話では決してないですけどね。
でもそれくらいアイドルがすごいことをやっていることは、世の中にもっと伝わってもいいと思う。

──KOOさんはハロプロ以外のアイドルとも関りがありますよね。

KOO 結果的に広くなっちゃった(笑)。坂道系ともお仕事させていただいていますしね。あーりん(佐々木彩夏/ももいろクローバーZ)はノンストップのミックスを作って円盤にしたりとか、ライブでもコラボさせていただきました。そのときは向こうのスタッフから「ガンガン煽って掛け声とか入れてくださいよ」って言われたんです。だけどファンからすると「イエー! イエー! あーりー、カモン!」とか邪魔な声が入って鬱陶しいんじゃないのかなって僕は心配したんです。結果的には観客もめちゃくちゃ盛り上がってくれたから、「ここまでやっちゃっていいのか」って驚いたし、個人的にも勉強になりました。

──アイドルと一緒に仕事することで、本業のDJにフィードバックされることがあった?

KOO まさにその通りで。この前も『乃木坂スター誕生!』(日本テレビ系)という番組で70年代や80年代の曲をカバーするという企画があり、TK特集があったんです。その流れで「乃木坂スター誕生!LIVE」というライブに僕も参加させていただきまして、4期生のみんなと一緒に『EZ DO DANCE』を演りましたよ。おそらく熱心な乃木坂ファンの方からすると、唐突なパリピ感にギョッとしたはずですが(笑)。


──本当にフットワークが軽いんですね。

KOO 面白いんだから仕方ない(笑)。それからインパクトでいえば、『アイマス シンデレラガールズ』7thライブもヤバかったですね。2019年にナゴヤドームで行われた公演です。あのときは僕がゲストに出るということが完全シークレットだったんですよ。その時点ではまだゲームに入っていない『EZ DO DANCE』が実装されるというタイミングで、いきなり僕がナゴヤドームのセンターステージに登場してDJプレイするという演出。そもそもアイマスのステージって男が一切出てこない世界だから、ファンからするとDJ KOOなんて異質すぎるわけです。ところが、これが信じられないくらい大受けしちゃって……。もう歓声がすごすぎて、モニターの音がまったく聴こえないほどだった!

──どれほどの大歓声でしたか?

DJ KOO 自分の音楽キャリアの中で段違いに熱狂した現場だったかもしれない。アイマスはアイドルとは別物だけど、広くオタク文化という捉え方をすると同じくくりじゃないですか。アイドルとアイマスに触れたことが、僕にとって大きなターニングポイントだった気がするんです。そこは個人的にも大いに感謝しているからこそ、オタクの人たちへ向けて自分なりに還元していきたいと考えているところでして。
これからも「何でもやってやろう!」というトライ精神は自分の中から消えないと思うので、いろんなジャンルのファンと一緒に盛り上げていけたらって思います!

【前編はこちら】九死に一生を得たDJ KOOが激白「不健康なミュージシャンなんて時代遅れ」

▽DJ KOO
1961年8月8日生まれ、東京都出身。トータルCDセールスが2100万枚を超え、今なお多くの人に愛される続けているダンス&ボーカルグループTRFのDJ、リーダー。2017年から日本の文化である“お祭り”“盆踊り”とのコラボレーションをエンターテイメント型ジャパンカルチャーの発信として、国内外において精力的に活動を行っている。バラエティー番組にも多数出演。幅広い層のファンを獲得している。
最新書籍『DJKOO流 心・体・脳(シン・タイ・ノウ)の整え方』(PHP研究所)が絶賛発売中。
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