【写真】爆風スランプのあの名曲からインスパイアされた映画も来年公開予定
一方で、千葉県の蘇我スポーツ公園で行われた「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や同じく千葉県のZOZOマリンスタジアムと幕張メッセで行われた「SUMMER SONIC」には、今をときめく櫻坂46やFRUITS ZIPPERといった女性アイドルグループ、BE:FIRSTやNumber_iといったボーイズグループらが多数出演したことなどにより、大人な音楽ファンの足をフェスから遠ざけてしまったのではないだろうか。
そんな中、日本の音楽シーンでは、本当に今が2024年なのか?令和なのか?と疑いたくなるような驚きの現象も起こっている。80年代~90年代にかけて、邦楽ファンを熱くさせてきたロックバンドが今なお現役で、そして、精力的に活動し続けているのだ。ライブハウスやコンサートホールに足を運ぶことが少なくなってしまったアラフィフ世代のかつての邦楽ファンにこそ、今のこの動きを知ってほしい。今回はそんな思いで、あの頃の“バンドブームのバンドの今”に注目してまとめてみた。
まずは、ZIGGY。現在の正式メンバーはボーカルの森重樹一のみだが、今でも精力的に活動を続けている。今年4月には結成40周年を記念したベストアルバムをリリース。さらに、10月にはニューアルバムをリリースし、全国ライブハウスツアーもスタートする。それと並行して、当時のバンドファンにはたまらないイベントも企画されているのだが、ナント、LINDBERGとの対バンライブを開催するのだ。
会場はEX THEATER ROPPONGI。
続いて、ダイアモンド☆ユカイ率いるRED WARRIORS。同日10月14日に、LINE CUBE SHIBUYA(旧渋谷公会堂)でワンマンライブを開催するのだが、チケットは既にソールドアウト。こちらも「バラとワイン」や「ルシアン・ヒルの上で」が生で聴けるかもしれないと思うとワクワクが止まらないのではないだろうか。六本木ではZIGGYとLINDBERGが対バンライブを行い、同日、渋谷ではRED WARRIORSがワンマンライブを開催し、チケットはソールドアウト。何度でも言うが、2024年10月の出来事だ。
また、今年はREBECCAが7年振りの新曲を発表し、全国ツアーを開催したほか、PERSONZも40周年を記念したツアーを開催。名曲「Dear Friends」では各会場で大合唱が沸き起こっていた。そして、男女ツインボーカルで人気を博したBARBEE BOYSも40周年イヤーに突入。
さらに、デーモン閣下率いる聖飢魔IIは、魔暦27(2025)年、人類の悪魔化を視察する為に再集結し、地球デビュー40周年を記念した全国大黒ミサツアーを開催する(ここはあえて、オフィシャル発表の表現のまま)とのことだ。
その他にも、今年は、KERA(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)率いる有頂天が渋谷クアトロでライブを開催したほか、ニューロティカは結成40周年を記念したライブを地元・八王子で開催。JUN SKY WALKER(S)の宮田和弥や氣志團の綾小路翔、宮藤官九郎らがお祝いにかけつけて話題となった。
さらに、ガールズバンド・ロリータ18号は結成35周年を記念して11月に日比谷野音でライブを開催予定。LÄ-PPISCHは東名阪ツアーを開催し、2時間半に及ぶライブのセットリストには、「パヤパヤ」や「リックサック」も盛り込まれていた。2024年、本当にあの頃のバンドの精力的な活動に驚かされるばかりだ。
また、BUCK-TICKが年内に43枚目のニューシングルと24枚目のニューアルバムをリリースすると発表したこともファンにとっては嬉し過ぎるニュースだったに違いない。このように、あまりに情報量が多過ぎて、ダイジェスト的な紹介にはなってしまったが、もう一度だけ言わせてほしい。これらはすべて2024年の日本の音楽シーンでの出来事だと。
最後に、そんな今年の80~90年代バンドブームの再ブーム!?を最も象徴したバンドが爆風スランプである。
そして、来年2月には、不朽の名曲「大きな玉ねぎの下で」にインスパイアされた映画『大きな玉ねぎの下で』が公開予定。主演は、神尾楓珠と桜田ひよりということで、こちらも話題を集めている。ちなみに、8月には新曲もリリースしたのだが、ジャケットのイラストを手掛けたのは、サザンオールスターズの関口和之だ。
このように、40~50代の青春時代を魅了してきたバンドが精力的な活動をみせた2024年。来年は、今回挙げたバンドが一堂に会するような大人のためのフェス開催にも期待したいものだ。中学・高校時代の友人と同窓会感覚で参加できる、かつてコピーバンドを組んだ仲間達との再会の場として集まれる…そんなフェスが開催されたら最高に平和な空間になるのではないだろうか。
【あわせて読む】『ロッキン』2025年は9月開催「夏フェス」は今後死語になっていくのか