【写真】『海に眠るダイヤモンド』第八話 廃鉱となった端島での日々
1955年から始まった過去パートも、気がつけば10年後の1964年に。
そして今回の第7話では、端島の歴史のなかで最も大きな事件のひとつ、九片治層坑道の自然発火事件が描かれる。鉄平の父・一平(國村隼)の見立てによれば、溜まっていたガスが岩盤の割れ目から吹き出し、くすぶっていた火に引火したことが原因で発生した事故だった。
第4話では「神なき時代にあって、何を信じればいいのか」という神学的テーマを、第5話では「一島一家」をスローガンにする端島の団結心を描いてきた『海に眠るダイヤモンド』は、今回一気にギアを切り替えて、パニック映画のようなサスペンスを提示する。エピソードごとにどんどんトンマナを切り替えてるのが、この作品の大きな特徴といえる。
鉱員一同が昼夜問わず火災の消火活動にあたるが、事態は好転しない。炭鉱長の辰雄(沢村一樹)は、島民の生命を守るために、災害区域を水没放棄するという苦渋の決断をする。海底炭鉱によって栄えてきた端島が、終焉を迎えた瞬間だった。
海水を坑道に流入させるためのバルブを開く役回りを担うことになったのは、ふだんは外勤職員として炭鉱に入ることのない鉄平。思えば、父親の期待を背負って長崎の大学に進学したにも関わらず、生まれ故郷に戻ってきたのは、彼が誰よりもこの島を愛していたからだ。
端島の人々を救うために、端島を終焉へと導く。この出来事は、大きなトラウマとなって鉄平にのしかかるはずだ。今まで一度も端島から離れたことがないという朝子との関係にも、少なからず影響を及ぼすだろう。一酸化炭素を吸引して倒れ込んでしまった進平も気掛かりだ。
廃鉱となった端島での日々が描かれることになる次回第8話は、物悲しいトーンのエピソードになることは必至。そしてドラマはいよいよ大団円に向かっていくことになる。
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