──10年以上の付き合いですが、改めて“アイドル・松村香織”はどんな存在でした?
たかし 知り合った頃から、今に至るまで本当に“あのまま”。言ってしまえば、アイドルらしくない。普通はなんとかアイドルぽく振舞おうとしますけど、それがムリだと早く気付いたのか、10年間正統派の真逆を全力で突っ走って人気を獲得しましたからね。時代の方が、かおたんに追いついたんでしょう。
──プライベートの松村さんは、どんな方でした?
たかし メッチャ負けず嫌いですね。以前ダーツをやったことがあって、負けたら1杯飲むという遊びをしていたんですよ。かおたんは下手なのでずっと負け続け、そのたびに飲むから、途中でベロッベロに酔っぱらって。「危ないから止めよう」と言っても、「勝つまでやる!」と聞かなくて、マジで勝つまでやり続けたんですよ。このとき、コイツ、スゲーな! と思いましたね。
──負けず嫌いな性格だからこそ、這い上がってこられたのでしょうね。
たかし あと、素は相当な乙女ですね。卒業コンサートで僕と『2人はデキテル』という曲をデュエットして、最後キスをする寸前で暗転するという演出があったんです。実はこの日、当日にリハができず、ぶっつけ本番になってしまって。冗談で「本番、勢いあまってキスしても知らないよ」と釘を刺したんですよ。それでいざ本番、歌も無事終わり、最後のキスシーン。体を近づけた瞬間、男の僕が一切近づけないレベルの力でガッ! と跳ね返されて。
──ヒドイ(苦笑)!
たかし さすがにマジかよ!? と思いました。その後も、予定にないビンタまでかまされて(笑)。下ネタ上等なイメージが強いですが、そういうことになると、急に素が出るんですよ。女の子扱いをされるのは嫌みたいで。「可愛い」とか冗談で言うと、本気で怒りますね。
──でも松村さんのその態度、もはや「好き」の裏返しにしか見えませんよ!
たかし 本人は「マジでない!!」と言っていますけどね。
──……嗅覚が鋭い(笑)。
たかし その読み通り、遊びに誘われたら、ちょっと高い店に行っては、僕が全額支払っています(笑)。まぁ、時折SKE48のメンバーを連れてきてくれるので僕的にはありがたいし、Win-Winの関係ではあるんですけど、僕1人に対してメンバー6人とか連れてくるんですよね。まあ、会計は払いますが(笑)。
──卒業後の進路の相談などは?
たかし いえ。ただ『トレンディエンジェルのPePePeラジオ』(文化放送)に、よくゲストで出てもらっていた流れで、卒業発表直後に「番組プロデューサーの連絡先、教えて!」と迫られましたよ。
──根回し、早すぎ!
たかし 生きる術を知り尽くしていますよ(笑)。なので、この先のことは全く心配していません。何があっても1人で生きていける子ですから。
(『月刊エンタメ』6月号より)
▽たかし(トレンディエンジェル)
1986年1月30日生まれ。東京都小平市出身。2004年に斎藤司と共に、お笑いコンビ「トレンディエンジェル」を結成。2014年にTHE MANZAI準優勝、2015年にはM-1グランプリ王者に輝く。@ほぉ~むカフェをこよなく愛する、熱心なアイドルファンとしても知られる。