興行収入25億円を突破している大ヒット映画『ゴールデンカムイ』の続編が、WOWOWのドラマシリーズとして制作されることに決定。『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』と題し、今秋から放送・配信される。


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新登場するキャラクターたちの情報も解禁され始めているが、そのなかでも注目に値するのが、インカラマッ(※ラは小文字が正式表記)の役を演じる高橋メアリージュンだ。実写化作品で度々発揮してきたその演技力によって、ハマリ役になる気配がすでに漂っている。

高橋はモデル出身ながら、映画やドラマに多数出演しており、『隣の家族は青く見える』や『私の家政夫ナギサさん』、『あなたには帰る家がある』など、さまざまな作品で存在感を発揮してきた。とくに印象深いものを挙げるとすれば、2017年に放送された『コウノドリ』(TBS系)の第2シリーズが思い浮かぶ。

そこで高橋が演じたのは、産後うつに苦しむキャリアウーマンの女性・佐野彩加。早々に仕事に復帰したいという焦りから追い詰められていく様子を表現し、多くの視聴者の感情移入を誘っていた。


さらに強烈な演技としては、実写版『闇金ウシジマくん』シリーズにおける“サイハラさん”こと犀原茜を忘れることはできないだろう。犀原はコワモテの男性を引き連れ、血も涙もない取り立てを行うアウトローの金貸しで、裏社会に君臨する“女傑”のようなキャラクターだった。本編のドラマや劇場版に登場しているほか、2022年には彼女を主役に据えたスピンオフ『闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん』(TBS系)も放送されている。

普段はダウナーで物静かだが、スイッチが入ると怒鳴り散らしながら暴力性を発揮することもある……。そんな狂気に満ちた危険人物を、高橋は見事に演じきっていた。なお犀原は実写版のオリジナルキャラクターで、元ネタとなった原作キャラとは性別が変わっている。
原作ファンからの反感を買ってもおかしくない設定だが、高橋の演技にはその改変を受け入れさせるほどの迫力がみなぎっていた。

さらにインカラマッ役に関係する実写化作品として、2014年に公開された映画『るろうに剣心 京都大火編』と『るろうに剣心 伝説の最期編』にも言及しておきたい。そこで高橋が演じたのは、明治政府転覆を目論む志々雄真に心酔する女性・駒形由美の役柄だった。

駒形は吉原の元花魁という設定で、胸元まで和服をはだけさせた見た目をしており、佇まいから所作に至るまで色気たっぷり。しかし実は明治政府に人権を蹂躙された暗い過去をもち、志々雄を一途に愛するというギャップも併せ持っているキャラクターだ。駒形役を演じた当時の高橋は20代だったが、その大人っぽい魅力を見事に再現していた。


そもそも同映画は登場人物が多いため、脇役である駒形のセリフ量はかなり少なかった。それにもかかわらず、観る者に強烈な印象を残しているのは、ひとえに高橋が醸し出す独特な存在感があってこそではないだろうか。しかもこの時の高橋は難病の治療中だったというので、その役者魂にも驚かざるをえない。

ドラマシリーズ『ゴールデンカムイ』で高橋が演じるインカラマッは、美しい見た目で、キツネの頭蓋骨を使った占いを得意とするミステリアスな女性。いわば“魔性の美女”なので、『るろうに剣心』の時を髣髴とさせるような活躍を見せてくれるかもしれない。

映画『ゴールデンカムイ』では舘ひろし演じる土方歳三や玉木宏演じる鶴見中尉など、多数のハマリ役が生まれているが、ドラマシリーズではそれを凌駕するほどの化学反応に期待したい。


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