【関連写真】松田元太が書道家・武田双雲の前で書道パフォーマンスに挑戦
『人事の人見』は、ドラマの題材としては珍しい「人事部」にスポットを当てた痛快オフィスエンターテインメント。古い熱血体質の残る大企業を舞台に、ビジネスマナーも社会常識もないがとにかく素直でピュアすぎる主人公・人見廉(松田)が、会社を変えたいと願いながら日々奮闘する真野直己(前田敦子)ら人事部の面々と共にさまざまな問題と向き合いながら、「現代人の悩み」に立ち向かっていく。
4月8日に放送された第1話は、同14日までに無料見逃し配信が217万再生を突破(※配信数はTVer DATA MARKETINGにて算出。TVer・FODの合計値)。2024年10月期から復活したフジテレビの火曜21時ドラマ枠での歴代最高記録となった。
今作の主人公・人見廉は、脚本家が松田に当て書きしたキャラクター。松田のパブリックイメージが反映された、おバカでピュアな人物となっている。それもあってコメディ的な明るいシーンは「松田元太そのまま」と思えるようなやり取りが目立ち、視聴者が入り込みやすいリアリティを生んでいる。
そうかと思えば、涙を浮かべるようなシリアス系のシーンでは迫真の演技で視聴者の心をつかむ。アイドルらしく胸キュンなシーンもこなし、4月22日放送の第3話では「コミュ障」を自称する若手社員の詩織(桜井日奈子)に対して「俺がいるじゃん」と励まし、SNS上の女性視聴者から「メロすぎる」「こんなん恋に落ちるでしょ」などと歓喜の悲鳴が上がった。
松田というと、一般的にはバラエティで活躍する「おバカキャラ」のイメージが強い。しかし、実は以前から演技力の高さに定評があり、2022年に映画初出演にして主演(福本莉子とW主演)を務めた映画『君が落とした青空』は、当時から「松田元太くんの演技に圧倒された」といった声が相次いでいた。
2024年に放送されたKing & Prince・永瀬廉の主演ドラマ『東京タワー』(テレビ朝日系)では、20歳以上も年上の人妻との禁断の恋におぼれる男子大学生を好演。危険な逢瀬を繰り返すうち、相手を想う気持ちが本物になっていく複雑な心理を見事に表現し、称賛の声が湧き起こった。
また、松田は昨年12月に公開されたディズニー映画『ライオン・キング:ムファサ』の吹き替え版で声優に初挑戦。タレントやアイドルによる日本語吹き替えというと「嫌な予感がする」という人は少なくないだろうが、松田はそんな心配を吹き飛ばすような好演を見せ、ネット上で「いつものおバカキャラからは想像できないうまさだった」「どうせ下手だろうと思っていた自分を殴ってやりたい」といった絶賛コメントが飛び交った。
松田は5月1日公開のアニメ映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』で主人公・らいおんくんの声優を務めているが、これも公開前の時点で試写会に参加した観客から「松田元太くんめっちゃ演技うまい」「演技が上手で安心して観られた」といった声が上がっている。
こうした経歴を見ても、松田の俳優としての実力や才能はかなりのものであることがうかがえる。松田はダンスを覚えるのが異常に早いことで知られ、ドラマなどの台本も写真のようにビジュアルで記憶してしまうというが、その特異な才能が演技のセンスのよさにも影響しているのかもしれない。
ただ、松田が所属するTravis Japanは2022年10月に世界メジャーデビューを果たしたが、直後に当時のジャニーズ事務所でお家騒動が発生。その混乱によってTravis Japanはプロモーションなどが不足し、方向性も定まらず、しばらくあまり光が当たらない状況が続いた。実際、メンバーたちは昨年12月にテレビ番組で「(デビューしてから)だいたい1年くらいは副社長とか社長が見届けるんですよ。でも僕たちの場合は帰って来たら副社長がいなくなっていた」「1年はいてほしかった」などと本音を漏らしている。
旧事務所のお家騒動についてはさまざまな立場があるので良し悪しを決めることはできないが、Travis Japanはハッキリ言ってしまえば「貧乏くじ」を引かされた。
だが、今からでも業界は松田の演技力の高さにもっと注目すべきだ。今回の主演ドラマで高い評価を勝ち取ることができれば、俳優としてのオファーが大きく増加することは必至。今回のような当て書きもいいが、本人のイメージとまったく異なる役柄も見てみたい。
はたしてバラエティに続いて俳優業でもブレイクできるのかどうか、今後に注目だ。
【あわせて読む】手越祐也、2度目の『イッテQ!』出演も大好評!「レギュラー復帰」の現実味が増した理由