【写真】フレッシュな20歳・秋田汐梨 全身ショット【5点】
──姿かたちを変えながら生きている若者と、それを見破ることができる若者という不思議な世界観の物語です。秋田さんは始めに内容を聞いた時にどう感じましたか。
秋田 私も不思議な世界観の話だなと思いました。お話を読んだだけでは「これをどうやって舞台で表現していくんだろう」と想像ができなくて、どんな作品になるのかがすごく楽しみになりました。
──稽古期間を通して世界観への理解は深まりましたか。
秋田 本読みの期間にキャストのみんなで作品について話し合ったり、セリフの意味を深く掘り下げていったりした中で新しい発見もありました。始めは自分で「こういうシーンかな」と想像をしながら読んでいくんですが、稽古が始まって、シーンの雰囲気が想像していなかったものになると、自分のセリフの言い方も変わってくるんです。自分の想像とは全く違うところも出てきたりして、面白い発見がたくさんあります。
──今回の作品を通して、見た方にどんなメッセージを受け取ってもらいたいですか。
秋田 見る方によって捉え方とか感想が違う作品になると思います。現実の世界でも起こっているようなテーマも盛り込まれているんですが、世の中に対して思っていることは人によって違うと思うし価値観は人それぞれあると思うので、「みんな違っていい」ということを感じてもらえたらうれしいです。
──共に本作で主演を務める石井杏奈さんの印象はいかがですか。
秋田 私の勝手なイメージで大人しい方なのかなと思っていましたが、みんなで盛り上がる時は盛り上がるし、よく笑う方なんだなと感じました。お姉ちゃんのような雰囲気というか、自分の意見をきちんと持った、芯のある大人の女性という印象もあります。プライベートについてもっと掘り下げてみたいなとも思っています(笑)。
──秋田さんは2021年の舞台『目頭を押さえた』で初めて舞台に挑戦して以降、様々な経験を重ねてきたかと思いますが、舞台での演技に関してはどのような思いがありますか。
秋田 舞台に立つこと自体に緊張することはなくなってきました。ただ、作品によって作り方も違うので、いつも稽古が始まるまでは「どんな稽古でどんな舞台になるんだろう」という不安はあります。
──出演者の立場では、映像作品と舞台作品ではどのような違いがあると思いますか。
秋田 舞台は稽古があるので、同じシーンに対して色々なことを試す期間があるんです。役を作り上げる期間が長い分、自分でより納得行く形を探っていけるところがいいなと思います。
映像では話の順番通りに撮らないこともありますが、舞台は順を追って演じることで、気持ちの面で繋がりやすいというところもあって、ありがたいです。
──本作は、年齢も性別も違ういくつもの人生を、いくつもの顔をもって同時に生きる特異な人々が登場する物語ですが、秋田さんは自分自身について、他の人とは違うと感じていることはなにかありますか。
秋田 私は1人だと無駄な時間を過ごしてしまうので、予定のない休みがすごく嫌なんです。今お姉ちゃんと一緒に住んでいるんですが、お姉ちゃんは「1人でどこかに行けばいいじゃん」と言うんです。でも1人では行きたくなくて。だけど誘う勇気も出ない(笑)。これはあまり理解されたことがないかもしれません。
──1人で出かけることも誘うこともできないんですね。
秋田 他にもあります。高速道路で車から窓の外を見ながら木の数を数えちゃうんですが、それが奇数で終わると嫌なんです。意味がわからないと思うんですけど(笑)。
──わからなくもない気がします。
秋田 あ、本当ですか。終わる時に偶数だとうれしいんですよね。
──ありがとうございました。最後に改めて、公演に向けての現在の思いを聞かせてください。
秋田 まだ稽古の途中なので、どんな風に完成するのか私自身も楽しみです。「そういう演出の仕方があるんだ」と驚くような演出もあるので、イメージを聞いているだけでもワクワクします。見る人によって様々な感じ方をしてもらえる作品だと思っているので、何回でも見に来ていただいて、いろんな視点からの感想を聞かせてもらえたらうれしいです。
ネット上に書いてくださる方も多いので、それを見て「今日のお芝居だったらこう伝わるんだな」と発見に繋がっていくことも、私にとっての楽しみの1つです。
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