3月16日(土)・17日(日)の2日間にわたり神奈川県ぴあアリーナMMにて開催された「AKB48春コンサート2024 in ぴあアリーナMM」。16日に柏木由紀の卒業コンサートを終え、倉野尾成美が4代目AKB48グループ総監督に就任し新たなスタートを切った。


【写真】サプライスでお披露目された19期生とコンサートの模様【20点】

17日の昼公演は「AKB48春コンサート2024 in ぴあアリーナMM 昼の部 ~未来が目にしみる~」と題し、“入学式”をコンセプトに倉野尾率いる新体制となったAKB48をお披露目した。

オープニング映像では、AKB48メンバー一人ひとりを名前とともに紹介。『Overture』から熱い声援に包まれる中、扉が開くようにスクリーンが2つに割れ、倉野尾がステージに登場。総監督の象徴であるメガホンで「ワン・ツー・スリー・フォー!」と叫び、コンサートは『始まる。』から勢いよくスタートした。

初代AKB48グループ総監督・高橋みなみに贈るチームA「M.T.に捧ぐ」公演(2016~2018年)のオープニング曲であり、当時は2代目総監督の横山由依の掛け声で披露していた同曲。
倉野尾を中心に、17日のために用意された色とりどりの新衣装に身を包んだメンバーが迫力のパフォーマンスで魅せ、総監督の継承と新体制のAKB48を印象づけた幕開けとなった。

続いて『言い訳Maybe』や17・18期研究生のオリジナル楽曲『あの夏の防波堤』などアップテンポなナンバー4曲で会場の熱気を高めると、冒頭のMCでは倉野尾が「このたび、4代目AKB48グループ総監督に就任しました、倉野尾成美です! 今日から新たなAKB48のスタートだと思っているので、メンバー一同気合い入れて準備をしてきました。最後まで応援よろしくお願いします!」と挨拶。また、61stシングル『どうしても君が好きだ』のMV監督であるNANASARI TAMURA (KIENGI)氏がオープニング映像を制作したことを明らかにした。

ユニットパートでは、加入期ごとに分かれて7曲をパフォーマンス。17期研究生は、3月13日(水)発売の63rdシングル『カラコンウインク』に収録の17期研究生オリジナル楽曲『パパに言えない夜』を、18期研究生は同じく63rdシングル収録の18期研究生初のオリジナル楽曲『マチビト』をファンの前で初披露した。


ここで、突如スクリーンに映像が!入学式の朝を彷彿とさせる情景から始まると、AKB48に新たに加入する第19期生の伊藤百花・川村結衣・白鳥沙怜・奥本カイリ・花田藍衣を次々と紹介。桜が満開の校門に5人が並び、伊藤が桜の花びらをつかむシーンで映像が終わると、本人たちがステージに登場。第19期生のお披露目というサプライズに会場からは大きなどよめきが起こった。

平均年齢約17歳というフレッシュな新メンバーで『ギンガムチェック』を元気いっぱいにパフォーマンスし、鮮烈なデビューを飾った。山内瑞葵は「すっごく可愛かったですし、お披露目で『ギンガムチェック』を披露するって…私たちでも難しい曲なのに、お披露目とは思えないくらい堂々としたパフォーマンスで最後まで披露してくれて、AKB48の未来がより楽しみになりました。」と大絶賛し、倉野尾も大きく頷いた。

MCではキラキラの笑顔で自己紹介。
落語が趣味だと語る伊藤は「寄席に行ったりもしますし、下手っぴなんですけど自分で話すことができます!」と笑顔を見せ、魚をさばくことが得意だという花田は「普通の人じゃ捌けないヒラメを捌くのが一番得意です」と自信満々にアピール。北海道出身の川村は「東京は電車の乗り換えが難しくて、レッスンの帰りに乗り換えを間違ってしまって、泣きながら周りの人に聞きながら帰りました…」と初々しい様子でコメント。

ダンス経験者でAKB48最年少・13歳の白鳥は、他メンバーから「一番落ち着きがあってしっかり者。ダンスも結構アドバイスしてくれます」と褒められると「ダンス大好きです!」と少し照れた様子で話した。

尊敬するメンバーが倉野尾と語る奥本は「リハーサルの時に目が合って、すごいドキッとしたのと、パワフルなオーラがあってずっと目で追ってしまいます」とラブコール。倉野尾は「嬉しい~! これからもずっとパワフルでいます!」と顔をほころばせつつ「フレッシュなみんなに入ってもらって、今日も完璧なパフォーマンスだったので、これからも楽しみだなと思います。
19期研究生の応援をよろしくお願いします!」と呼びかけた。

中盤には、コンセプトの“入学式”にちなんで春ソングを中心に披露。『春一番が吹く頃』『偶然の十字路』では、メンバーがステージを降りて客席近くまで散らばりパフォーマンス。ファンの目の前で爽やかな笑顔を届けた。

さらに『君はメロディー』、18期研究生・新井彩永のピアノ伴奏で震災の復興支援ソング『掌が語ること』を披露。ピアノのレッスン歴12年の新井が奏でる美しい旋律にのせて、心を込めた歌声を届けた。
小栗有以は「私たちAKB48は誰かのためにできることを続けていきます」と力強く語った。

コンサートも終盤に差し掛かると、61stシングル『どうしても君が好きだ』、62ndシングル『アイドルなんかじゃなかったら』など5曲でラストスパート。本編ラストは、19期研究生も含めた全員で円陣を行い『初日』を披露。全日の柏木由紀卒業コンサートでは初代チームBメンバーで披露していた同曲を、「新たなAKB48で迎える初日」という意味を込めて新体制のメンバーで再びパフォーマンス。ファンの胸を打つような情熱溢れるステージで締めくくった。

アンコールは、63rdシングル全タイプに収録されるU-20選抜楽曲『星が消えないうちに』でスタート。
ファンの前で初披露となる同曲を、Wセンターを務める17期研究生の橋本恵理子・山﨑空を中心に溌剌としたパフォーマンスで魅せた。

そして、前日に卒業コンサートを終えた柏木由紀もステージに姿を現し『カラコンウインク』を披露。一糸乱れぬ圧巻のダンスパフォーマンスで、会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。柏木は「24時間も経たずに帰ってくるなんて…」と笑いを誘いながら「最初から観てたけど最高でした。みんなも最高。夜公演ではもうちょっと何かやりたいなと思います」と夜公演の期待感を高め、颯爽とステージを後にした。

このまま最後の曲に向かうかと思いきや、スクリーンに「特報」の文字が︕今年の1月1日にマレーシア・クアラルンプールを拠点に活動を開始する新たなAKB48グループとして発足を発表したKLP48に、AKB48から行天優莉奈・黒須遥香・山根涼羽の3名が移籍・第1期生としてデビューすることが明らかに。

突然の発表にメンバー・ファンも騒然となる中、黒須は「海外での活動や1期生としてグループをつくっていくということは初めてなのでワクワクしています。応援してくださるみなさんとは物理的な距離は離れてしまうけど、心はずっとそばにいるので、もっと一緒に大きな世界を見たいと思います。やるからには“KLP48のセンターになるぞ! いや、世界の黒須になるぞ!”という気持ちで頑張ります!」と力強く宣言。

行天は覚えたてのマレーシア語で「わたしはみなさんのことが大好きです」と伝えた後に「みなさんもびっくり“行天”してくれたんじゃないかなと思うんですけど、AKB48が大好きで、青春の全てで、今度の4月3日で加入して10年になります。歌って踊ることが大好きなので、これからもたくさん歌って踊っていきたいです。その中でアイドル人生として最後の挑戦をKLP48に懸けていきたいと思います。新しくマレーシアにできるグループにAKB48の魅力を伝える架け橋になれたらいいなと思います」と決意を語った。

山根は「自分で真っ直ぐな気持ちで決めたんですけど、いざ発表されるとちょっと寂しいなという気持ちも出てきちゃって…」と涙で言葉を詰まらせながらも「大好きなAKB48とメンバーと離れるのはすごく寂しいんですけど、腹括って決めたので、KLP48をAKB48を超えるくらい大きなグループにして、自分自身も大きくなって、胸を張ってグループを引っ張っていける存在になれるように頑張ります。ファンの方のことを考えるとすごくこの数ヶ月葛藤していたんですけど、心に決めたので頑張って行ってきます!」と前を向いた。

倉野尾は「海外で活動するというのは、今までAKB48にいた分寂しいと思うし、最初は言葉の壁もあると思うし、大変なことだとは思うんですけど、一人ひとりの決意を聞けて笑顔で送り出したいと思ったし、海外での活動とはなるけれど、これまでも先輩方も1期生から引っ張ってくれていた姿を見てたので、海外のメンバーと一緒に活動して引っ張っていってほしいなと思うし、距離は離れてしまうけど、みんなで応援しています。KLP48に行っても頑張ってね!」と涙を浮かべながらエールを贈った。

昼公演の最後を飾ったのは、公演のサブタイトルにもなっている楽曲『未来が目にしみる』。山内は「私たちはAKB48を愛してくださってるみなさんのことが大好きです!そんなみんなの未来を明るく照らします!まだまだ私たちについて来てくださーい!」と大声で叫び、未来への希望に目を輝かせながら最後まで全力パフォーマンスを届けた。

温かい拍手が降り注ぐ中、頼もしい第19期生の加入、行天・黒須・山根のKLP48移籍という大きな驚きに包まれた昼公演は終幕となった。なお、KLP48に移籍する3名は5月31日(金)までAKB48 メンバーとして活動し、6月1日(土)よりKLP48メンバーとして活動を開始する予定。

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