──まずQueentetについて、着実にファンを増やしている印象がありますが、渋谷さんは現状をどう捉えていますか?
渋谷 「Queentet」という名前が、クチコミで広がっているような感じがしているんですよ。ライブを見た方が「良かった!」と言って、それを聞いてまた新しい方が見に来てくれて、という流れができているようですごくうれしいですね。
──ライブを行うごとに会場も大きくなっていっていますからね。
渋谷 そうなんです。先日のライブ(4月11日・Zepp Namba(OSAKA))も、4人のためにあんなにたくさんの方が集まってくださったのは本当に驚きで! ステージ上でも一瞬一瞬すべてが楽しくて幸せやな~って思いながらライブをしていました。
──ステージ上で喜びをかみ締めていたわけですね。
渋谷 はい! 私、Queentetって結成当初は「この先どうなることやら」と思ってて、全然先が見えていなかったんですよ。でも、もちろんアカリン(吉田朱里)さんたちがいろいろ計画を練ってくれているのもあるんですけど、何よりファンの皆さんがQueentetの進む道を作ってくださっている気がしていて。
──NMB48としてステージに立つのと、Queentetとしてステージに立つのでは、感覚は違いますか?
渋谷 全然違いますねぇ。NMB48では後輩もいるしポジションも前のほうに立たせていただいているので、「誰よりも輝かないといけない」と思いながらパフォーマンスしています。あと、MCを任されることが多いんですけど、「後輩の子の良さをどうやって引き出そうか」と考えたりもしていますね。一方Queentetでの自分は、本当に素(す)です。4人それぞれ自分が持っている雰囲気を出すことが重要視されていて、きっとファンの皆さんもそれを求めていらっしゃると思うんですよ。MCでも私は何も考えずに普段通り楽しくしゃべっているだけやし(笑)。私にとってQueentetは何も気負わずにいられる場所ですね。
──Zepp Nambaでのライブで渋谷さんが最後の曲を忘れたのも、ある意味気負っていない証拠……?
渋谷 ふふふ。いやあれはホンマに反省すべき点で、笑い事じゃないんですけど(苦笑)。でも、それくらい羽は伸ばしていますね。Queentetは居やすくて楽しいです。
──他にQueentetで「居やすい」と感じる瞬間はありますか?
渋谷 例えばリハーサルでも、みんな意識が一緒やなって感じるんですよ。やるときはちゃんとやる、休憩するときは休憩する、という歯車がピッタリ合っているし、短時間で集中してリハーサルを進めていけるところにQueentetの居やすさを感じます。
──そして、Queentetは6月2日に東京・豊洲PITでのライブも控えています。
渋谷 関東で初めてのライブなので、すごく気合が入っています! Queentetはライブでカバー曲を歌ったりNMB48とは違ったことに挑戦していたりするので、私たちを初めて見る方はもちろん、過去にNMB48のライブを見たことがある方でも新鮮に映ると思います。なので、お友達とかを誘って見に来ていただけたらうれしいですね。そして、このライブを次につなげたいな、って。大阪での活動が豊洲PITにつながったので、ここでまた結果を出して、全国区になりたいです! Queentetでいろんな地方を回れたら!
──Queentetで全国ツアー、とか?
渋谷 ツアー、したいですねぇ~。そしてCDデビューも目指しています! グループでCDを出すのも大変な時代なので簡単なことじゃないのは分かっているんですけど、私、「きっとかなう」と思っているんですよ。だから今は未来にワクワクしかありませんし、自分達ができることから1つ1つ頑張ろうと思います!
──さて、NMB48は3月から新チーム体制に移行。渋谷さんはチームMのキャプテンに就任しました。初めての役職で、大変なことも多いのでは?
渋谷 握手会とかでファンの方からも「大変でしょ」って言われるんですけど、全然そんなことなくて! メンバーのおかげですごく楽しくやらせてもらっています。
──楽しさが先立つんですね。
渋谷 はい。もちろん考えなきゃいけないことや決めなきゃいけないことはたくさんあるんですけど、メンバーのためやと思ったら頑張れます。それに、私ができないことを他の子が補ってくれたりして、みんな本当に素敵過ぎるんですよ~! 今まで私は「どうすれば自分が一番目立てるか」って自分のことばかり考えていたのが、自分以外のこともたくさん考えなきゃいけなくなって、それは確かに大変だけど、これができるようになればもっと大きな自分になれるって思うんです。そう考えると、責任やプレッシャーがある今の状況もすごくうれしく感じますね。
──チームMにはとても個性的なメンバーがそろっています。
渋谷 ホンマ、吉本新喜劇さんのようなチームやなって思っています(笑)。新喜劇さんって皆さんそれぞれにギャグがあったり個性的で、でも目指しているものや気持ちは一緒じゃないですか。チームMもまさに同じだな、って。みんな自分のキャラはあっても、1人で突っ走るんじゃなくてみんなメンバーの気持ちを考え合える優しさを持っているので、すごくいいチームだなって感動しますね。
──また一方で渋谷さんは、『大阪ほんわかテレビ』(読売テレビ)のレギュラーなど個人でのテレビ出演もどんどん増やしていますね。
渋谷 「関西の顔になる」というのが私の目標なので、NMB48の番組だけじゃなく「外」の番組に出演させていただける機会が増えているのはすごくありがたいです! ただ、今はあくまで「NMB48」という看板ありきだと思うので、いつかは「渋谷凪咲」で求められる人にならなきゃいけないなと思いながらお仕事に臨んでいます。
──「外」の番組出演はいかがですか?
渋谷 第一線で活躍されている皆さんとお仕事をするとすごく刺激を受けるし、毎回吸収するものが多過ぎて! 私は現場で共演者の方にサポートしていただいてばかりなんですけど、サポートのやり方も「そんな方法があったんや!」と思うときがあって、それをNMB48で生かせたらって考えたりしています。
──渋谷さん自身が番組出演で心掛けていることは?
渋谷 やっぱり自分自身が楽しむことですね。以前ある番組で、めちゃくちゃ収録を楽しんでいる共演者の方がいらっしゃったんですけど、その方を見て「私、この方には勝たれへんわ」って感じてしまって。それに、私は「やってやるぞ!」と気負っていたら良さが出ないタイプだと思っているので、今は「現場で誰よりも一番楽しもう!」と意識しています。
──失敗することを恐れず、まずは楽しむことが大事だと。
渋谷 もちろん反省はします。でも反省して次につなげることができたら、それは「失敗」じゃないと思うんですよ。楽しんで、反省して勉強して次に生かす……というサイクルを続けていけたら、って。
──先ほどのQueentetの話にもつながりますが、渋谷さんの中では「次につなげる」というのが大きなキーワードになっているわけですね。
渋谷 はい、それはすごく思います。全部つながっているから、一つ一つのお仕事に大小はありません。むしろ、普段ただ道を歩いているだけでもそれは次につなげられる勉強の場だと思うんですよ。「もしロケ番組でこの道を歩いたら、どんなことをしゃべって話題を広げようか?」とか。
▽渋谷凪咲(しぶや・なぎさ)
1996年8月25日生まれ、大阪府出身。NMB48チームMキャプテン。ニックネームは「なぎさ」「なぎちゃん」。2012年にNMB48 4期生オーディションに合格。2014年NMB48 9thシングル『高嶺の林檎』でシングル表題曲初選抜。同年発売の『ラブラドール・レトリバー』ではAKB48シングル表題曲初選抜にも選ばれる。『大阪ほんわかテレビ』『ワケあり!レッドゾーン』(ともに読売テレビ)にレギュラー出演中。