吉岡里帆&永山瑛太主演ドラマ『時をかけるな、恋人たち』(フジテレビ)の最終回となる第11話が、12月19日(火)に放送された。

【写真】第二章がスタート、『トキコイ』第6話場面カット【6点】

前回のエピソードでは、タイムパトロール隊員・天野(伊藤万理華)に書き置きを残したり、広瀬(西垣匠)や若葉(田中真琴)にキックボード型タイムマシンを渡したり、怒涛の伏線回収が炸裂。
どうにかこうにか“辻褄合わせ”をコンプリートした廻(吉岡里帆)だったが、航時法違反の罪を犯したことが監査員(津田寛治)にバレてしまい、彼女の記憶は消去されてしまう…。(以下、放送されたドラマのネタバレを含みます)

…と思ったら、それは監査員を騙すためのフェイク!彼女の記憶は1ミリも消去されていなかった。隊長の和井内(石田剛太)やメカニック担当の八丁堀(シソンヌ・じろう)の機転によって、記憶消去装置のフォゲッターに細工をしていたのだ。「忘れるのもつらいですけど、忘れさせるのもつらいですから」という天野の言葉がシビれる。タイムパトロール隊、仕事はあまりできないかもしれないけど、最高にお人よしで、最高にいい奴ばっかじゃんか。今まではいっさい見せることのなかった、天野の笑顔が脳裏に焼きついて離れない。


タイムパトロール隊と別れ、廻には今まで通りの日常が戻ってくる。広告代理店アド・アモーレのアート・ディレクターとして、仕事に邁進する日々。広瀬と若葉は無事に結婚。初恋の人・諸星(ラランド・ニシダ)は、リリリー(夏子)と付き合うことになったらしい。ふと気がつくと、翔(永山瑛太)のことを思い出してしまう。「記憶を消されるのは辛いことだけど、残っているのもまあまあ辛い」。
思わずそんな心の声が、口をついて出てしまう。

思い出のベンチでそんなことをぼんやり考えていると、隣にはなぜか翔の姿が。<伝説の恋人>として指名手配されているマギー&キケロがテロ騒ぎを起こし、そのどさくさに紛れて、時の牢獄を抜け出してきたというのだ。再会を喜ぶのも束の間、2人はタイムパトロール隊の作戦室に連れ戻されてしまう。

大事なのは、過去でも未来でもなく、“今”

脱獄はさすがにヤバすぎると、速攻で未来に帰ることを勧めるタイムパトロール隊員たち。すると未来から通信が入り、令和人の諸星(ラランド・ニシダ)と23世紀人のリリリー(夏子)が結ばれてしまったことが報告される。
しかも彼らの子孫にあたる人物が、隊長の和井内だというのだ。彼は時をかけたカップルの子孫であり、これによって過去人と未来人の恋は歴史的に正当化された。

まさか最後の最後で、隊長の出生が物語に大きく関与することになろうとは。調査したら和井内の出自はあっさり判明しそうだが、まあそれにツッコむのは野暮として、そんな人物がタイムパトロール隊を率いていたというのは、ちょっと胸アツな展開ではないか。そして廻と翔はその場を離れ、自分たちがマギー&キケロであることに気づき、古着屋で黒ずくめの服をゲットして、恋の逃避行を続けることを決意する。

2人がタイムトラベルを通して気付かされたのは、大事なのは過去でも未来でもなく、“今”であるということ。
そしてそのテーマは、古今東西のSF映画で扱われてきたモチーフでもある。『時をかけるな、恋人たち』はロマンティックでコメディ・タッチのドラマだが、その屋台骨を支えていたのは、実に王道な作劇だったのだ。個人的にそれは、とっても嬉しかったりする。

遂にラストを迎えた、<人類史上最高の恋>。素晴らしいドラマをつくってくれたキャスト、スタッフの皆様に大感謝!であります。

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