【写真】女優としても活躍中の沢口愛華 撮り下ろし写真【5点】
芸能界に入ったのは2017年、中学3年生のときに受けた「SAKAE GO ROUND 美少女コンテスト2017」でグランプリを受賞したのがきっかけだった。自分から応募して掴んだチャンスだったが、それほど芸能界に興味があった訳ではなかった。
「小学生の頃はAKB48さんの全盛期だったので、アイドルは憧れの存在でしたけど、自分がなりたいという気持ちはなくて、そこまで芸能界自体に興味がなかったんです。ただ、うちはお小遣い制じゃなかったので、お金が入ってこなかったんですよ(笑)。欲しい物があったら、親を納得させれば買ってもらえる。弟は説得するのが上手かったんですけど、私は苦手で。だったら中学生でもお金を稼げるようになろうとオーディションを受けたんです。そしたらグランプリを受賞して、事務所からスカウトもしていただいたので、この世界に入ることを決めました」
当初はアイドルグループ「dela」の5期生として活動していたが、グループ内で居場所を見つけるのは難しかった。
「とにかく自分の居場所を探すのに必死でした。グループに入ったときはメンバーが20人ぐらいいて、その中で私の個性って何? どこを居場所にすればいいんだろうって心細くて……。グループ内でめちゃくちゃ仲の良い親友ができる訳でもなかったので、こういうことを言うと『媚びを売ってる』と思われるかもしれないですけど、ファンの方としゃべる時間がすごく楽しかったんです。
今もファンミーティングなどを開催すると、その頃から応援してくれているファンの方が来てくれるんですけど、私が贔屓して甘く接しちゃうから、新規の方は不思議そうにしているんです(笑)。でも、それだけ当時、ファンの方々の存在は心強かったんですよね」
順風満帆とは言えないアイドル活動の中で、さらなる壁にぶつかる。
「TIFを始め夏のアイドルフェスに出るようになって、他のアイドルグループさんを間近で見て悔しい思いをしたんですよね。別にdelaがダメという訳ではなかったんですけど、どちらかというと個々で頑張って、みんなで集まったときにライブをしよう、みたいな感じで、みんなで統一した目標がなかったんです。だから目標があるグループを見ると羨ましくて、すごく寂しかったし、ここにいる意味って何なのかなと悩むこともありました」
アイドルグループで活動することの意義について悩んでいるさなかに出会ったのがグラビアだった。
「2018年に参加した『ミスマガジン2018』でグランプリを受賞して、グラビアのお仕事が増えたんですけど、アイドルグループをやっているときよりも、グラビアをやっているときのほうが楽しかったんですよね。ちやほやされるから楽しかった訳じゃなくて、自分の表現したいことを探求できるのがうれしかったんです。
もちろんアイドルグループでも何かを追い求めることはできると思うんですけど、グラビアは自分の流れでやれるから、すごく心地よかったんです。それでグラビアを自分の居場所にしたい、活動の中心にしようと思ったときに、いろいろオファーもいただいて、今の道に進むことができました」
グラビアアイドルとして多忙を極める日々。はたから見ると順調そのものだったが、知らぬ間に心と体は疲弊していた。
「グラビアを始めた頃は自由奔放で、ちゃらんぽらんしていました(笑)。スタッフさんも一緒に『ウエーイ!』と乗ってくれるし、現場も楽しかったんです。
自分の殻に閉じこもる時期は長く続いたが、二十歳目前になって心境の変化が訪れた。
「二十歳目前になって、やっと自由になれたというか。早くからお仕事を始めたから、周りの子と話が合わなくなって、それが辛くもあったんです。でも二十歳って、みんな大人という段階に上げられて一社会人として同じ立場になる。いろんな局面で大人として扱われることが多くなって、そういうのが安心する材料になったんですよね。
やっと自分が身も心も大人側に行けたのがうれしかったんです。二十歳になって、私がグラビアを始めた頃から見てくださっている編集の方々と飲みに行ったんですけど、そのときに『昔の沢口はめちゃくちゃしゃべったのに、いつの間にかしゃべらなくなった。でも最近、またしゃべるようになってうれしい』と言われて。そんな風に思っていたんだって、ちょっと泣きそうになりました」
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▽『札束と温泉』
2023年6月30日(金)より、シネマート新宿、他にて全国順次公開
沢口愛華 小浜桃奈 糸瀬七葉 大熊杏優 佐藤京 星れいら 錦織聡/小越勇輝
一宮ゆい 工藤みか 村崎ゆうな 水野まゆ
監督・脚本:川上亮