【写真】1月からスタートした飯テロアニメ2本
まず全26話の放送を予定している『ダンジョン飯』。
ライオスはお金を節約するため、一刻も早くファリンを救出するため、迷宮内に生息するモンスターを食料にして腹を満たすことを提案して迷宮に入る。そこで魔物食を長年研究しており「レッドドラゴンを料理するのは長年の夢だったのだ」と話すドワーフ・センシをパーティーに加える。そして、ライオス一行は遭遇するモンスターを食べながらファリンの救出を目指すファンタジー作品。
『ダンジョン飯』同様に異世界の食材を調理して美味しくいただくアニメと言えば、2023年1月に放送された『とんでもスキルで異世界放浪メシ』が挙げられる、『とんでもスキルで異世界放浪メシ』では、主人公のムコーダは異世界に送り込まれた際に“ネットスーパーを利用して商品を購入できる”というスキルを授かる。その後、現実世界で実際に売られている調味料などを使用して、異世界で捕えた食材を用いた「レッドボアの生姜焼き」「ロックバードの親子丼」といった料理を作っていく。同作は食材が“異世界産”ではあるが、調味料はなじみ深いものばかり。味はある程度想像でき、視聴中はしっかりよだれを口の中でたらすことができる。
しかし、『ダンジョン飯』は食材も調味料も全て異世界産。1話では大サソリや歩き茸などを材料にした「大サソリと歩き茸の水炊き」が登場。高級食材らしい干しスライムも入っており、具材たっぷりの今の時期にピッタリな鍋料理ではあるが、その見た目はお世辞にも「美味しそう」とは思えない。
そこまで食欲を駆り立てられるわけではない『ダンジョン飯』とは異なり、『姫様“拷問”の時間です』はド直球である。魔王軍と対峙する国王軍第三騎士団長を務める通称・姫様は魔王軍の捕虜になってしまう。魔王軍の拷問官・トーチャーから国王軍の機密情報を吐き出させるため、日夜拷問に遭うという内容。本作はギャグ漫画のため拷問は血なまぐさいものではない。とはいえ、かなり非人道的なものばかり。
1話は重りを足につけた姫様の前でトーチャーはこんがりと焼けたトーストをいい音を鳴らしながら食べ進める。何とか姫様も粘りを見せるが、ビーフシチューを食べた後の容器を持ち出し、容器についたビーフシチューにトーストをディップして食べるという至高の食べ方を見せつけ、姫様を「話し……ます」と観念させた。トーストだけではなく、その後もたこ焼き、コッテリ濃厚ラーメンを姫様の前で食べるという残酷すぎる所業を見せて次々と機密情報を聞き出していく。
2話では飯テロではなく拷問のアプローチが変わる中、3つ目の拷問は『コアラのマーチ』を思わせる『ゴリラのマーチ』をトーチャーが軽快に口の中に放り込むというもの。一粒一粒の絵柄を確認せずに口の中に投げ込んでいくトーチャーの無慈悲さに、心を痛めた姫様はまたしても屈してしまう。ただただ「美味しそう」という気持ちだけで引き付けるのではなく、食べ物を使用しながらも別の誘い方をするトーチャーはやはり魔王軍の実力者。
空腹を駆り立てる名言と言えば、『賭博破戒録カイジ』内での「キンキンに冷えてやがるっ…!」 「あ、ありがてぇっ…」 「涙が出るっ…」 「犯罪的だ…うますぎる・・」 「染みこんできやがる…体に…」が真っ先に挙げられるが、 『姫様“拷問”の時間です』でもこの名言と双璧をなすようなパワーワードが飛び出すかもしれない。美味しそうなご飯の作画だけではなく、セリフも美味しくいただきたいと思える。2つの違う感情を与える飯テロアニメを今後も楽しみにしたい。
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