数年前から、海外からの逆輸入でシティ・ポップがブームになったり、Z世代を中心にSNSで昭和の歌謡曲人気が再燃したり…と、J-POPと呼ばれる以前の日本の音楽が意外な形で注目を集めている。そんな中、今年は注目すべき新たな動きがいくつも見られるので、今回は、そんな昭和歌謡ブームをさらに後押ししている4組のアーティストに注目してみたい。


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まずは、近年のシティ・ポップブームの火付け役とも言われているDJ/プロデューサーのNight Tempo。9月20日に、ニューアルバムをリリースするのだが、アルバムからの先行シングル『Shampoo(feat.Yu Hayami)』が話題だ。

1980年代を代表するアイドル早見優をゲストに迎え、早見が作詞、Night Tempoが作曲・プロデュースを手掛けたこの楽曲は、現在サブスクでも聴くことが出来る。アルバムへの期待値が高まる楽曲なので、Night Tempoおなじみの懐かしいテイストのイラストのジャケット共に楽しんで欲しい。

そんなNight Tempoは、11月に、日比谷野外大音楽堂にて、豪華ゲストを迎えた一夜限りの歌謡ショーを開催する。ゲストは早見優のほか、松本伊代渡辺満里奈野宮真貴という往年の歌謡曲ファンがワクワクするようなラインナップ。特に、渡辺満里奈のパフォーマンスが見られるのはかなり貴重だ。さらには、Night Tempoがプロデュースを手掛けるレトロポップユニットFANCYLABOの出演も決定。

FANCYLABOは、Night Tempoと元Maison book girlの矢川葵と元AKB48の市川美織という3人組。この夏は、SUMMER SONICにも出演して話題となった。彼らが今年4月に配信リリースした1stシングル『FLASH LIGHT』のジャケットは、Winkを彷彿させるような矢川と市川のイラストになっている。

続いて、Winkと言えば、代表曲『淋しい熱帯魚』をカバーしたClariSの動きにも注目したい。
結成当初のコンセプトが「21世紀のWink」だったClariSは、今年6月に、コンセプトEP『淋しい熱帯魚』をリリース。MUSIC VIDEOでも、Winkをオマージュしているほか、EPには、南野陽子の『はいからさんが通る』のカバーも収録されており、ClariSファンのみならず、80年アイドルファンにも刺さる内容になっている。

この秋には、Zepp DiverCityでの2DAYS公演も控えているので、2人のライブでの衣装やパフォーマンスにも期待していいだろう。

さらに、Wink繋がりで注目したいアーティストとして、ソロシンガーの武藤彩未も紹介しておきたい。アイドルグループさくら学院としての活動を経て、ソロアイドルとしてデビュー。ももいろクローバーZの佐々木彩夏と同級生だという武藤は、かつて、佐々木が主催するアイドルフェス「AYAKARNIVAL」に出演した際、佐々木と2人でWinkの『愛が止まらない』のカバーを披露している。

この選曲は、武藤がシティ・ポップや昭和歌謡好きを公言していたことによるものだろう。武藤はラジオ番組にゲスト出演した際に、好きな楽曲としてWinkはもちろんのこと、松田聖子や薬理丸ひろ子に加え、太田裕美やアグネス・チャンらを挙げ、昭和の音楽への熱い思いを語っている。

そんな武藤は7月に、アニメ「美味しんぼ」の主題歌として知られる中村由真の『Dang Dang 気になる』のカバーをリリースした。カラオケ映像を意識したようなMUSIC VIDEOも必見だ。

そして、最後に紹介したいのは、筆者イチオシのアーティストThe Biscats。モデルやファッション・プロデューサーとしても活躍するMisakiを中心とした2019年結成の3人組ロカビリーバンドである。


彼らが8月にリリースしたカバーアルバム『J-BOP SUMMER』の選曲がかなりツボを押さえたものになっているので是非チェックしてみて欲しい。久保田早紀の『異邦人』、チェッカーズの『ジュリアに傷心』、TOM★CATの『ふられ気分でRock’n Roll』、本田美奈子の『Oneway Generation』など「ザ・ベストテン」世代にはたまらない選曲となっている。

海辺のドライブやアウトドアで聴くのにもぴったりな1枚なので、こちらも是非サブスク等でチェックしていただきたい。

さて、今回ご紹介したのは、昨今の昭和歌謡ブームの動きのほんの一部である。昭和世代には懐かしく、そして、Z世代には新鮮に鳴り響く…、そんな昭和歌謡ブームはまだまだ続くだろう。次は、どの曲がリバイバルヒットするのか?今のアーティストにカバーされてヒットするのか?YouTubeやサブスクで、自分なりにそんなことを予想しながら掘ってみるのも面白いかもしれない。

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