Amazon Original『ラブ トランジット』シーズン2の最終話が9月5日に配信された。

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『ラブ トランジット』は韓国の人気恋愛リアリティ番組のフォーマットが元となっており、5組の元恋人たちが参加。
一度は別れを選んだ恋人たちが再会し、ホカンスでの約1か月の共同生活を通して、過去の恋と新たな出会いの間で揺れ動く姿に迫る。

シーズン1は大好評で終了し、指原莉乃柏木由紀といった著名人もSNSで熱中していることを明かすなど、業界でも注目を集めていた。

個人的にもシーズン2を待ちわびていたのだが、最終話を見終えた今、消化不良の感は否めないというのが本音だ。

シーズン1で、『ラブ トランジット』の大きな魅力と感じたのが、一度は別れを選んだ2人がどう接し、どのように再び向き合うかを丁寧に描いている点だった。復縁を望んでいようといまいと、複数の異性もいる中で元恋人とどのように話すのかは興味深かったし、過去の写真や映像、そして音楽を用いて映し出される元カップルの姿からは目が離せなかった。

物語の最後には告白もあるのだが、その過程に視聴者はひきつけられているため、結末がどうなっても、作品としての評価が下がることはない。彼らの歩んできた道のりを見れば、結果には納得できたし、そもそも人の決断に文句を言うというのもお門違いだ。

しかし、シーズン2ではその“過程”が軽んじられていた印象がある。もちろん、シーズン1で名物となった元カップル同士のシーンもあるにはあるが、時系列がシャッフルされていることも多く、見ている側からすると理解するのがワンテンポ、そしてツーテンポと遅れていく。

さらに、物語のクライマックスである告白シーンでも恣意的な編集がネガティブに働いていたように感じた。結末については控えたいが、良く言えばサプライズ、悪く言えば納得しがたいと評すのが正確だろうか。そうしたもやもやが残ってしまったのも元カップル同士のシーンを全8話の中で描ききれていないから。
意図的にカットしているのか、そもそも撮れていないのか定かではないが、「2人はいつの間に距離を縮めていたの?」と驚いた人も少なくないだろう。告白の答えが出た後、ネタバラシ的に2人の会話が差し込まれるシーンもあったが、その“時系列シャッフル”は視聴者に対して不誠実なのではと疑問が湧いた。

また、シーズン2から一新されたスタジオメンバーもこの番組の色には合っていなかった。シーズン1ではお笑いコンビ・EXITや女優の松岡茉優、俳優の磯村勇斗など全体的にフレッシュな印象が強かったが、彼らに好感を持てたのが参加者に対して否定的な意見が少なかったこと。笑いにする場面はあっても、もう一方で理解も示すという構図ができており、5人という数もちょうどよかった。

翻ってシーズン2では、スタジオメンバーが麒麟川島明シソンヌ・長谷川忍、指原莉乃の3人に。いずれもバラエティの中で輝くスターで、歴戦の猛者で朝の顔でもある川島も恋愛リアリティショーは初心者だった。結果としてこのフォーマットに慣れている指原と、おじさん2人という構図になり、視聴者の声を代弁できていなかったように思う。決して3人が実力不足ということを言いたいわけではなく、適材適所ということだ。

もちろん、主役である参加者たちに目を向ければ魅力的な人間もいたし、シーズン1同様美しいラストもあった。それだけに、参加者10名を扱う環境がもう少し違っていれば、『ラブ トランジット』シーズン2 の“読後感”は大きく違ったのではと夢想してしまう。

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