【関連写真】幅広い演技に定評がある久保史緒里
●幅の広い演技ができる久保史緒里、ピュアなラブコメで輝く松村沙友理
まずは、民放キー局でドラマのプロデューサーを務める男性社員・K氏に“坂道シリーズ女優”についての評価を聞いた。
「坂道シリーズメンバーやOGで女優業をする方々は固定ファンを持っていて視聴率に貢献してくれていますし、演技力の高さでも評判です。その理由は、メッセージ性の強い楽曲が多いのでダンスパフォーマンスや表情作りを通して表現力が鍛えられているからだと思います。また、乃木坂46は新規メンバーによるミュージカルも定期的に上演していることも大きい。たとえドラマ初出演でも、他のアイドルとは一線を画すレベルの演技をする方が多い印象です。
その中でも評価が高いのは、映画『ネムルバカ』に出演している久保史緒里(乃木坂46)さん。大河ドラマ『どうする家康』(NHK)で信長の娘・五徳を演じた際は、プライドが高く冷酷さのあるキャラクターを力強い目線や意志のこもったセリフ回しで巧みに表現していた。一方で『ネムルバカ』では、怠惰な生活を送る女子大生・入巣をナチュラルに演じ切っており、その演技力の振れ幅に驚かされました。ドラマや映画に出演するたびに演技力も上がっていて、現場を担当した関係者からは努力家とも聞いている。卒業後も女優一本でやっていける逸材だと思います。
もう一人は、松村沙友理(元・乃木坂46)さん。『ショジョ恋。』(フジテレビ)や『焼いてるふたり ~交際0日 結婚から恋をはじめよう~』(読売テレビ・中京テレビ)、放送中の『やぶさかではございません』で見せる恋愛に奥手なヒロイン役は彼女でしか表現できないピュアさがありますし、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(ABC・テレビ朝日)で演じた熱狂的なアイドルオタク・えりぴよ役のようなクセの強いキャラを演じられるコメディセンスも持っている。バラエティー番組の印象が強く過小評価されていますが、素晴らしい女優だと思います」
●どの役どころもこなせる器用な深川麻衣
次に話を聞いたのは、制作会社でキャスティングにも関わる女性プロデューサーのK氏。注目している坂道シリーズ女優を教えてくれた。
「深川麻衣(元・乃木坂46)さんですね。多彩な役柄を演じられるので、新作を作る際にたびたびキャスト会議に挙がっています。朝ドラ『まんぷく』、大河ドラマ『青天を衝け』(ともにNHK)をはじめ、『特捜9』シリーズ(テレビ朝日)など、人気作に多数出演。シリアスでクールな演技はもちろん、周囲に振り回されるコミカルな役どころまで演じられる器用な女優だと思います。
個人的には、映画『パンとバスと2度目のハツコイ』で演じたふみ役が印象的です。恋愛をこじらせたアラサー女性を演じていたのですが、セリフの抑揚を使って繊細な感情の機微をうまく表現しており、感情移入することができた。ドラマでも見たいですが、映画業界で末永く活躍していくと思います」
●不気味な笑顔に引き込まれる五百城茉央
「現在放送中の作品に出演している方だと、『MADDER その事件、ワタシが犯人です』で主演を務める五百城茉央(乃木坂46)さん。
●クールで個性的な役がハマる平手友梨奈、天性のあざとさを持つ加藤史帆
最後に、ラブコメを中心に多彩なジャンルの作品を手掛ける女性脚本家のM氏にも話を聞いた。
「映像作品での演技を見たいのは、平手友梨奈(元欅坂46)さん。映画『響-HIBIKI-』や『六本木クラス』(テレビ朝日)、『うちの弁護士は手がかかる』(フジテレビ)で演じたような、クールで一筋縄ではいかない個性のある役柄を演じさせたら右に出る者はいない。女優活動から少し離れているようですが、ぜひ新作を見てみたいです。
もう一人は、『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』(MBS・TBS)でガールズラブドラマに挑戦していた加藤史帆(元・日向坂46)さん。一途なキャラクターやあざとい演技はなかなか身に着けることができるわけではないので天性の才能だと思います。感情を爆発させる演技もうまく、マンガ原作のドラマなどでこれからも活躍していけるはずです」
ここまでテレビドラマ関係者たちが注目する坂道シリーズの現役メンバー、OGの演技力について評価を聞いてきた。しかし、あくまでの現時点の評価なので、今後の演技力の向上やきっかけ次第でその評価は変わっていくはず。今後とも坂道シリーズ女優たちの演技に注目してみてほしい。
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