【写真】北川景子が第6話で見せた”衝撃”母親の演技、最新10話場面カットも【15点】
本作はなにより、北川の役へのハマリ具合が印象的だ。一般的なイメージだと、北川と「復讐する母」の組み合わせは意外に思えるが、なぜ彼女が起用されたのか。
「私が北川さんのファンというのがあって、いつかご一緒したいと思っていたのがまずあります。それと今作は主人公の『母』の顔が重要な要素になるので、実際にママである女優さんの中でも、視聴者に『しっかり母親をやっている』と伝わっていて、説得力のある北川さんがぴったりだと思いました」(水野氏)
さらに、北川だからこそのギャップや最近の演技の変化も起用の要因となった。
「北川さんはキラキラしたヒロインやバリバリ働くお仕事系作品の主人公など、優等生的な役を演じられることが多かったのですが、ここ数年は映画『約束のネバーランド』やWOWOWドラマ『落日』などで、おやっと思うような今までにない役を熱演されることが増えました。とくに狂気をはらんだ演技の衝撃は強烈で、観る者に『あの北川景子さんが?』と思わせるギャップがある。このインパクトは、芸能界で右に出る人はいないんじゃないでしょうか。そういうところでも、今作の主人公は他のどの女優さんよりハマリ役になるだろうなというのはありました」(三方氏)
北川の「狂気の熱演」はドラマの開始当初からSNSを騒然とさせた。それは制作現場も同様で、スタッフも彼女の演技に圧倒されていたという。
「北川さんの演技に最初に圧倒されたのは、クランクインした撮影初日でした。
北川は「母親を演じる」ということを誰よりも理解し、周囲が衝撃を受けるような演技を見せた。
「水野さんのおっしゃるとおり、制作スタッフは本当にみんな初日に同じことを思ったはずです。『北川さんはここまでやるのか……!』と。あともう一つ大きくみんながざわついたのが、第6話で美海ちゃんの行方が分からなくなってしまう場面。紘海は取り乱すくらい心配しながら必死に探し回り、美海ちゃんは駅員さんに助けられて無事だと分かった。
紘海は駅に駆けつけ、美海ちゃんと再会したら『(駅員さんに)お礼言ったの!?』『本当に心配かけて!帰るよ!』と、すごい剣幕でブチ切れる。北川さんは段取りの時からあの剣幕で演技をされて、我々はまったく予想していなかったので『怖い』『なにもそこまで』と思うくらい驚いたんですけど、オフラインのプレビューで前後のお話が繋がった状態で1本通してみた時、『あの場面では確かに、あれくらい怒ってて然るべきだったな』と。ですから、北川さんは現場の誰よりも『母親を演じる』ということを一番咀嚼されていたのだと思います」(三方氏)
紘海の人生を大きく変えるキーマンの役割を担ったのが、阿部亮平が演じる玖村毅だった。SNS上では阿部の役へのハマリっぷりが評判になり、劇中で食べた大盛りの親子丼がトレンドワード入りするなど、さまざまな意味で注目を集めた。
「玖村って最初は優等生的な家庭教師なので、クイズ番組などで活躍されている阿部さんはそのまま『玖村先生』になれる。世間のイメージ的に理想的な『家庭教師の先生』に最も近い方ではないかと思います。ただ玖村はその後、セクハラの汚名を着せられてSNSでウソを拡散され、決まっていた就職の内定も取り消しになり、やさぐれていきます。
そのキャラクターの変化によるギャップが一番あるのは誰かと考えた時、やはり阿部さん以外いないんじゃないかと思いました。実際、その振れ幅の大きさのインパクトは視聴者の方々に伝わったと思いますし、親子丼大盛りがトレンド入りした時は『そこまでしっかり観て楽しんでいただけるのは本当にありがたい』と感じました」(三方氏)
最後に、佳境を迎えた『あなたを奪ったその日から』の物語の行方を楽しみにしている視聴者に向けて、両氏からメッセージをもらった。
「SNSではすごくいろんな考察がされていて、私もリアタイしながら皆さんの反応を全部チェックさせてもらっています。すべての謎が解けてから、紘海、旭、美海ちゃんの3人はどうなるのか。強いて言うなら、とくに美海ちゃんに注目してほしいです」(水野氏)
「クライマックスに向かって、もう本当に一瞬も見逃せない展開になると思います。紘海、美海、旭、そして、それを取り囲む登場人物たちが、それぞれどのような結末を迎えるのか。最後まで丁寧に愛を持って紡いで参りますので、ぜひ全集中でご覧になっていただければと思います」(三方氏)
【前編】世界トレンド1位『あなたを奪ったその日から』“考察したくなる”衝撃ストーリー展開が生まれた理由