幅広いジャンルを包括したオシャレな楽曲で、アイドルファン以外にも高い評価を受けるフィロソフィーのダンス。ルックスも歌声もキャラクターもバラバラな彼女たちが織りなすエモーショナルなパフォーマンスは唯一無二の存在として根強い人気をあつめ、ついに今年メジャーデビューが決定。
そんな彼女たちがこれから挑戦したいこととは。
──3月6日リリースの リミックス・アルバム『SAPIOSEXUAL』の中から幾つかピックアップして曲の聴きどころを聞かせてください。

十束 『ヒューリスティック・シティ(mabanua remix)』は夜のドライブに合いそうなチル味を感じていて。私たちはアイドルなので、普段からアイドルの曲を聴くファンがほとんどだと思うんですけど、この曲はアイドルを聴かない方でも耳馴染みがいい感じにリミックスしていただけて、周りからの評判も良かったです。

佐藤 『イッツ・マイ・ターン(T-Groove Remix )』はリミックスバージョンの中で1番ライブでやっている曲で、他のアイドルさんを迎えてコラボしたことがあります。原曲の「行くぞ!」って感じも好きなんですけど、ちょっと重めのリズムもいいなと思っていて、テンポ感も含めて違いがハッキリ出ていますね。イントロ、アウトロが長いので、遊びの要素が入れやすくて、リリスク(lyrical school)さんやサイプレス上野さんとコラボしたときは、ラップを入れてもらいました。

奥津 先日、T-Grooveさんとお会いしたんですけど、「まさか自分のリミックスがラップと合うと思っていなかったから面白い」と褒めてくださりました。

日向 この曲は唯一、楽器を全て録り直した上でリミックスしてくださったので、新曲のような感覚で聴くことができました。

十束 『アルゴリズムの海(ヤマモト ショウ リミックス)』は個人的に好き過ぎて、自分の生誕祭でオリジナルの振り付けを先生と自分で考えて披露させていただきました。作詞を担当したショウさんがリミックスしたからこそ、より深い世界観を表現できているのかなと思います。

奥津 CDのボーナストラックに入っている『アルゴリズムの海 (ヤマモト ショウ リミックス AI Mix Version)』は、AIにリミックスをさせるという案が面白くて。
アルゴリズムって言葉自体が“計算方法”のことですけど、AIが計算してリミックスしているんだと考えたらすごくロマンを感じて。私からしたら、どうやったら完成するのか想像もつかないんですけど、それができるのがショウさんの頭の良さなんだろうなって思いました。

佐藤 『スーパーヴィーニエンス(Night Tempo Shuto Expressway Groove Mix)』は昨年連続でリミックスを配信してきたなかでも、1番 SNSのタイムラインがざわつきました。

日向 「Night Tempoだ~!」みたいな感じで音楽ファンが反応してくれたんですよ。

十束 サビが首都高を走り抜けているような疾走感があるんですよね。

日向 三半規管に訴えかけてくるようなリミックスです。

奥津 『ライク・ア・ゾンビ~ヒャダインのリリリリ☆リミックス』は初めて聴いたときにビックリして、1本の映画を観ているような感覚になりました。

日向 曲を丸ごと変えてくれた印象で、個人的に大好きなリミックスです。リズムも構成もガラッと変わって面白かったです。

佐藤 遊園地みたいな曲で、ヒャダインさんの頭の中を覗いてみたい! と思いました。

──傾いているアルバムジャケットはどうやって撮影したんですか?

十束 急な坂になっているセットに上から1人ずつ並んで、できるだけ辛い方向に体を傾けて撮影しました。

日向 不自然に見えるように個々で好きなようにポーズを決めたんです。


──もうすぐ新年度を迎えますが、それぞれの目標や挑戦したいことは何ですか?

佐藤 趣味を見つけたいなって思います。本当に無趣味で、大好きなのはお昼寝とゴハンを食べることぐらいなんですよ。

──環境の良い場所で寝るとかお昼寝を極めるのはどうですか?

佐藤 最高の昼寝場所を見つける、みたいなことですか? あんまり環境が変わると、ソワソワして眠れなさそう(笑)。映画でも音楽でもアニメでも食べ物でも食わず嫌いなところがあって、触れる前にスルーすることが多かったんです。でも最近は人に勧められたものを素直に受け止めるようになってきて、それでハマったものもあるんですよ。

──たとえばハマったものは?

佐藤 アニメの『鬼滅の刃』(TOKYO MXほか)にめちゃめちゃハマってマンガも読破しました。そうやって何事にも関心を持てば、もっと世界も広がるのかなと思います。

日向 食べ物の食わず嫌いも、だいぶ克服したよね。

佐藤 そうなんですよ。去年だけで生もの、グリーンカレー、モツなど、たくさん克服したんです(笑)。

日向 私たちが、いろいろ食べるから鍛えられたみたいで、最近では自分から「お寿司に行こう」って誘ってくるんです。

奥津 私は、ここ最近ちょっと太っちゃったんですよ。
なので体を引き締めて、いつでも良い状態でグラビア撮影に臨みたいです。

──そうは見えませんけどね。

奥津 グラビアのために、筋肉質な体を女性らしい柔らかい体型にしようと思って、2キロぐらい増やしたんです。ところが歯止めが利かなくなってMAXで5キロぐらい増えて、今は元に戻ってきてるんですけど、気を引き締めなきゃなと。愛され過ぎボディにならないように、愛されボディを極めていきたいです。

佐藤 商売道具だから大事にしてほしいです(笑)。

十束 やらされている感が全くなくて、自分から楽しんでグラビアをやっているからいいですよね。なので私たちも「いってらっしゃい!」って心から応援できるんですよ(笑)。

──この衣装も奥津さん自身が胸の露出をしようと思ったんですか?

奥津 そうです! ビヨンセみたいになりたかったんですよ。日本人が出さないレベルの出し方をしたいってスタッフさんにリクエストしました。そしたらプロデューサーの加茂(啓太郎)さんに「すごいですね。サービスしますね」って笑われました(笑)。


日向 私は歌で知ってもらえる場所を増やしたいなと思っていて、まだ1人で考えているレベルなんですけど、YouTubeに「歌ってみた」の動画を上げるとか、グループの楽曲以外でも知ってもらえる材料をインターネット上にばらまいておきたいです。準備が整ったら個人でもいろいろできたらいいなと思ってます。

十束 私は、おかげさまで大好きなゲームのお仕事はたくさんさせていただいているんですが、海外のプレイヤーさんなどともコミュニケーションが取れるように、英語と中国語を習いに行ってます。通訳さんを介さないと会話ができないというのは良くないなと思うので、ちっちゃいことから始めようと。あとゲームができることは十分伝わったと思いますので、ゲーム実況などにも挑戦して、伝える力を身につけたいです。

──結成5周年にして今年はソニー・ミュージックレーベルズよりメジャーデビューが決まっていますが、グループとしての目標は何ですか?

日向 私たちが5年間で積み上げてきたコンセプトやキャラクターを崩さないままメジャーデビューして、より多くの人に知ってもらいたいです。あと有名な音楽番組だったり、ロックフェスだったりに出て、音楽シーンに飛び込んでいけるグループになりたいです。

(取材・文/猪口貴裕)
▼フィロソフィーのダンス
十束おとは、奥津マリリ、佐藤まりあ、日向ハルからなる4人組ユニット。2015年に活動を開始し、高い音楽性と歌唱力で話題を呼ぶ。2019年4月より地上波で初の冠番組『フィロのス亭』(テレビ朝日)がスタート、今年2月には初のオフィシャルブックが刊行されるなど、今注目の存在。
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