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WBCでは侍ジャパンが優勝し、大谷翔平・吉田正尚ら日本人メジャーリーガーが日本国内でも話題をさらった2023年の球界。今年3月、MLB全試合を中継するABEMA TVで「ABEMA BASEBALL SPECIAL SUPPORTER」に選ばれたのが黒見だった。その仕事は宣伝役にとどまらず、試合中継でしばしばゲスト解説も務めるように。すると、彼女が解説で見せる知識量や研究熱心ぶりが注目され始めた。
黒見が解説の度に持参しているのが、「黒見ノート」という詳細なデータブック。彼女が調べ上げたMLB選手の特徴――経歴や、配球の特徴や最近の打撃成績、プレースタイルなどを緻密にまとめたものだ。大谷ら日本人選手だけではなく、試合をする球団の全選手に関するデータを網羅して解説に臨んでいる。MLB30球団の、日本では無名の選手に至るまで情報を集めてきた黒見の熱量、それだけで彼女の野球愛がうかがえる。
これだけのリサーチを活かして、中継ではプロの解説者やアナウンサーとも濃密なMLBトークを繰り広げてきた。初めて解説を務めた4月22日のエンゼルス―ロイヤルズ戦では、先発登板した大谷が、ピッチャー前に飛んだ打球をあえて見逃して併殺を誘ったプレーに注目。この試合のベストプレーに挙げ、解説の里崎智也氏が「このシーンを選ぶのは、もう通ですね。
また、黒見ノートをもとに選手の特徴や面白い話題をリポートすると、その選手がホームランを打つという、「くろみんリポート」にまつわるジンクスも生まれて話題を呼んだ。
もともと野球好きで、ゲーム『プロ野球スピリッツA』のヘビープレイヤーでもあった黒見。22年にそのプロスピAの大会「eBASEBALLプロスピAリーグ」スペシャルサポーターに就任した前後から、野球好きを活かした活動が着実に増えていった。実は黒見ノートのような緻密なメモも、このプロスピAリーグで解説を担当していた時からの習慣でもある。
『乃木坂46時間TV』で前出の里崎氏のものまねを披露すると、これが縁で同氏がYouTubeチャンネル『乃木坂配信中』で黒見ら野球好きメンバーを指導する動画が実現。黒見本人もグループ内で結成した『乃木坂野球部』メンバーに加わり、ユニット曲として『Never say never』を歌唱するに至っている。
他の野球部メンバーは、それぞれ地元に縁のあるひいき球団を持っている。久保史緒里の東北楽天、柴田柚菜の千葉ロッテ、向井葉月の埼玉西武、金川紗耶の北海道日本ハムという具合だ。そんな中で、特定のひいきチームを持たないながら博識ぶりやMLB通を活かして加わった黒見は、乃木坂野球部の「国際派」としてユニークな存在になっている。
もちろんNPBもウォッチしており、推し選手はオリックスの中川圭太。これが縁となってか、今年の『真夏の全国ツアー2023』神宮球場公演では乃木坂野球部メンバーとして、オリックスのユニフォームを着て『Never say never』を披露することができた。
黒見は乃木坂46加入後、特に22年から23年にかけて多角的にキャラクターを開花させている。ひとつは初めての後輩になった5期生への面倒見がよく親分肌なところだ。『乃木坂工事中』(テレビ東京系)でその様子を「先輩風を吹かせている」と林瑠奈がコミカルにものまねして大いに受け、「最近どうよ?」という後輩へかける口癖が黒見を象徴するワードになった。
また、大学の学生証の写真映りがカマキリのようになっていることも同番組の「B級ニュース大賞」でネタになり、カマキリのイメージが定着。今年2月の秋元真夏の卒業コンサートで、カマキリの着ぐるみを着て登場するシーンも作られるに至った。
香港生まれの帰国子女で英語・中国語(北京語・広東語)・日本語のトリリンガルでもあるので、黒見が加入当初にアピールしていた特技はカンフー、憧れの人はブルース・リーという、出身地を活かしたシンプルにわかりやすいもの。その頃はゲームや観戦だけだった野球との縁が、仕事をきっかけにどんどん深くなっていった。黒見ノートなどの努力によって、もはやいちファンの域を超えんばかりの野球通ぶりを強みにしている。MLBに詳しくなったのも、彼女の語学力あってのことだろう。
乃木坂46の“帰国子女”キャラクターには清宮レイと北川悠理がいて『乃木坂配信中』でも2人で英語を活かした動画を配信していたが、北川が23年6月に卒業したために少しさびしい状況に。現役大学生で語学も日々勉強している黒見にも、清宮とともに語学を活かして、新しいネタを供給してくれることを期待したい。
プロも舌を巻く野球通・面倒見のよい先輩・陽気なトリリンガル・カマキリ…と乃木坂で過ごす日々の中でどんどん持ち味を増やしてきた黒見。
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