日向坂46が出演したのは、TIFの象徴である野外ステージ「SMILE GARDEN」。これまで数々の伝説を生み出してきた「アイドルの聖地」とも言えるステージだ。
日が沈み、昼間に比べて暑さも少し和らいだ時間帯に「SMILE GARDEN」のトリとして日向坂46は登場した。OVERTUREが流れると、会場のボルテージは一気に上昇。お昼の気温と変わらないほどの熱気が「SMILE GARDEN」を包んだ。
日向坂46のチームカラーである「空色」のペンライトが掲げられ、夜にも関わらず、スマイルガーデンに“青空”が広がる。この光景を前に、日向坂46がTIFに新たな伝説を刻むことを期待せずにはいられなかった。
そもそも、日向坂46がTIFに出演するのは改名してからは初めてだが、けやき坂46時代から数えれば今回で3回目の出演となる。
1回目の出演は2016年、欅坂46のステージに合同で出演した。ステージ直後、自分たちのパフォーマンスに納得がいかずキャプテンの佐々木久美が涙を流しながらメンバーに喝を入れたエピソードはファンの間でも有名である。
実は1期生にとってTIFは、けやき坂46結成後、初めて欅坂46のパフォーマンスを観た思い入れ強いステージだったのだ。そんな憧れのステージで不甲斐ない姿を見せてしまったことが彼女たちにとっては許せなかったのであろう。
翌2017年にはリベンジとなる2回目の出演を“けやき坂46”として単独で果たす。この年は、2期生も加わり、日本武道館3Days公演を成功、単独アルバムリリースするなどグループとして大きな成長を遂げていた。そんな彼女たちは初日のトリを飾り、この1年で鍛え抜かれたパフォーマンス力で客席を盛り上げ、去年の雪辱を晴らしたのだ。
そして、3度目となる今年は日向坂46として気持ち新たにステージに立った。
OVERTUREが終わると、センターの小坂菜緒がメンバーの方を向き、指揮をとるような振りを行なうと7月17日にリリースされた2ndシングル『ドレミソラシド』をライブ初披露。イントロが流れると、この曲を待っていたかのように観客たちからは歓声が上がり、1曲目からステージは大きな盛り上がりをみせた。
東村芽依、丹生明里など満面の笑みでパフォーマンスするメンバーたちの姿は、観てるこちらもつられて自然と笑みがこぼれる。また、今回、メンバーの中では唯一TIF初出演となる3期生・上村ひなのも先輩たちに負けじと笑顔でライブを楽しんでいた。
続いて披露したのは『キツネ』。2ndシングルのカップリング曲であり、こちらも今回が初披露となる。『ドレミソラシド』『キツネ』共に、キャッチーで中毒性のあるフレーズと爽やかな曲調を持つ、まさに“王道アイドルソング”。
MCではキャプテンの佐々木久美が「おひさま(日向坂46のファンの名称)の皆さーん!」と呼びかけると、おひさま(ファン)たちは大きな歓声でメンバーたちの笑顔をさらに照らす。
続いて、今日の意気込みを振られた松田好花が「ファンの皆さんと今日イチの盛り上がりにしたい」語った後に3曲目の『JOYFUL LOVE』が始まる。グループのキャッチコピーである“ハッピーオーラ”溢れる曲をスマイルガーデンの夜空に響かせた。
続くMCで齊藤京子がTIFの思い出を話し4曲目にいこうとすると、佐々木久美が「皆さん、あのコールの準備は出来ていますかー!?」と観客を煽る。この煽りこそが日向坂46の真骨頂でもあり、ライブに強いと言われる彼女たちの武器なのだ。それに歓声で応えると、デビューシングル『キュン』がスタート! 先のMCで松田好花が意気込んだ通り、今日イチの盛り上がりをみせた。
勢いそのままに最後の曲である『NO WAR in the future』へ。これまでの楽曲とは違ったクールな曲で観客を魅了した。メンバーたちの笑顔輝くパフォーマンスと多彩な楽曲でその場にいたアイドルファンの心を掴んだ日向坂46。
パフォーマンス後、佐々木久美が「おひさまになってくれましたかー!?」と聞くとスマイルガーデン全体から「イエーイ!」と大きな声が上がった。
3年前に不甲斐ない姿を見せてしまったと涙したTIF。
この日、紛れもなく日向坂46がスマイルガーデンに新たな伝説を生み出したのだ。
▽TIF2019 日向坂46「SMILE GARDEN」セットリスト
M1 ドレミソラシド
M2 キツネ
M3 JOYFUL LOVE
M4 キュン
M5 NO WAR in the future