【関連写真】前作『沈黙の艦隊』で原子力潜水艦の艦長を演じる大沢たかお【7点】
原作はかわぐちかいじの人気漫画で、1988年から1996年まで「モーニング」で連載された長編作品である。
映画シリーズ第2弾となる本作では、北極海を舞台に「やまと」とアメリカの最新鋭潜水艦の攻防が描かれ、戦闘のスリルだけでなく、国際政治やジャーナリズムも絡み合い、エンターテインメントでありながら社会性を帯びた作品となっている。主演の大沢たかおがプロデューサーとして作品に深く関わっていることにも注目が集まった。
「大沢は艦長・海江田四郎というカリスマ的な役柄を演じる一方で、企画段階から製作に加わり、作品の基盤作りに尽力しています。かわぐち氏への企画プレゼンや防衛省との交渉なども大沢が行ったといい、特に防衛省から撮影協力を得るという重大なプロセスでは、彼の人脈と熱意が大きな後押しとなったといいます。前作で共演した玉木宏は『声だけのシーンにも現場に足を運び、芝居を支えてくれた』とインタビューで語っており、大沢の姿勢を高く評価しています」(映画ライター)
こうした俳優の製作参加は、近年の新潮流となっている。たとえば、佐藤健はNetflixドラマ『グラスハート』で主演・共同プロデューサーを務め、自ら企画を持ち込み原作者と交渉するなど、作品実現の中心を担った。賀来賢人も『忍びの家 House of Ninjas』で主演・原案・共同プロデューサーを兼務し、脚本段階から参画。他にも山田孝之や松田翔太、斎藤工らも作品のプロデュース業に関わり、それぞれの個性を作品に反映させてきた。
俳優がプロデューサーを兼任する効果について、ドラマ関係者はこう語る。
「俳優が製作側に立つことで、キャスティングが迅速になる、作品の世界観がぶれない、観客に対する説得力が増すなど、多様な効果が生まれます。特に大規模な企画では、主演俳優が製作陣に加わることで出資者への安心材料となり、リスク軽減につながる側面もある。
俳優が活躍する場を広げていくことで、日本の映画やドラマを世界へと発信する原動力になっていきそうだ。
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