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『マルス-ゼロの革命-』は、ゴールデン帯の連ドラ初主演の道枝駿佑が主人公・美島零(みしま ぜろ)を演じる、青春”クーデター”サスペンス。零はカリスマ的な存在感を放つ転校生であり、動画投稿で社会に一石を投じていると話題の「マルス」張本人でもあった。
1話では、桜明学園高校の3年生で、いじめを受ける逢沢渾一(板垣李光人)を救うため零が行動に出た。逢沢に対して「問題解決ができたら言うことを聞いてもらう。できなかったら何でも聞こう」と交渉を持ちかけたのだ。結果、逢沢の問題解決だけでなく動画集団【マルス】として、今作のヒロインである貴城香恋(吉川愛)ら仲間を引き入れることにも成功した。
注目すべきはやはり主演の道枝の演技だろう。過去には、ドラマ『消えた初恋』(2021、テレビ朝日)や『金田一少年の事件簿』(2022、日本テレビ)のほか、前クール『マイ・セカンド・アオハル』(2023、TBS)に出演。所属するアイドルグループ「なにわ男子」のなかでも演技の仕事に重きを置いているが、今作でさらに俳優として階段を登ることになるのか。
さらに板垣李光人や吉川愛をはじめ、井上祐貴、泉澤祐希、横田真悠、山時聡真ら【マルス】を担う若手俳優の活躍にも注目したい。
反町隆史主演の『グレイトギフト』は、『ラストマン-全盲の捜査官-』(2023、TBS)や『マイファミリー』(2022、TBS)など、数々のドラマを手掛けた黒岩勉のオリジナル脚本によるサバイバル医療ミステリー。
大学病院を舞台に、主人公である病理医・藤巻達臣(反町)が発見した殺人球菌「ギフト」による殺人事件が発生するところから、物語は動き出す。藤巻はうだつの上がらない病理医という設定だが、「ギフト」の発見によって図らずも権力闘争に巻き込まれていく。反町のおどおどして口ごもる演技は意外ともいえる。
数ある出演作のなかでも、同局のドラマ「相棒」シリーズを代表作に挙げる人は多いだろう。『グレイトギフト』制作発表会見では、反町自身も「”相棒”から来ました」と発言。テレビ朝日としては「相棒」以来のドラマ出演であり、キャラクターの違いを見て驚いた人も多いはずだ。
ドラマには波瑠や佐々木蔵之介、尾上松也、津田健次郎、明日海りお、倉科カナなどさすがといった面々が揃う。役者の演技に信頼が置けるからこそ、殺人球菌を作った人物や、一連の殺人事件の犯人は誰なのか、またどのような背景があるのかという展開が重要になるだろう。
櫻井翔主演ドラマ『大病院占拠』のシリーズ第二弾となる『新空港占拠』。『大病院占拠』から1年後という設定で、神奈川県初の国際空港「かながわ新空港」が武装集団によって占拠される物語を描く。
櫻井演じる武蔵三郎の妻、裕子(比嘉愛未)や管理官の和泉さくら(ソニン)ら馴染みのあるメンバーが再登場。さらに、『大病院占拠』では情報分析官として武蔵らとともに事件解決に尽力していた駿河紗季(宮本茉由)が今回は武装集団のひとり、”蛇”として今回は武蔵と対峙することに。
『大病院占拠』を知っていたほうが登場人物に馴染みがあったり、比較したりできるだろうが、物語としては独立している。今作から視聴しても問題なさそうだ。ただ前作同様、話数を重ねるごとに武装集団に扮している俳優が明かされることもあり、まだ謎も多い。
いずれの作品もサスペンスやミステリー要素を軸に置きながら、社会的なメッセージを忘れていない。高校生、医者、警察などさまざまな立場や角度から現代を捉え、社会に蔓延る問題を提示し、エンタメとして昇華させている。それぞれの作品に秘められた謎を解くのも良し、深いメッセージを読み解くのも良しで、多角的に楽しめそうだ。
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