9月末での番組終了が発表されたCS放送TBSチャンネル1で放送中のSKE48のレギュラー番組「SKE48 ゼロポジ」(※以下「ゼロポジ」)は、8月5日(土)、19日(土)、9月9日(土)の3回にわたってSKE48メンバーの討論企画を実施する。

【写真】討論会に参加したSKE48メンバー

過去には「選抜総選挙」の前などに行われ、メンバーがそれぞれの思いを吐露してきた討論企画。
今回は番組MCの北野瑠華、井上瑠夏と、松本慈子、荒野姫楓、竹内ななみ、中坂美祐、太田彩夏、伊藤実希、川嶋美晴、藤本冬香、池田楓、倉島杏実、末永桜花、髙畑結希、林美澪、大村杏、原優寧が参加。くじ引きで決められた3グループに分かれて、「今のSKE48に足りないもの」や「今のSKE48がより良くなるためには何をすればいいか」などをテーマにそれぞれの胸中を語っていく。

また、SKE48有識者として、日本テレビプロデューサーの毛利忍氏、SKE48卒業生の大場美奈、芸人のユリオカ超特Q、同番組プロデューサーの竹中優介氏が出演。メンバーの討論を見守り、時には客観的な意見や疑問をメンバーに投げかけていく。

収録後には竹中氏と大場がインタビューに応じ、収録の感想やメンバー、番組への思いなどを語った。

――収録が終わった今の率直な感想を教えてください。


竹中氏 SKE48にはSKE48らしい魅力があるのは変わってないなと思いつつ、自信を失っているメンバーが本当に多いことは最近お仕事を一緒にしていて感じていたので、それも吐き出してくれることで何か変わるきっかけになればと思って今回の討論を企画しました。

今日のメンバーたちの何かが後日変わってくれたら今日の企画をやってよかったなと思えるので、手応えは数年後まで分からないかなというのが率直な気持ちです。

本音をぶつけ合っていないんだなっていうのは心配になりましたね。昔だったらお互いにちょっとしたダメ出しをして済んでいたことが、今は1人で抱えちゃって気持ちを出せていないこととか。なかなか自信を持ってコメントできていない人の多さも心配ですね。

大場 何か懐かしい感じがしましたね。
メンバー独自の悩みとか思いが今まで以上にあふれていました。悩みを抱えている子が過去最高に多いなと思ったので、何とかそれを出して頑張ってほしいなっていう気持ちで収録をしていました。

できるできないは別として、みんなそれぞれいろんなことを感じて、考えているので、その部分はプラスだったなと思います。プラス思考の意見を出せた子は頑張って魂を燃やそうとしているけど、やり方が分からないような感じのメンバーもいるようでした。ネガティブなコメントだけでなくてよかったです。

竹中氏 今回の討論で一番言葉の迫力とパンチラインがあったのは中坂さんですね。
多分、四六時中SKE48のことを考えているし、それを実現するために生きているんだなっていう“SKEバカ”っぷりにあふれていました。良いコメントだったというか、コメントにある種の怖さを感じましたね。

――お互いのコメントなど、有識者のお話で印象に残っていることはありますか?

竹中氏 僕は大場さんに「ゼロポジ」MCの北野さんに言ってほしかったお説教をしてもらったのは感謝ですね。ああやって真っすぐ後輩の悪いところを指摘してあげる大場さんのクリアさはすごいなと思いました。「北野瑠華はもったいない」とずっと言っていたので。でも、北野さんに言ってくれた言葉って、実は全メンバーに伝えたかったことでもあるんですよね。


大場 メンバーから出る意見って、SKE48がずっとあって裕福なグループだと感じているからこそ出る意見なのかなと思っていたので、竹中さんが外部のプロデューサーとして、他の業界もそうだと思いますけど、何かをするにはお金が掛かるという社会の仕組みや現実を改めて伝えてくれたのはありがたいことだなって思います。

メンバーが伝えるとまたちょっと違う解釈になるし、事務所のスタッフさんが言うとトゲになるし。テレビの人だから伝えられる現実を、ちょうどいい伝え方で言ってくれたなと思いました。

竹中氏 あと、毛利さんが言ってくれた「本物の熱さを持っているものしか通用しない」っていうのは、メンバーに覚えておいてほしいです。僕らが番組を作るときも熱量を持って作らないと伝わらないので。「今あなたたちは本当にベストの熱さを持ってますか?」っていう問いをちゃんと毛利さんが突きつけてくれたのはうれしかったです。


僕はこの番組のプロデューサーとして半分くらいSKE48の内側に入っちゃってる人だからこそ、今回日本テレビの毛利さんが局の垣根を越えて来てくれて、一般的なメディアのプロの意見として一緒に伝えてくれたことをすごく感謝してますし、何で毛利さんと僕が並んで伝えたかったかがメンバーの皆さんに届いていればいいなと思います。

――今回の討論企画の放送が終わると、いよいよ最終回の放送になります。

竹中氏 「ゼロポジ」ってある時からメンバーを応援する番組になっていったんだなと思っていて。企画として何かの種目で戦いはするけど、そのなかでメンバーの良いところを見つけて応援する番組で、それをやったときにファンの皆さんが喜んでくれたんですよね。

メンバーの何かのきっかけになる番組を目指すことが、メディアの人間としてもそこに需要があるから応えなきゃと思ったし、本気でやっているSKE48を見て本当に好きになったから応援したいっていう2つの気持ちでやってきた番組なので、僕みたいに過度に踏み込んでしまう人間をSKE48という沼に引きずり込めるようなグループであってほしいと思います。

レギュラーとしては終了しますけど、グループが成長したらまたご一緒できる可能性ももちろんあると思いますし、「ゼロポジ」という番組をきっかけに、今ある仕事もいつか終わるかもしれないという危機感も持って、SKE48の活動が前向きになったらいいなということを最後まで願って終わりたいと思います。


大場 「ゼロポジ」さんがなければ大変な時期を乗り越えられなかったなってくらい、SKE48史上でめちゃめちゃ大事な時期をサポートしてくれました。「ゼロポジ」さんからイベントが増えていったりもして、「意外にマンゴー」(2017年)リリースのときに名古屋・東京同時ライブをしたり、楽しいがだだ漏れしているような空気感も一緒に作り上げていたなと思います。

映画を作ってくださったり、本当にいろんなことをサポートしてくれたから、SKE48のターニングポイントに携わってくれた「ゼロポジ」さんに、そのときを経験している現役メンバーがきちんと感謝をしていたらいいなと思います。OGになったからこんなに感謝できるのかな? それくらい大きな番組だったので。

これでさようならじゃなくて、それだけ大きな瞬間に立ち会ってくれた番組やスタッフさんと、どんな形でもいいから絶対にもう1回お仕事したいと思ってSKE48のみんなが頑張ってもう1回仕事ができたときに、きっと竹中さんも報われるんだと思います。

それは今日いた何人かのメンバーには伝えたので、それが広まっていって叶えばいいなって思っています。OGを代表して、ありがとうございました。

竹中氏:こちらこそありがとうございました。無念は、みんながナゴヤドームに立っている姿を見届けられなかったことですかね。やっぱり、SKE48が過去を超える瞬間を見届けたいというのは諦めてないです。いろんなアイドルグループを見ていても、SKE48にしかない魅力があるのは間違いないので、諦めないでずっとやっていれば、そのターンが来る可能性はあります。

料理に例えると、坂道グループがイタリアンとかフレンチで、SKE48がカツ丼だとしたときに、いつかカツ丼ブームが来るかもしれない。そのときのために、ちゃんと毎日おいしいカツ丼を作り続けられるかが勝負だと思います。

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