ある日突然、イケメン社長と偽装結婚することになったり、一般庶民の女の子が大財閥の御曹司と恋に落ちたり……。ドラマの世界では、現実的に考えるとありえないラブロマンスが度々描かれる。
けれどありえないからこそ、心のどこかで憧れを抱いてしまうのも事実ではないだろうか。10月から放送が始まった秋ドラマにも、そんな少女マンガ的な作品がいくつも存在する。

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10月4日深夜から放送が始まった『推しが上司になりまして』(テレビ東京系)は、まさに王道の胸キュンロマンスだ。同作はマンガ・森永いと、原作・東ゆきによる同名コミックスを原作にしたドラマで、文字通り主人公の“最推し”が会社の上司となって現れるところから物語が紡がれていく。

主人公・中条瞳を演じるのは、元「℃-ute(キュート)」のメンバー・鈴木愛理。そのお相手役である高城修一を「GENERATIONS from EXILE TRIBE」の片寄涼太が務めている。


修一は元2.5次元俳優にして、その正体は御曹司という設定盛り盛りの役どころ。瞳にとって彼は生きがいであり、手の届かない存在だった。そんな推しが、もし会社の上司となって現れたら……。そして恋に落ちるようなことがあったら……。

現実的にはあり得ないと思いつつも、誰もがそんな妄想を一度は膨らませたことがあるはずだ。そういった意味でいうと『推しが上司になりまして』は、推しがいる全女性の夢を叶えた作品といえるかもしれない。


ちなみに10月6日時点の「Tver」ドラマランキングは第2位、総合ランキングでは第3位に同作がランクインしている。すでに多くの女性が、共感できる要素がてんこ盛りの“ジレきゅん”ラブコメに興味を注いでいるようだ。

イケメンとの同棲生活から始まる展開は、今やラブコメ作品の王道になりつつある。橋本環奈主演のドラマ『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)も、2023年7月期のドラマ『ウソ婚』(フジテレビ系)もイケメン社長との仮初めの同棲から始まり、やがて本当の恋愛へと発展していった。

そして10月19日深夜より放送が始まるドラマ『帰ってきたらいっぱいして。』(読売テレビ)も、そんな王道設定で真っ向勝負。
恋愛経験がほぼないアラサーのティーンズラブ女性作家が、“参考資料”としてハイスペックイケメンと同棲生活を始めるという、何とも非現実的でドキドキするシチュエーションから幕を開ける。

「Aぇ! group」の小島健が演じる高城直哉は、一流企業で働くイケメンだが、女関係にはだらしない年下のクズ男。原作マンガでは日々女の子と関係を持ち、「俺は俺のことが好きな女の子が好き」「両想いなら合法的に触ってよし」というクズ理論を平気で振りかざすような男で、そんなイケメンクズ男をアイドルである小島がどこまで再現できるかが一つの見どころになってくる。

ちなみに公式サイトに掲載された小島のキャストコメントによると、「他ではなかなか観られない刺激的なラブストーリーとなっています」「Aぇ! groupのメンバーが出演した作品では過去一で攻めてる作品」とのこと。……期待は高まるばかりだ。

突然始まる同居生活つながりでいえば、10月7日より放送スタートした『猫カレ -少年を飼う-』(BSテレ東)の存在も忘れてはならない。
同作は30歳の独身OLと16歳の猫系男子の同居生活を描いたホーム・スイート・ヒューマンドラマ。主人公の森川藍を石川恋、とびきり綺麗な16歳の少年・遠野凪沙を齋藤潤が演じている。

キャリアウーマンと美少年の同居生活というと、2003年に放送された小雪&松本潤のW主演ドラマ『きみはペット』(TBS系)を思い出す人も多いだろう。同作は小雪演じる主人公がある日、段ボール箱に入った傷だらけの美少年を拾い、モモと名づけてペットとして飼う……というストーリーだった。

「モモ」というのは、主人公が昔飼っていた愛犬の名前。“モモに似ている”との理由からその名がつけられたのだが、彼自身も無邪気な性格でどこか人なつっこい、いわば“犬系男子”だ。


対して『猫カレ』の遠野凪沙は、犬ではなく気難しい猫系男子。モモほど人なつっこいわけでもなく、笑顔もそれほど多くはないが、だからこそたまに見せる甘い仕草に女性はキュンキュンしてしまうはず。あくまでヒューマンドラマなので少し重めの雰囲気だが、『きみはペット』のモモとはまたひと味違った猫系男子の魅力にぜひ触れてみてほしい。

秋の恋愛ドラマは、少女マンガ的展開が目白押し。寒い冬に備えてときめきを補給しておこう。

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