【写真】『ウルトラマンデッカー』ヒロイン・村山優香の撮りおろしカット【10点】
──村山さんがこの世界に入ったきっかけから教えていただけますか?
村山 小学5年生のときに、お母さんと東京に遊びに来ていたタイミングでスカウトされました。それまでは芸能に興味があったわけじゃなくて、パティシエかファッションデザイナーになるのが夢だったし、人前に出るのも大の苦手でした。誰が見ても人見知りというぐらいの人見知り代表で、幼稚園の頃はお母さんと一緒に散歩しているときも、人が怖くて普通に歩けなかったんです(笑)。
──筋金入りですね(笑)。
村山 もうお猿さんみたいにお母さんの足にしがみついて歩いていたらしいです(笑)。知り合いや親戚とすれ違ったときに、お母さんに「挨拶しなさい」と言われても、ずっと黙り込んでしまって。だから家族や親戚には、いまだに芸能活動をやっていることが信じられないと言われますね。
──今話している印象だと、大人しくて人見知りだったとは想像がつかないくらいです。
村山 いつの間にかおしゃべりになっていたし、性格も変わったと言われます。でも映画の舞台挨拶とかだと、人見知りだった頃の自分が出てしまって、本番前は手が震えるぐらい緊張しますよ(笑)。
──スカウトされたとはいえ、よく芸能界に入ろうと決心できましたね。
村山 心のどこかにキラキラした世界で活躍したいというのがあって。というのもファッションが大好きだったので、『ニコ☆プチ』を愛読していて、モデルになりたいと思っていたんです。家族が「興味があるならやりなさい。嫌だったら辞めていいよ」と言ってくれたので、軽い気持ちで始めました。
──最初は俳優志望ではなかったんですね。
村山 事務所に入って、すぐに演技レッスンに呼ばれたんですけど、人見知りだから少人数のレッスンでも苦手で。ましてや台本をその場で読むなんて恥ずかしいから、お芝居にも苦手意識がありました。実際、中学1年生のときに、1年ぐらい活動を休止したんです。でも辞めたら辞めたで、毎日のように「やっぱりお芝居をやりたい」って思うようになって、芸能活動を再開しました。お芝居って深くて難しいからこそ、やりがいも感じていたんですよね。
──いくつぐらいから、今のように喋れるようになったんですか?
村山 本当に最近で、『ウルトラマンデッカー』に出ることが決まってからです。それまではオーディションでも喋れないし、こういうインタビューも苦手でした。
──なかなか大きいチャンスに恵まれない期間に、不安や葛藤はありましたか。
村山 ずっと焦りはありました。オーディションって受かるときはポンポンって連続で決まるんですけど、受からないときって本当に駄目で……。このまま続けていいのかな、でもここにいたいし、みたいな。もちろん、その不安は今でもありますけどね。ただ高校卒業後の進路を考える時期には、この世界でやっていくことに迷いはなくて。とりあえず30歳ぐらいまでは続けよう、それで芽が出なかったら改めて考えようと。
──過去のインタビューで、自分の弱点や目標をノートに書き出していると答えていたのが印象的でした。
村山 「こういう女優さんになりたいから毎日筋トレする」とか、「体作りのためにサラダとリンゴを毎日食べる」とか、結構くだらないことも書いているんですよ(笑)。実際、書いただけで全然できてないこともありますし。
──特撮ヒロインになることも夢だったそうですね。
村山 私が小学生の頃に、ちょうど弟が世代だったので、『仮面ライダーオーズ/OOO』(2010年放送)を家族で観ていて。すごくかっこ良かったので、それ以来、心のどこかで特撮ヒロインになりたいと思っていました。
──『ウルトラマンデッカー』以前で、特に印象的なお仕事は何でしたか?
村山 『お雛様のヘアカット』という短編映画です。この作品で、ローマ国際映画賞の最優秀女優賞を受賞させていただいて、すごくうれしかったです。
(取材・文/猪口貴裕)
▽村山優香(むらやま・ゆうか)
2003年2月19日生まれ、茨城県出身。
2015年に映画『忘れ雪』で女優デビュー、『ウルトラマンデッカー』でブレイクを果たす。今年4月には初の写真集『MY~輝く瞳~』(彩文館出版)も発売した。
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