【画像】初登場時はビジネスライクなキャラだったテリーマン
コミック1巻の7話「アメリカからきた男の巻」で初登場したテリーマンは、ビジネスライクでキン肉マンを見下すようなキャラクターだった。怪獣に父親を襲われた少年が、助けを求めてキン肉マンとテリーマンを訪ねてきた際に、テリーマンは少年にマネーを要求し、貯金箱からお金を差し出す少年を足蹴にしてしまうほどだ。
その後、キン肉マンと行動をともにするにつれ友情を深め、生涯の親友とも呼べる存在になっていく。続く超人オリンピックで、テリーマンはアメリカ代表として参加する。一回戦を勝利し準決勝に勝ち進んだテリーマンは、自身の試合を控えるなか、同大会の別試合に出場中のキン肉マンが特殊ライフルで狙われる場面を目撃する。その際、狙撃者が誤って放った銃撃を左足に受けて負傷してしまう。
超人オリンピックで優勝したキン肉マンは、アメリカ遠征に旅立つ。ハワイを経由しアメリカ大陸に降り立ったキン肉マンを待っていたのは、世界超人評議会、世界超人同盟、世界超人協会の3団体による争いだった。3団体はアメリカの超人プロレス界の覇権を争っており、コミックス第6巻では、団体の統一を賭けてタッグマッチによる決着をつけようとタッグリーグが開催される。
「タッグチームを組みたい相手がいる」と言ってキン肉マンが訪れたのはテリーマンのところだった。
ザ・マシンガンズの初戦の相手チームは「ジ・エンペラーズ」で、白熱した試合が繰り広げられる。試合終盤、テリーマンが必殺技である「カーフ・ブランディング」の態勢に入るも、義足が気になり技が出せない。残り時間が10秒となり、ようやく技を繰り出すも時すでに遅し。ザ・マシンガンズのデビュー戦は時間切れでの引き分けとなる。
ザ・マシンガンズは続く2戦目では勝利を収める。しかし、もう一方の試合で「宇宙一凶悪コンビ」から袋叩きにされているジ・エンペラーズを救い出そうとテリーマンが参戦。そのどさくさのなかで、義足を外されテリーマンも返り討ちにあってしまう。
宇宙一凶悪コンビの試合の前に義足がバレたことで故郷に帰ろうとするテリーマン。そのテリーマンを励ましたのが、車いすの少年。
筆者はコミックス第6巻を読み直し、ザ・マシンガンズの結成から、その後の活躍に触れ「キン肉マンよりもテリーマンが主人公なのではないか」とすら思う。一度はリングを離れたテリーマンをリングに復帰させたキン肉マンの思いに、一生懸命応えようとするテリーマンの奮闘ぶりが詳細に描かれているからだ。
ザ・マシンガンズは、夢の超人タッグ編の決勝戦で再結成される。再結成されてまもなく合体技を出せるのは古くからの繋がりがなせる技なのかもしれない。2023年に制作発表された新アニメでは、ザ・マシンガンズの雄姿は見られるのだろうか。
もし、足を切断したテリーマンをキン肉マンが説得できなければ、その後のテリーマンの名勝負はなかったことだろう。もしかしたら『キン肉マン』の著者・ゆでたまご先生が二人組だからこそ、描けたストーリーなのかもしれない。
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